つむじ風

世の中のこと、あれこれ。
見たこと、聞いたこと、思ったこと。

ぼくが探偵だった夏

2017年06月14日 22時55分53秒 | Review

―浅見光彦シリーズ106―
 内田康夫/講談社文庫

 2013年7月12日第1刷。シリーズとしてはかなり終盤の作品で、小学校5年生の軽井沢での夏休みを回想する書き方で展開する。この回想は「浅見光彦」のことであり、著者自身のことでもあるだろう。この頃、父も母も、妹たちも周りの友達も、竹村岩雄刑事も皆若かった。後の作品から振り返って考えると、しみじみ月日が経ったことを感じる。小説の中でさえそうなのだから、現実においては尚更のことである。このせつないようなゆったりした書き方の中にも、シリーズに見られる緊張感や「光彦の能力」を垣間見ることができる。回想だからといって、それに終始することなく、ミステリー&サスペンスとしてしっかりツボを押さえているところが何とも憎たらしい。

 軽井沢は2度ほど行ったことがあるが、街並みやそれを取り巻く自然、気候風土など、よく著していると思う。子供目線での軽井沢もとてもリアルだと思う。いや、何も身頭滅却しなくても充分暑くて涼しい軽井沢を感じることができる作品だった。今まで30冊ほど読んできたが、光彦に妹が二人(祐子、佐和子)居たとは知らなかった。


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