宇宙の歩き方

The Astrogators' Guide to the Charted Space.

レビュー:『ドラコニム星域(The Draconem Sub-Sector)』

2017-06-06 | Alternative Universe
 『ドラコニム星域(The Draconem Sub-Sector)』は、著者Andrew J. Luther氏が最近流行りの「プロトトラベラー(Proto-Traveller)」という概念に共感してわずか1月ほどで作り上げた星域設定集です。

 まず「プロトトラベラー」とは何ぞや、ということなのですが、簡単に言うと「重く複雑になりすぎた『第三帝国(The Third Imperium)』設定を脱ぎ捨てて原点回帰する」といったところでしょうか。人によって「プロト」の部分が指す対象が曖昧ではあるのですが、一般的には「基本ルールとしてクラシック・トラベラーのBook 1~3に加えて『Supplement 3: The Spinward Marches』から得られる情報のみを使用する」とされています。そのため、あえて帝国設定を利用した際の雰囲気として「その力は徐々に弱体化しつつあります」というライブラリ・データの『Supplement 3』のみにある記述が重視されることが多いです。

 今回の『ドラコニム星域』は、「1977年版ルールで」1星域分40星系のUWP(77年ルールなのでUPPか)を作り、それぞれ設定(Planet Description)とシナリオフック(Adventure Seeds)を起こし、なかなか美麗なCGイラストとともに1冊にまとめたものです。余談ですが、作成に使ったルールこそトラベラーなものの、トラベラー固有用語の例えばUWP表記などは避けて記述されているので、「汎用SF-RPG向け設定集」です(熟練のトラベラーファンなら一目でUWP変換が可能にはなっていますが)。配布元のDrivethruRPGでもジャンル分けはトラベラーかつ「Old School Revival(OSR)」となっています(※このOSRも今や一大ジャンルなのですが、話が長くなるので割愛します)。

 『トラベラー』の1977年版ルールと日本語訳もされた1981年版以降のルールの最大の違いは、「星間航路(Space-Lane)」の有無です。『第三帝国』設定の整備が始まった81年版以降では「Xボート網」に取って代わられたこの「星間航路」は、航路策定の準備なしにジャンプできる「安定した航路」を表し、同時に通商路も表現しています。二星間の宇宙港規模の大小で航路が存在するかどうかの確率が上下し、航路があれば星域図に書き込まれます。航路がない星々をジャンプするには事前のプログラム準備が必要となり、必然的に自前の宇宙船持ちしかそういう芸当は不可能となります。
 この「星間航路」ルールは興味深くはあるのですが、今回のように1星域に40星系も詰め込まれると星域図の見た目がゴチャゴチャしますし、仮にジャンプ-3旅客船に乗っても各駅停車ならぬ「各星停船」を強いられがちなので、旅行価格が1ジャンプでいくらのトラベラー宇宙では高くつきます。逆に言えば自分の宇宙船が欲しくなる気分を高めてくれるわけですが…。

 この『ドラコニム星域』では、冒頭1ページに宇宙全体の設定が簡単にまとめてあります。いつしか宇宙に進出した人類は幾つもの異星人と共同で「諸世界連盟(Federation of Worlds)」という恒星間国家を築き上げ、中央では開拓も終わって社会は安定しましたが、逆に言えばプレイヤー・キャラクター(PC)のような「流れ者」にとっては沈滞した息苦しい社会に映るわけです。そこでPCは「何か」を求めて連盟非加盟の辺境であるこの『ドラコニム星域』にやって来た…という感じです。
 ドラコニム星域ではステラ・システムズ社(Stellar Systems Corp.)という社有星系すら持つ大企業が重要な存在となっており、海軍や偵察局ですらこのステラ・システムズ社傘下の「民営海軍・偵察局」なのです(イメージとしてはアニメ『マクロス』シリーズのS.M.Sやケイオス社のようなものでしょう)。海軍は宇宙海賊の脅威からの重要な防衛力なので色々な星系政府が契約していますが、悲しいかな会社の利益に反する作戦行動は取らないようです(苦笑)。
 また、各星系が独立星系であるがゆえに複雑な政治的利害関係が構築され、「神知教団(Found People of God)」なる宗教団体も星域内に信徒と勢力を拡大しています。加えて星域内には様々な知的種族も存在し、冒険とトラブルの種には事欠きません。
 各星系の技術水準は辺境なのでTL10~11ぐらい…と思いきや、突然15とか17(!)の星があったりと油断なりません(笑)。まあ小惑星星系のTLはルールに従うなら高くなりがちなので、上限を定めていないとこうなりますよね…。特に高TL星系が設定の根幹に関わってくる様子はないので、気に入らなければ12ぐらいに削ってしまうのも手でしょう。

