インフルワクチン有効性の証拠は不十分

2012年01月13日 | 感染症
先日、インフルエンザワクチンは効くことは効いてはいるのだけれど、意外に不十分であることをお伝えしました。

今月、どれぐらい不十分なのかという研究結果がランセットに発表されましたのでお伝えします。

Efficacy and effectiveness of influenza vaccines: a systematic review and meta-analysis
Lancet Infect Dis. 201212:36.
(インパクトファクター★★★★★、研究対象人数★★★★★)

インフルエンザワクチンの有効性を調べたこれまでの研究の中で、精度が高いRT-PCR法かウイルス培養でインフルエンザだと確認している信頼性の高い31件の研究が総合的に解析されました。

12シーズンに渡る解析の結果、米国において7歳以下で弱毒性ワクチンを受けた小児ではインフルエンザの予防効果は83%と高かったのですが、米国で90%を占める不活化ワクチンを受けた健康成人全体では予防効果は59%と不十分でした。予防効果が証明されない研究もありました。

上の図のAは18歳〜64歳の不活化ワクチンの調査結果です。左の方の数字を見ると、一番上の研究ではインフルエンザの罹患が接種522人のうち10人、非接種206人のうち16人ということがわかります。右の棒グラフは有効率が65%ぐらいであることを示しています。

上から2つめ、3つめ、6つめの研究では棒グラフが中心の縦の点線を挟んでいますから、インフルエンザワクチンの有効性は証明されていない事を示しています。一番下は総数です。

上の図のBは7歳以下の弱毒化ワクチンの調査結果です。Bの一番上の研究を見ると、インフルエンザの罹患は接種1070人のうち14人、非接種532人のうち94人と接種がかなり有効であることがわかります。ただしこれは、日本では使用されていない弱毒性ワクチンの場合です。

この論文の著者らは、「現在のワクチンより交叉防御効果が高く迅速に製造できるワクチンの開発が急務である。そのようなワクチンが開発されるまでは、現状では最善である現行のワクチンを使用する以外にない」と結論付けています。

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不活化ワクチン インパクトファクター ランセット
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