宇宙の歩き方

The Astrogators' Guide to the Charted Space.

【速報】トラベラー互換システム『Cepheus Engine』とは何か!?

2016-07-03 | Cepheus Engine
 去る7月2日に、突如として『Cepheus Engine』なる「トラベラー互換システム」がSamardan Press Publicationsから公開されました。ここはかつて『Flynn's Guide』シリーズというトラベラー関係本を作っていたところで、2年以上振りの新作がサプリメントではなく「新システム」となったのです。
 ベースとなっているのはマングース版トラベラー(初版)のSystem Reference Document(SRD)で(通称『2d6 Sci-Fi』)、これは大雑把に言えばOpen Game Licenseの下でこれをベースに自由にゲームを作って公開してもいいというものです。このOGL版トラベラーをベースにしているものには、Gypsy Knights Gamesの『Clement Sector』シリーズがあります。

 ここへ来てなぜ互換システムが賑わいだしているかというと、マングース社がトラベラー第2版に移行した際に新たに導入した「TASライセンス」制度が裏目に出ていることが取り沙汰されていますが、ここでは敢えて触れません。

 今回問題の『Cepheus Engine』は、「Traveller SRDの足りない部分をLBB(Little Black Book, クラシック版トラベラーのルールを収めたBookシリーズの愛称。表紙が黒いことから名付けられた)を参考に補間した(意訳)」と作者が語っており、マングース版以上にクラシック版に近い構成になっている、ような気がします。

 というのも、ルールをさっき手に入れたばかりで、解析は書きながらやっているからです(汗)。あくまで互換システムなので能力値や行為判定などゲームの根幹は変わってないですが、今のところ、マングース版(初版)とはこの辺りが異なっています。