 ざっと見た感じでも1か月で作られたのが信じられない力作で、これを作者サイトで無料配布してしまう太っ腹ぶり。投げ銭したい方にはDrivethruRPGで対応しています。これまで築き上げられた第三帝国設定を普段から「重く」感じている方には必携、覚えるべき設定が少ないのでカジュアルプレイや初心者向けセッションのお供に、そうでなくても設定作りの参考やシナリオのネタ探しに使える逸品です。
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40周年記念企画:『通信機』で見るトラベラーの40年

2017-05-16 | Traveller
 『トラベラー』が誕生した1977年から2017年までの40年間で大きく進化したものの一つに通信技術、つまり電話が挙げられます。今や小型化して「携帯電話」となっただけでなく、同じく大きく進化したコンピュータと一体化して「スマートフォン」と呼ばれる存在となり、生活のあり方すら変えてしまいました。SFというのは未来を予測する分野ですが、その予測が一番難しいのも事実。人間、自分の知識の範囲内からの延長線上でしか想像できませんから、1977年の段階で今のようなスマートフォンを想像しろ、というのは無理があるでしょう。

 さて本題です。『トラベラー』は「第三帝国」というある程度固定された世界観を持っていながらも、ファンタジーと違って未来を舞台としている以上、その認識は「今現在の」技術に影響されてしまうのは仕方ないことです。私自身、かつては情報収集に「図書館まで出向いて端末を叩く」という行為に何ら疑問を抱いていませんでしたが、今なら極自然に「宇宙船のコンピュータから星系のネットワークにログインして情報検索」ぐらいのことはするでしょう。
 ということで今回は、過去40年間に発売されたルールブックの中から『通信機(Communicator)』に関する部分が、時代の変化に合わせてどのように変遷していったかをまとめてみました。

(※下記解説文は一部文章を省略している場合があります。各単位は特記がない限り、重量はキログラム、容積はリットル、価格はクレジット、距離はキロメートルです)


Book 3: Worlds & Adventures(1977年)
 初代Little Black Bookの通信機(Communicator)には特に解説文はなく、しいて言えば(当然とはいえ)無線が使われることと、軌道上の艦船と通信するには長距離通信機が必要であることがわかる程度です。この頃の通信機は、音声トランシーバー以上でも以下でもありません。

 TL重量価格有効範囲
短距離通信機310010
中距離通信機520030
長距離通信機15500500


Adventure 2: Research Station Gamma(1980年)
 この『研究基地ガンマ』では、基本ルールブックには存在しない「個人用通信機(Personal Communicators)」が初登場します。TLの記載がなぜかありませんが、後の設定から逆算してTL8~9程度の物品と思われます。

個人用通信機 Personal Communicators
 長寿命のバッテリーを備えた小型のイヤホン型短距離通信機です。重量は無視できるほどで、一般の者にはまず気付かれません。
 有効距離:開けた場所なら10km、水中なら1km未満。価格:1個Cr.100。


Double Adventure 2: Across the Bright Face(1980年)
 邦題は『焦熱面横断』。記録媒体がTL11なのにも関わらずテープなのが時代を感じさせます(※TL11光学ディスクが最初に登場するのは『The Travellers' Digest』誌第5号(1986年)が最初だと記憶しています)。『Double Adventure 5: The Chamax Plague』(1981年)でも同じ装備が登場しますが、なぜか価格だけが2倍になっています。

無線送受信・録音機 Radio Receiver, Recorder, Transmitter
 音声または無線を受信し、記録し、その情報を連続的に送信することができる小型電子装置です。送受信は標準的な音声通信帯域で行われます。従ってこの機器は信号を受信して再送信したり、事前に記録された音声を継続的に送信したりすることができます。
 テープの長さ:10分。送信範囲:視界(建物や山などには遮られる)。TL11。寸法:25✕50✕50mm。基本価格:Cr.400。


Book 3: Worlds & Adventures(1981年)
 改訂版Little Black Book(雷鳴社版はこれが基になった)では、簡素ながら解説文と、TL7の軽量版通信機が追加されました。

短距離通信機(Short Range Communicator):ベルトに装着される無線機で、有効範囲は10kmです(地下や水中ではより短くなります)。
中距離通信機(Medium Range Communicator):ベルトに装着もしくは肩掛けで運ばれる無線機で、有効範囲は30kmです。
長距離通信機(Long Range Communicator):背嚢で運ばれる無線機で、有効範囲は500km。加えて軌道上の艦船と通信ができます。

 TL重量価格有効範囲
短距離通信機510010
0.310010
中距離通信機1020030
0.520030
長距離通信機15500500
1.5500500


The Traveller Book(1982年)
 1981年版LBBを合本し、記述や編集を大幅に見直したこの本から通信機の項目が「個人用装備(Personal Devices)」から独立して再構成され、更に解説文が詳しくなりました。なおこの記述は翌1983年発売の『Starter Traveller』(ホビージャパン版はこちらが基)でも踏襲されています。
 ここでは短・中・長距離に加えて大陸間距離(Continental Range)が追加され、無線到達距離の区分けも変更されています。文を見てわかる通り「データ」の送受信も可能となっています。またTL10~13の「未来の」通信機も追加されましたが、運用の仕方は依然として「双方が受信範囲内に居る」トランシーバーを前提としているのは否めません。
 ところでなぜかこの版(と83年版)のみ、軌道上の艦船との通信に必要な能力が中距離に変更されています。50kmでは地球なら成層圏までしか届かないのですが…?

