昼過ぎに起きて、日記をひとつ書いただけで、
あとは、「電話かけまくり男」であった。
かつて存在した「立ち止まって考えよう国民会議」の名簿を開き、
今日も、20人ほどの元会員に電話をした。
何のためかというと、
16日の意見広告に「賛同者」として名を連ねることの可否を伺うためだ。
頭を掻きながら、
「以前、皆様には多大なるご迷惑をおかけしました。
今回、あのやり直しをやっています。ご一考下さい」
とご意見拝聴の僕に、
1人だけが、「見合わします」という返事で、
あとは全員、
「(自分の名を)掲載してくださって結構です」
という返事だった。
「今回は、「〜国民会議」の時のように、
名を出すからお金を出してくれなんて不細工は言いません。
これは僕にとっては「〜国民会議」のリベンジですから、
広告の費用は全部こちらで用意しました。
みなさんからお金をもらったりなんかしません。
お金のご心配はいりません」
と言うと、
「フフフ」
何人かに笑われた。
実は、
ここには書かなかったし、まだ書かないが、
今回、意見広告は、「週刊ゲンダイ」1誌ではなく、
もう一つある。
それにも同様の「賛同者」一覧がいる。
その許可ももらわなくていけなかったので、それもお願いしたところ、
全員快諾してくれた。
ありがたいことである。
それとは別に、
僕の『角栄と一郎』を買ってくれた人で、
メールに電話番号の記載されている人たちにも、何人か電話した。
つまり、
結構頑張った今日の僕である。
褒めてやってくださいな。
午後、
群馬県安中市の「あのじさま」に電話した。
「やあ、「soWhatだ」じさま。
お元気でございましたか」
「やあやあ、大作家世川さん。あなたも息災でなにより」
当たり障りのない会話って、本当に楽しい。
空々しく時間が過ぎていく。
「楽しそうですね。
一体、今日は何ごとでございますか?」
電話の向こうの明るい声が気になり、僕は訊いた。
「いや、
今日はちょっと人と一緒で・・・、」
歯切れの悪い声が返ってきた。
「いま、お家ですか?」
「まあ、家であるような家でないような・・・、」
どんどん歯切れが悪くなっていく。
(・・・、?)
僕は怪しみ始めた。
僕は、しばし沈黙し、電話の向こうの声に聞き耳を立てた。
「ザワザワザワ・・・、」
なんか不穏な声がする。
僕は、さらに耳を澄ました。
「ねえ、」
あれっ、
聞こえてくるその声は、
なんと、女の声ではないか。
しかも、
やけに、若い。
(このジジイ!)
僕は、正義感に燃えた。
なんと、
僕よりも2歳も年寄りなのに、
電話から漏れてくる女の声は、<小悪魔>よりも若い。
数十歳若い声だ。
世の中間違っておる。
あんなじさまに愛の囁きをする若い女がいるだなんて、
絶対に許せない。
「「soWhatだ」さん!」
僕は声を大にした。
「はい?」
いい気な男の声が返ってきた。
「あなた、いま、女と一緒ですね」
僕の声は、おのずと詰問調になっていた。
「やあ、わかりましたか。
そのとおり」
しらっとした62歳の声。
「あなたね。
あなたを祖父のようにように慕っているの「残九郎」さんの気持ちを考えたことがあるの?」
「はい?}
「なにが、はいですか。
そんなふしだらをしていちゃ、「残九郎」さんの純情が可哀想でしょう。
代わりなさい。
あなたの隣にいる女と、すぐに代わりなさい。
僕がきちんと話してきかせます」
「世川さん。
何もそこまでしなくても・・・、」
僕の剣幕に、さすがに厚顔無恥の安中のおじじもたじろいだ。
「代わりなさい!」
僕は怒鳴った。
「分かりましたよ」
「soWhatだ」さんは、あきらめ声でそう言うと、
電話の向こうで、
「お〜い。
友達の世川さんが、お前とお話がしたいんだってさ。
こっちにおいで」
むこうから、女の声がした。
「は〜い。
おじいちゃん」
おじいちゃん?
僕は、
「もしもし。XXで〜す」
と挨拶をする女に、礼儀正しく訊いた。
「お嬢さん。
あなた、何歳?」
「私?
私、
いま、4歳で〜す」
soWhatだ。 ・・・、つまんねえ。








「おじじ〜!!!」
犬が先に帰ってきた