  • キャラクターの能力値決定は2Dを6回振り、筋力から順に割り当てていく方式に戻った。任意の能力値に割り当てていく方式は選択ルール扱いに。
  • 出身世界による自動獲得技能で〈銃器戦闘-0〉か〈白兵戦-0〉が貰えるようになった(前者は並治安以下、後者は高治安で獲得)。
  • 些細な事だが、社会身分度G(16)以上の存在が定義された(皇帝はJ(18))。
  • 能力値DM早見表がなぜかZ(33)まで用意された。G以上は使うことがあるんだろうか…?
  • 経歴部門の「陸軍(Army)」が「地上軍(Surface System Defense)」「空軍(Aerospace System Defense)」「水軍(Maritime System Defense)」に解体された。よって「企業軍」や「司法官」に徴募されることはなくなった。
  • キャラクター作成ルールはクラシック風に回帰。部門内で職を移動することもなくなったし、出来事表(Events)や人生経験表(Life Event)もない。失敗表(Mishaps)も共通化された。また、解雇や自発に関わらず経歴を終了した場合はキャラクター作成自体が終了する。
  • 18歳で部門への応募に失敗すると徴募を受けるか、1期(4年間)放浪者として過ごした後再応募を試みるかできるが、その再応募の際のDMは-1から-2と厳しくなった。
  • キャラクター作成時の生存判定に失敗するとクラシック版同様に「死亡」する(出目2は自動失敗)。2歳を加えて失敗表に移行するのは選択ルールとなった。
  • 各部門の階級0の段階で自動取得する技能がそれぞれ用意された(ただし何故か宇宙鉱夫だけ記載がない)。おそらく、クラシック版で各部門の第1期では2個技能が取れたのを再現したと思われる。
  • マングース版では技能習得の後で任官/昇進判定だった流れが、クラシック版同様に先に任官/昇進を判定するようになった。また、任官/昇進のない経歴部門では1期に2個技能習得ができるのもクラシック版同様。
  • マングース版では昇進判定時に在籍期数以下の出目を出すと退職となっていたが、クラシック版と同様に再応募判定が復活した。判定は義務であり、出目が12だと辞職が却下されるのも同じ。
  • クラシック版と同じく「7期で退職勧告(雇用継続は再応募判定で12を出すのみ)」(ただしマングース版オプションルールには6期で強制退職させるものがある)。
  • 経歴部門は、運動家、空軍、工作員、未開人、宇宙鉱夫、官僚、入植者、外交官、放浪者、芸能人、狩猟家、海兵隊、水軍、傭兵、商船、海軍、貴族、医師、海賊、悪党、科学者、偵察局、地上軍、技術者、の24種類。部門の解体に伴って増えてはいるが、司法官が無いなど不思議な点もある。
  • 恩典表で貰える船株(Ship Shares)は、宇宙船購入時に「船体価格の1%引き」から「200万クレジット引き」に実質上方修正された(売却は「できないかもしれない」)。
  • 大人の事情で「エクスプローラー協会(Explorers' Society)」なるトラベラーズをエイドするソサエティーが登場している。同様の理由で異星知的種族も一新された(どのみちサンプルだが)。
  • キャラクター作成時に負傷した際の医療給付(Medical Care)で、偵察局員の扱いが軍隊と同じに格上げされた(マングース版では悪党や放浪者と同じ最低ランクだった)。また、宇宙鉱夫や入植者が新たに最低ランクに位置付けられた。
  • マングース版で導入された「スキルパッケージ」の概念はない。
  • 〈芸術(Art)〉〈偽装(Deception)〉〈外交(Diplomat)〉〈捜査(Investigate)〉〈説得(Persuade)〉〈遠隔操作(Remote Operations)〉〈隠密(Stealth)〉〈生業(Trade)〉技能が廃止され、〈贈賄(Bribery)〉〈電子技術(Electronics)〉〈接触(Liaison)〉が復活、〈爆発物(Explosives)〉が〈破壊工作(Demolitions)〉に変更。〈運行(Drive)〉〈飛行(Flyer)〉〈航行(Seafarer)〉は〈輸送機器(Vehicle)〉に、〈星間航法(Astrogation)〉は〈航法(Navigation)〉に、〈重火器(Heavy Weapons)〉は〈砲門(Gunnery)〉の下に、〈生存(Survival)〉は〈動物(Animals)〉の下に、〈宇宙服(Vacc Suit)〉は〈無重力環境(Zero-G)〉に再編統合された。また、英文名の言い回しがかなり変化している(Gambler→Gambling、Pilot→Piloting、Language→Linguisticsなど)。
  • 〈エンジニアリング〉技能は再び一つにまとまった。
  • 〈賭博(Gambling)〉技能に明確な使用法が例示された。
  • 〈白兵戦〉で扱う武器分類は「打撃武器」「生得武器」「斬撃武器」「刺突武器」の4つに再編された。素手での格闘は生得武器に統合。
  • 投擲や弓などは〈運動〉ではなく〈銃器戦闘〉で扱うようになった(よって訳語を〈射撃〉に改めるべきかもしれない)。
  • 超能力の距離コストが変更された。テレパシーと透視力の欄が分割され、長距離以上のテレポーテーションが軽減。念動力は最大距離が伸びた代わりにコストが調整されている。また、「超能力者」の経歴部門は廃止された。
  • 判定の成功段階が整理され、「例外的失敗」「失敗」「成功」「例外的成功」の4段階となった。目標値8から6差で「例外的」なのはマングース版と同じ。0差成功・1差失敗の「ぎりぎり(Marginal)」の段階は廃止された。
  • 失敗した行為判定への再挑戦に関する記述があるが、「無制限に試み続けられる」と非常に大雑把(もちろん成功するまでやれる時間がある場合のみ)。『メガトラベラー』の持続判定のような安全装置はハウスルールで設ける必要がありそう。
  • 同じ防具でもTLによって性能の差があったのが統一された。また、全体的に装甲が「硬く」なっている。
  • 武器関係の選定もクラシック版準拠になった? ダメージも修正値なしのXd6のみとなった。
  • 武器の反動が「あり」「なし」に簡略化され、戦闘の行動順に影響を与えなくなった。武器の反動が影響するのは無重力状態での戦闘時のみ。
