つむじ風

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冗談じゃねえや

2015年10月15日 21時47分38秒 | Review

 ~浮世絵宗次日月抄~
門田泰明/徳間文庫

 2010年11月15日初版。2016年2月10日第二刷。著者には初めてお目に掛かる。時代物も現代物も書くのだそうだが、作品としては現代物の方が多いようだ。特に「黒豹シリーズ」というのが有名らしい。

 「冗談じゃねえや」は10冊ほどの「浮世絵宗次日月抄」シリーズの中の作品で、ちょっとわざとらしいものの独特の言い回しがめずらしい。シリーズの最初から読めば、それはそれで面白いのかもしれないが、なかなかそんな機会もなく、ランダムになるのも止むを得ない。今回の「冗談じゃねえや」はよりによってシリーズ最後の方の作品である。

 自分の好みからすると、どうも格好よすぎて落ち着かない。出来過ぎたヒーロー(宗次)、ヒロイン(幸)、勧善懲悪過ぎて不満が残る。主人公にはおよそ「悩み=苦悩」というものが無い。無いというより感じられない。たぶん「弱さ」というものが無いからだろう。その意味でも人間離れしている。人間離れしているのは絵の上手さや剣技ばかりではない。「水戸黄門」や「遠山の金さん」とはちょっと違うものの、やはり現代風の娯楽時代小説ということなのだろう。






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