夏を彩る花には色々あるが、代表的なものはこの百合だろう。
古びた洋館の玄関先の窓際に飾られた白百合は、背景のガラス窓から差し込む逆光を背に半ばシルエットのように見える情景を計算してここに配置したのだろうか。
花のシルエットでありながらどこか妙齢な大人の女性の姿を感じてしまうのは、花のイメージさせるものが女性だからだろうか。
「立てば芍薬、座ればボタン、歩く姿は百合の花」
姿や立ち振る舞いが美しい女性を例えたことわざにあるように正にその姿に女性の美を垣間見た気がしてならない。
強烈な独特の香りで当たりの空気を満たし、その存在感を発信するもシルエットによりはっきりと姿が見えないことで沸き起こる神秘さが、計算されたものだとしたら大したものだ。
手が届かぬ憧れの女性を見上げるが如く、想いきり煽ってアングルを取ってみた。
■Camera:Canon EOS6D