  • それぞれの武器に「違法となる治安レベル」が記載されているのは案外助かる。
  • 武器種別と距離による命中修正表が変更された。距離ごとにDMが用意されるのではなく「この種別の武器をこの距離で当てる難易度はこれ」と簡潔になったが、難易度で扱う以上、DMの刻みが1から2に増えたので微妙に命中させ辛くなっている。また白兵戦武器の種別は「肉薄(Close Quarters)」「合間(Extended Reach)」の2種類にまとめられた(マングース版でも実質そうだったが)。
  • 自動射撃(automatic fire)のルールはバースト射撃(Burst Fire)に変更された。まとめて撃った弾薬数に応じて命中とダメージに補正が入るが、どれだけまとめて撃てるかは武器ごとの解説文を読まなくてはならないので、AR値(Auto Rating)で管理されていたマングース版より後退した印象。マングース版のAR値に代わりRoF(Rate of Fire)値が武器ごとに設けられ、単射/バースト/オートの各モード別の発射弾数が記されている。例えば、磁気ライフル(単射ダメージ4D)をオートモード(1ラウンドで10発)で撃つと命中に+2、ダメージに+2Dされる。また、短機関銃(Submachinegun)のように単射モードの値が0、つまりバースト専用の銃器も存在する。ダメージを複数対象にばら撒けなくなったので処理は簡素化されたが、(慣れれば済むことだが)表の参照がいるのは後退した面。
  • 物陰からの乱射(Blind Firing)のルールが追加。目標を見ずに撃つため、技能は0レベル扱い、判定は3Dのうち一番高い出目を外した合計で行い、誰に当たるのかも射程内のランダムに決定(目標が遮蔽物に隠れてたりいなかったりする場合を考慮しないのだろうか? 目標をランダムに決めてからその目標の遮蔽状態を加味して命中判定をすべきでは)。
  • 無重力状態での戦闘では、攻撃技能レベルは本人が持つ〈無重力環境〉技能レベル以下となる。
  • 散弾銃には特別ルールが用意され、中距離以上ではダメージが2Dに半減する代わりに目標と同じマスに居る者全てに命中する。
  • 〈遠隔操作〉が廃止されたため、ロボットやドローンの操作には〈通信機〉技能を使う(「パンチだ、ロボ!」)。
  • コンピュータの「高度インターフェース(Intelligent Interface)」に新たな段階が追加され、TL11で音声制御程度だったのが、TL13で初期人工知能、TL17では完全な人工知能に進歩する(ルール面での演出は特にないので雰囲気程度か?)。
  • 宇宙船設計ルールが2000トンから5000トンまで拡張された。
  • ジャンプする際に、古いジャンプ計画(Jump Plot)を使用するとマイナスのDMを受けるようになった。航法士はデータの使い回しをするなら3週間までに留めるべき。
  • 旅客の運賃はクラシック版同様に戻された(特等は1ジャンプにつき1万クレジット、など)。また、2割引きで乗れる2人部屋の概念が導入されている。
  • 二等船客の蘇生率が大幅に向上(船客本人が難易度簡易(+4)で耐久力をDMにして判定)。失敗しても船医が難易度易(+2)で〈医学〉と教育度をDMにした判定に成功すれば助かるので、まともな医師が乗っていれば冷凍睡眠は恐るるに足りなくなった。
  • どういった(一般的な)違法行為を行うと地元警察が飛んできて、逮捕されるとどういう刑罰を受けるかがルールで明確になった(もちろん目安に留めるべきだろうけど)。ちなみに最高刑は死刑。
  • 貿易の品目が差し替えられている。
  • 貿易の価格決定表や地元の仲買人(Broker)を介するルールはクラシック版風に差し戻された。ただし優秀な仲買人は大きな宇宙港にしかいない(※そもそもマングース版ルール下では、4レベル技能の持ち主にはそうそう出会えないことにレフリーは留意すべき)。
  • キャラクターが持ち運べる重量は「筋力+耐久力」kgから「筋力✕2」kgとなり、〈運動〉技能によって軽減させることもできなくなった。また、クラシック版における2倍荷重・3倍荷重と同じ概念もあるが、基準が「筋力✕2」なので大幅に緩和されたと言える。
  • 世界作成ルールは、マングース版選択ルールが形を変えて一部取り込まれた。人口は大気に大きく影響され(呼吸しやすい星はプラス補正、それ以外はマイナス補正、低重力もマイナス補正)、宇宙港の規模は人口に比例するようになった。また、マングース版に有った大気温度のルールは廃止された。
  • 貿易分類「肥沃(Ga)」になる範囲がSRD版に合わせて変更された(加えてSRD版より条件が厳しい)。人口が多くても少なくても外れる、ということは、Gardenの意味合いは「緑や資源が豊か」から「自然に適度に人の手が入っている」に変わったということか?(※訳語の変更も必要かも)
  • キャラクターシートは付属しないが(追記:後日、Moon Toad Publishingからシートが公開されました)、共通キャラクター書式(Universal Character Format)が整備された。従来のシナリオなどで、名前、能力値6桁、年齢、経歴、所持金、所持技能、所持品の順に簡潔に記されていたあれのことである。

(※速報なので判明し次第予告なく追記していきます)
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2 Comments

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情報どうもです (町田真琴)
2016-07-22 21:35:03
Twitterの方でも教えて頂いておりますが、さすがに問題のあるようなものは堂々とは売りませんよね(汗)。
ツイッターやってないので (zaza)
2016-07-22 17:11:43
ここで申し訳ありません。
ガープスのバンドルの話ですが、
7/18付けでFFEの方にも告知?が載ってますので、無許可ではないと思います。

何時も拝見させていただいています

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