つむじ風

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風のなかの櫻香

2013年05月02日 12時15分52秒 | Review

内田 康夫/徳間書店

 内田康夫の作品は「2012/03/04砂冥宮」に続く2冊目で、「風のなかの櫻香」は奈良を舞台にしたミステリー&サスペンスである。作品集「浅見光彦シリーズ」の中の一つになると思うが、何しろ作品が膨大なのでよく判らない。とにかく大ベテランの現役作家であることは間違いない。内田康夫は、西村京太郎、山村美紗とともに、旅情ミステリー作家の代表的人物であり、作中の「浅見光彦シリーズ」は百作以上の及ぶというから、とにかく書きまくっている。他のシリーズやエッセイも合わせると、発表した作品の累計発行部数は1億部を超えるというから凄まじい。

 前回読んだ「砂冥宮」も面白かったが、「風のなかの櫻香」も負けず劣らず面白い作品である。何と言っても「風のなかの櫻香」という爽やかなタイトルがいい。ストーリーにピッタリのネーミングだと思う。更に、前回はそれほど感じなかったが、今回「風のなかの櫻香」を読んで、まるで遷都1300年の奈良を旅しているような雰囲気があり、そこにサスペンスも加わって何とも贅沢な時間を頂戴したような気がしている。弥勒菩薩(半跏思惟像)や阿修羅像も浅見さんと一緒に鑑賞している気分になってくるのだから不思議なものだ。

 著者公認の浅見光彦倶楽部公式サイト「浅見光彦の家」もある。充実した作りで、ファンにとってはミステリー作家らしいなかなか楽しいWeb Siteとなっている。

 http://www.asami-mitsuhiko.co.jp/

 作品の人気ランキングがあるので拝見すると、「砂冥宮」は番外だったが何と「風のなかの櫻香」は第9位に入っているではないか。納得です。残念ながらヒロインランキングの登場は無かったが阿修羅のような「日野西櫻香」も魅力だと思いますがね。子供は番外なのかな。
 他の作品では登場人物として「小説家・内田康夫」が出て来るものもあるらしい。自分で自分を登場させるというのはチャップリンやヒッチコックも使う手だが、まあここまで書けば、ネタも寂しくなるのは無理もないが。

 装丁など。
 この本は2013年1月に発行されたものだが、文庫本より少し縦長で上下2段の段組となっている。形としては問題ないと思うが1つだけ残念というか、悔しいというか、その部分は文字が小さいことだ。目は良い方だったが、この年齢ともなればやはり小さい文字は厳しい。段組してもよいから出来れば文庫本同様の文字サイズでお願いしたい。徳間書店さん、お願いしますよ。



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1 コメント

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Unknown (Chavez)
2013-05-02 14:18:25
「風のなかの櫻香」が好き

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