日本には今の医療を支える財政力があるのか

2012年01月01日 | 雑感
新年明けましておめでとうございます。

昨年は本当にいろいろな災難がありました。その反面、これまでは決して明らかにならなかったことが、その対策を施す過程で判明し、改革を迫られる場面が多くありました。

東京電力の体質もその1つでした。上の左図のような関係が世間のもとに明らかになったのは実にショッキングでした。しかし、製薬会社の実態も以前から全く同様で、左図をコピーペーストして文字を少し変えただけで、右図のような実態そのものになってしまうのには驚くべきことです。

私は最近、「予測できた危機をなぜ防げなかったのか?―組織・リーダーが克服すべき3つの障壁」という著書を読んだのですが、その中に「3つめの要因(政治要因)、自分たちの利益だけを考える特殊利益団体が、1つめの認知的要因の問題と2つめの組織的要因をさらに助長させることである」と書かれてあったのが実に東京電力の実態をみごとに言い当てていて驚きました。

さて、1つめの要因ですが、これは認知的要因と称され、「危機を予測させる原因があっても対応するほどではないと楽観視すること。現実を自分の都合の良いように解釈しようとする心理。現状維持に固執し、実際に損害を被らないと行動に移さない心理である」と解説されています。

これはまさに私たち自身の問題でもあります。今の日本は私たちの子どもや孫の名義のクレジットカードを勝手に使っている状況です。もうすぐ国の借金は1,000兆円を超し1,400兆円とも言われている国民の貯蓄額を超えます。日本の国債は日本人が買っているのだから大丈夫と、呑気なことを言っている人もいますが、国の借金が1,400兆円を超えれば、他国から借金をするか、消費税を25%程度にして歳入の範囲内で暮らすしかないのです。現状では消費税率はまだ上がっていませんが、既に「一般の扶養控除」の廃止、「配偶者特別控除」の廃止、震災復興増税としての所得税率の引き上げ、給与所得控除の上限の設定、「子ども手当」の縮小などで猛烈な増税が始まっています。私のところはそれで計算したら年間82万円の増税でした。

医療も例外ではなく、ワーファリンの10倍以上の価格のプラザキサなどを使っている場合ではないことに気がついていない。まさに「危機を予測させる原因があっても対応するほどではないと楽観視すること。現実を自分の都合の良いように解釈しようとする心理。現状維持に固執し、実際に損害を被らないと行動に移さない心理」です。私は10年以上前からこういうことを主張してきました。結局、自分たちの税金や社会保険費の中からプラザキサの代金が支払われており、以前から財政の破綻は指摘されていたけれどそれを放置し、今やっと税金や社会保険費が上がり、自分たちの財布が痛むようになってやっと気がつく、それでは愚かすぎます。

効果が実際以上にあるように宣伝されている、悪玉コレステロール低下薬、うつ病治療薬など、そんな薬を使う余裕は今の日本にはないのです。そんな財政力は今の日本にはないと、いいかげんに目を覚まさなければいけないのです。

ゼチーア、1年分81,000円
パキシル、1年分73,000円
プラザキサ、1年分193,000円
そして
スタチン、1年分約36,000円〜54,000円

確かにプラザキサを使用するとワーファリンと比較して30か月で脳梗塞のリスクを0.58%減らし、脳出血を0.28%減らすけれど、それは1日30円ほどで済むワーファリンの代わりに子どもと孫の名義のクレジットカードを使って1日470円のプラザキサを買っているわけで、誤解を恐れず言うならば「今の私たちは、子どもと孫の名義のクレジットカードを勝手に使わないためにも、0.58%の脳梗塞のリスクと0.28%の脳出血は受け入れなければならないのではないか」ということなのです。

ところで、今日、平成24年1月1日から、医者が講演料や原稿料などで製薬会社から受け取った報酬は全て製薬会社が公開することが義務づけられました。これで広告塔となっている医者がどれくらいの恩恵を受けているのかを監視するために、一歩前進となりました。平成24年分の合計が来年公開されます。

↓詳細はこちらです
http://www.jpma.or.jp/about/basis/tomeisei/

ここには、自社医薬品に関する科学的な情報等を提供するための講演や原稿執筆、コンサルティング業務の依頼に対する費用等は以下のように公表されると書いてあります。

講師謝金
○○大学(○○病院) ○○科○○教授(部長):○○件○○円

原稿執筆料・監修料
○○大学(○○病院) ○○科○○教授(部長):○○件○○円

コンサルティング等業務委託費
○○大学(○○病院) ○○科○○教授(部長):○○件○○円



広告塔となっている医者の皆さん、あまり製薬会社に有利なことばかり言わないで、公明正大にお願いします。

ちなみに「公明正大」という言葉の意味がわからない医者のみなさんのために

公明正大

なるほど〜と思われた方、こちらもぽちっと「ブログランキング」応援よろしくお願いいたします!
ジャンル:
速報
キーワード
悪玉コレステロール 子ども手当 コピーペースト
コメント (2) |  トラックバック (0) |  この記事についてブログを書く
Messenger この記事をはてなブックマークに追加 mixiチェック シェア
« 意外に効いていな... | トップ | インフル予防接種... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
医療は資源 (きらら)
2012-01-09 08:28:13
ですから、大切に使っていただきたいですね。

患者側のコスト意識にも首を傾げざるを得ないものもあります。
曰く、「頭から足まで全部異常が無いか調べてほしい。」
曰く、「保険料を払っているのだから、元を取らなければならない。」
などなど。

支払い基金側も、このような勘違い消費(浪費)者に対して、
健診目的の受診は保険対象外であること
保健医療は互助制度であること
ドクターショッピングは結果的に信頼関係を失い、医療費の増大を招くこと
などを、十分に告知・通達すべきだと思います。
Unknown (Unknown)
2012-01-21 17:09:51
コスト意識の強い国ではあまり使われず、日本では平気で使われる薬に、スガマデクスがあります。
国が使いづらいような処置をしない限り、この国では、医師の良心(医療費に対する)で医療費の節約をしようということはほとんど起らないです。

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
※文字化け等の原因になりますので、顔文字の利用はお控えください。
下記数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。この数字を読み取っていただくことで自動化されたプログラムによる投稿でないことを確認させていただいております。
数字4桁

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。

あわせて読む