最適化問題に対する超高速&安定計算

大規模最適化問題、グラフ探索、機械学習やデジタルツインなどの研究のお話が中心

京速計算機システム

2005年08月08日 01時37分58秒 | Weblog
以前のブログにも書いたように日本はこれから専用機の方で勝負していくのかと思っていたら、それだけではないらしい。以下の記事では単純計算と実行性能(実アプリ)を区別しているが、前者はいわゆる Linpack ベンチマークである。地球シミュレータは Linpack では世界4位であるが、実アプリではいまだに世界最高という噂である。
完成は5年後であり、当然そのときには何台かの計算機は 1 ペタ FLOPS を超えているだろうから、10 ペタ FLOPS(1秒間に1京回)を狙うのは当然と言えるだろう。ただ、5年後の能力の正確な予測は難しいので、10 ペタを超える性能になる可能性も十分にあるだろう。
TOP500によると、歴代の世界1位のコンピューターは全て日本かアメリカ製である。世界中が注目する戦いに負けるわけにはいかない。

世界最速スパコン開発へ、1秒間に1京回の計算

 文部科学省は、1秒間に1京(けい)(1兆の1万倍)回の計算ができる世界最高速のスーパーコンピューター「京速計算機システム」を開発する方針を決めた。
 来年度予算の概算要求に研究開発費や設計費として30億~40億円を盛り込む。2010年度完成を目標とし、スパコンを置く研究拠点として「先端計算科学技術センター」を新設する。総事業費は1000億円規模に上る見通し。立地は未定で、今後、大学や研究機関の間で誘致合戦が起きそうだ。
 独立行政法人・海洋研究開発機構が持つスパコン「地球シミュレータ」は約600億円をかけて開発され、2002年に運用が始まった。昨年まで計算速度世界一の座を保ったが、危機感を抱いた米国政府がてこ入れした結果、IBMなどが高速機を開発、現在、単純計算能力の比較では世界4位に転落している。
 日本は、京速計算機で、単純計算能力で世界1位を奪還するとともに、実際の研究で求められる複雑な計算をこなす実効性能でも世界最高を目指す。
 実際、地球シミュレータなどの現機種と比べると、処理速度はけた違いに速くなる。アジア地域が限界だった1キロ・メートル四方の気象予測が、地球全体で可能になり、集中豪雨や津波の予測も、100倍の精度にあがる。数分でマグマの動きを計算できるため、火山溶岩流による被害を軽減できる可能性も出てくる。数か月かかっていた自動車衝突模擬実験のデータ分析を、1日でできるという。
(2005年8月7日11時10分 読売新聞)


次世代スパコン、目指すは最速「1秒1京回」 文科省

文部科学省は25日までに、最大演算速度が10ペタフロップス(1秒間に1京回=1京は1兆の1万倍)の次世代スーパーコンピューター「京速計算機システム」の設計、開発に着手することを決めた。
 2006年度概算要求に研究費数10億円を盛り込む。総事業費は800億-1000億円に上る見込み。10年完成を目指し、米国のスパコンが持つ世界最速のタイトル奪還に挑む。
 また、京速計算機システムの運用を担う「先端計算科学技術センター(仮称)」の設立方法や建設場所について調査研究も始める。
 現在の世界最速スパコンは、米ローレンスリバモア国立研究所のスパコン「ブルージーン」で、136・8テラフロップス(1秒間に約136兆8000億回)。京速計算機が完成すれば、この約73倍の処理速度を持つことになる。
 日本が02年から運用を開始した「地球シミュレータ」は、04年までの2年半、35・9テラフロップスで世界最速を誇っていたが、05年6月現在で世界第4位に後退している。
 高速のコンピューターによるシミュレーションは、再現が困難だったり、時間がかかりすぎたりする実験の代わりとして、現代の研究活動には不可欠。新薬開発のための模擬実験や、銀河系形成のシミュレーション、台風進路や集中豪雨の詳細な予想などが期待される。
 米国も10年をめどに数ペタフロップスのスパコン開発を目指しており、競争は激化している。(共同)(07/25 10:11)
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