~浮世絵宗次日月抄~
門田泰明/徳間文庫
2010年11月15日初版。2016年2月10日第二刷。著者には初めてお目に掛かる。時代物も現代物も書くのだそうだが、作品としては現代物の方が多いようだ。特に「黒豹シリーズ」というのが有名らしい。
「冗談じゃねえや」は10冊ほどの「浮世絵宗次日月抄」シリーズの中の作品で、ちょっとわざとらしいものの独特の言い回しがめずらしい。シリーズの最初から読めば、それはそれで面白いのかもしれないが、なかなかそんな機会もなく、ランダムになるのも止むを得ない。今回の「冗談じゃねえや」はよりによってシリーズ最後の方の作品である。
自分の好みからすると、どうも格好よすぎて落ち着かない。出来過ぎたヒーロー(宗次)、ヒロイン(幸)、勧善懲悪過ぎて不満が残る。主人公にはおよそ「悩み=苦悩」というものが無い。無いというより感じられない。たぶん「弱さ」というものが無いからだろう。その意味でも人間離れしている。人間離れしているのは絵の上手さや剣技ばかりではない。「水戸黄門」や「遠山の金さん」とはちょっと違うものの、やはり現代風の娯楽時代小説ということなのだろう。
最新の画像[もっと見る]
- 龍天ノ門 3年前
- アベノマスク 4年前
- 重大局面、今後の予測5 4年前
- 重大局面、今後の予測4 4年前
- 重大局面、今後の予測3 4年前
- 重大局面、今後の予測2 4年前
- 重大局面、今後の予測 4年前
- 浅見光彦殺人事件 5年前
- Simple 9年前
- 貴賓室の怪人 9年前