しーがるぱらどっくす

腹が立つことに対してカッカせず、逆説的な考え方で納得するためのブログ

市場介入の予想とリスク

2007-02-10 16:32:03 | パラドックス(国際社会)
誰かが何か言ったらそれだけで記事にするのが分からない。

米財務長官に対日圧力増を要求する書簡 米下院の幹部(朝日新聞) - goo ニュース

そりゃ、
日本の主張として、
今のまま為替に日銀が介入せず、市場経済に任せた方がいいという主張もあれば、円高に進むように日銀が介入した方が良いという主張も分かる。

ただ、分からないのが2点ある。

■1点目。
これは記事の報道の仕方なのだが、賛成、反対意見があるのは当たり前の世界で、首脳同士の話ならともかく、
アメリカの一部の議員が言っただけで、
この報道の仕方はどうなのか。記事に「民主党議員を中心とした対日批判は広がりに欠け、米政府が強硬姿勢に転じるとの見方は少ない」とあるように、
アメリカ政府は取り合っていない。
アメリカ政府が何も言っていないことに対して、もちろん、日本政府も何もとりあわない。
つまり、情報としての価値が全くないのに、日銀が悪いかのような報道をしているのである。

■2点目。
これは、アメリカ下院議員の言い分なのだが、
市場介入するならするで、アメリカで勝手にすれば良いわけで、
何を思って日本の日銀に頼ろうとしているのか?同じ市場介入するなら、日銀が介入しなくても、
自分たちが介入してドル売り円買いすればいいわけで、
自分たちはリスクは全く背負わず他人のふんどしで相撲を取ろうとしているだけにしか見えない。
自分たちにそんな交渉ができないから、外野で騒いでいるだけなのか?

この報道とは裏腹に、G7で話題になることもないでしょう。
なぜなら、今の円安が完全市場売買における需給でなっているものだから。

それを言うのだったら、中国の市場売買を完全に無視した為替レートなんて、言語道断ですし。

■■■パラドックスモード突入■■■
ただ、個人的にはパラドックス的理由で、日銀は市場介入しない方がいいと思う。

理由は簡単。
今の円安はすごい力を持っているから。

つまり、一部の企業や保険会社が投資という理由で円を売って外貨を買っているだけではないから。
最近、家計、個人の投資もリスク分散のため、外貨建てを購入するようになってきている。
ましてや、団塊の世代の大量退職時代を控え、退職後は物価の安い東南アジア等に移り住もうと考えている人も多い。

そんな中、日銀が介入して外貨準備を売れば、一時的に円高にはなるでしょう。
ただ、その程度で為替を操作できるほど、個人取引の量は少なくなく、
それどころかそれでも円高に持って行けない場合(というか、持って行けないと思う)、
今以上の円安を後押しすることになってしまう。

今の日銀の
外貨準備高を徐々に減らすというのは賛成だけど、
「円高へ」という目的のためだと、期待はずれの結果になり、失望する可能性が高いと思うし。


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明日、2/11(日)から2/18(日)まで、ベトナムへ旅行に行くため、ブログの更新はありません。
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