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絵の時間




紫陽花の花を一輪、小さな花瓶に差した。
老人ホームでの"絵の時間"に使うモチーフとして持って行く為だった。出向いてみると今回私が担当する事になった婦人は殆ど目が見えなかった。残念ながら見て描くという作業は無理なので、アジサイは机の上にポツンと取り残された。
結局、ひまわりの咲く景色を描くということになった。どんな景色であるか話し合い、私がその景色を言葉で描くことから始めた。
夏の青空でふわふわな白い雲が浮かんでいます。
ひまわりが見渡す限り咲いていて、金色の様な花が眩しいようです。ミツバチが賑やかに集っています。
そんな風にお喋りをしながら彼女の手を取り、色を指につけてキャンバスに描いていった。
時々、私は今何を描いているの?と聞いてくるので、夏の爽やかな空ですよ、これは太陽の様なひまわりです。。と返事をすると、ああ、素敵ねえと笑顔を見せる。
そして、彼女の手も、私の手も、空の、雲の、ひまわりの色に染まっていった。




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