SEポートランド

ポートランド、川をわたればSE地区
レンガのアパート、ちいさな家、古着屋とカフェ
人・建物・緑がほどよく混ざる街

いまポートランドできこえる音楽

2017-07-12 22:04:51 | ※私生活
大学時代のやさしい友人が、めずらしく、このブログに書き込みしてくれた。     (ポートランドでは)どんな音楽かかってるの? とのこと。では、返信を書きます。     ・・・・・・ Sくん、君と一緒にいたころからずいぶんと経ちましたね。その後いろいろあって、いまのぼくは、もう右耳では低音も聞こえなくなっちゃった訳で。 とりわけ4、5月は英語に耳を鳴らすのに必死だったので、言葉だけ聞き、音楽はなにも聴かなかったのです。でも、そんななか突き刺さってきた街に流れる音楽について書いてみようと思った訳で。 まずは簡潔にまとめますと、    基本80ズときおりアフリカ系 ※要するに、ほとんど音楽聴いていない。 となる訳で。 しばらくぼくは農場がよいが続き、夜はただ汽笛の音を聞いて寝ます。 ですので、また雨が降ってきたころ、近所のライブハウスまで傘を差さずに出かけて、現地のしょぼ格好いいローカルバンドでも見に行きたいと思う今日この頃な訳で。 きっと、それは未来のクォーターフラッシュ! 「バラララーーチャッチャ~~!!!(注1)」な訳で。 ◆なかでもティーアーズ・フォア・フィアーズについて ぼくの行く店ではかならず80年代音楽がかかっている。たぶん著作権ゆえ。ホーソンにあるスーパーの店員さんがパンクっぽい格好してるのとは特に関係なさそう。あと、デュラン・デュランとか(名前書いてるだけで死にそうだー)。 ぼくがめったに行かない店でも、けっこう80年代音楽がかかっている。 SE10thのあたり、いまいちばんジェントリフィケーションがすすんでいるおされ地区。ウエスト・サイドからわざわざ集団自転車こぎながら騒いでやってきた酔っ払いたちが(よりによって)TOTOの(よりによって)アフリカ~と絶唱しながら角をまがっていった。あれ、もしかしたら流行ってる? なんかクリアーに録音されていて、なんかクリアーで、新しげな音がして。 あとユーリズミックスとか。 そういえばあの短髪の美人ボーカルの人ってゲイじゃなかったんだ。あとで調べて知ってとても残念。まあ80年代音楽なんてそんなもんでしょ。 寒かった3月、部屋探しに迷っていたころの話。 ありがたいことにサバティカル休暇とJ1ビザはいただけたけど、雨のなか学区域と家賃を天秤にかけながらアパート探しはちょっと厳しかった。たとえば市内西側の再開発地区にあるコンド。ベイエリアほどじゃあないが、それなりの家賃。そのうえ近隣のスーパーまで徒歩10分、小学校付属のキンダーまで路面電車! みたいな。 東側のおされ通り。その裏側の住宅地にある軒割りアパート。どんより曇り空のした住宅地につらなる街路樹。よく見ると、舗装は荒れ気味だし、木製の電柱と高い位置についたLED照明の数の少なさが、密度の低さからくるインフラの弱さを物語っていた。 こんな街で、うちの家族は、夜近所を出歩けるのかな? いつでも気軽に買い物に出かけられなければ「街」じゃあ無いところだけに50年すんでいた。 しかも、わたくしの専門は「都市景観」「都市論」なのです。    ・・・・・・ 絶望的な密度感の住宅地のなかのアパートを探していると、自分が選んだ場所は間違っていたのか? という気持ちになってきていた。 もしかして観光旅行用のガイド本にひっぱられすぎたか? ハンターさんの本はガイド本とは違ってたし、MAXの駅まわりがすばらしいのは、空港とダウンタウンだけなのに…そしてレンタカーで街をさ迷いながら、テイバー山より東にあるこのスーパーにたどり着いた。 アジア食品のにおい、暗いながらも天窓からさす早春の光、そして、アジア人用に少し高めに設定された暖房にリラックスしながら肉まんを食べていた。 そのとき、かかった曲が     「エブリバディー・ワント・トゥー・ルール・ザ・ワールド」(注2) この曲を聴いて、SEポートランドに住もう、SEならばやっていける、と決心した。その後もフレッドメイヤーなんかに行くたび、なんどか同バンドの音楽を聴くことになった。 注1 コレ、脳内再生されたひと、間違いなくおじさんとおばさんです! ですので、若者と音楽の話はしないほうがよさそう。 当地にご縁ができて、いちばん最初に思い浮かんだのは『オ〇ゴンから愛』ではなく、こっちのほうのライブ放送テープ(私蔵)の冒頭 "Come on Portland!!"でした。 そしてアルトサックスのリフ。ひさーしぶりにyoutubeで検索してみると、声は出なくなったけどローカルバンドとしてブロック・パーティに出てきたりするみたい。同世代のおじさん・おばさん(たいていは郊外に住む裕福そうなひとたち)が大喜び。 ちなみに同バンドはガチ80ズなのに、現地のスーパーでは絶対にかかりません。 「ホテル・カリフォルニア」が加州では絶対にかからないのに、国境を越えてティファナについたたん大音量でかかってる(=要するに嫌がらせ)ような訳で。 なお、いま現在「ポートランド」と聞いて、はずかしくて言えないもの全米第一位は、ちょっとシュールなお笑いテレビドラマ『Portlander』とのことでした。じき日本でも「全〇一すみたいまち」はいえなくなりそうですねぇ。これだけ流行らせたからね。洋服とかと一緒で、反動ってあるんじゃないかな、って思ってしまう訳で。 注2 恥ずかしいことに、ぼくは二十歳のころまで、バンド名と曲名はすべてカタカナで覚えているようなダメ学生でした。ひとつだけ選択必修の外国語はフランス語だったんだけど。10まで数えられない!