通信機 Communicators
 通信機は内部電源で作動する無線送受信機の組み合わせと定義されます。携帯用なので供給電力に接続する必要がありません。これは音声とデータを送受信することができます。軌道上の艦船と通信するには最低限中距離用が必要です。

 TL重量価格有効範囲
短距離通信機202255
0.1755
中距離通信機7075050
100.425050
130.125050
長距離通信機1501500500
1.2500500
140.5500500
大陸間通信機300150005000
1.550005000
12150005000


Megatraveller: Imperial Encyclopedia(1987年)
 邦題は『メガトラベラー:帝国百科』。従来の通信機とは別に「通信機(動画)」「通信機(レーザー)」が追加されたのが特徴です。通信機の項目からは「軌道上の艦船との通信」に関する文が消え、レーザー通信機にその用途が移されたように読めます。
 TL10で登場する貼付式通信機の「コムドット(Comdot)」がルールブックに登場したのもここからです。これは耳の裏と喉仏に貼り付けられる超薄型のイヤホンマイクですが、送受信範囲が1メートルなので通信機の子機として専ら使われます。通話で手が塞がれないのが大きな利点です。

通信機 Communicator
 (上記1982年版の解説に追記)0.2リットル以下のものは耳に装着でき、一般の者には気付かれません。
(※これは『研究基地ガンマ』に登場した「個人用通信機」の設定が取り込まれたと思われます)

TL容積重量価格有効範囲
40202255
1407075050
3001501500500
600300150005000
0.20.1755
2.41.2500500
31.550005000
100.80.425050
122110005000
130.20.125050
1410.5500500

通信機(レーザー) Communicator, Laser
 レーザー通信機は視線の通る地域間距離(500km)以内を結ぶ機器です。この距離ともなると地平線までの距離がまず有効範囲を制限するので、地表ではほとんど必要とされませんが、軌道上を周回する艦船との通話の際に利用されます。レーザー通信機の主な利点は、収束光によって秘話通信を確保することにあります。
 複数のレーザー通信機ではしばしば「連携」通信網が構築されます。地平線や地域間の距離を置く基地局から基地局へと再送信することによって、世界中に通信を即座に伝えることができます。

TL容積重量価格有効範囲
1051.52500500

通信機(映像) Communicator, Video
 映像通信機は、500km(地域間距離)の範囲に音声と二次元映像を送信します。この機器はポケットに入れて運んだり、ベルトに掛けられるほどに小さいです。通信機には入力用のマイクとビデオカメラ、出力用の小型スピーカーと高透過性キュプロタリウム(polylucent cuprothallium)ディスプレイが内蔵されています。ディスプレイは使用されない時には本体内に格納され、ビデオカメラは必要に応じてスイッチを切ることができます。機器がベルトに装着されているなら、コムドットで話したり聞いたりすることができます。
(※ちなみにこの型の通信機(に加えてコムドットやレーザー通信機)の初出は『Grand Census』(Digest Group Publications, 1987年)で、そこでは大きさは「15cm✕10cm✕3cm」とされています)

TL容積重量価格有効範囲
140.450.2500500


Traveller: The New Era(1992年)
 解説文は上記の『メガトラベラー』のものを大筋で踏襲していますが、機種の整理統合、一部説明文の簡素化、容量・重量・有効距離の変更がなされています(※MTとは逆に重量が容積の倍の値になっているのですが…?)。あと、コムドットはこの新時代には残らなかったようです(笑)。

TL容積重量価格有効範囲
通信機501002253
10020075030
150300100003000
102025030
0.10.2753
12500300
102050003000
101225030
121250003000
140.10.2500300
通信機(レーザー)1081611000300
通信機(映像)140.40.81000300


Reformation Coalition Equipment Guide(1994年)
 軍事ゲームの色が強いTNEの装備品ガイドなので、ここで紹介されている通信機も軍用装備ばかりです。通信機の変遷という今回の企画意図から大きく外れるので紹介は割愛しますが、後にも先にも「メーザー通信機」のデータが有るのはこれだけのはずです。


Marc Miller's Traveller(1996年)
 基本設定の変更(帝国暦0年)に伴い、TL12が最先端技術扱いです。また「Comm」という略語が正式名称となった初のバージョンです。
 これまでの設定が統合されて、通信機一つで「手帳・時計・携帯テレビ電話」を兼ねるようになりました。そして低TL版通信機の存在が見当たりません。ここへ来てようやく、現代では常識の「通信機が基地局を経由して遠方の他の通信機に接続する」方式が登場して利便性が向上しています(逆に基地局のない低技術世界では使い物にならなくなってしまいますが)。

通信機 Comm
 通信機は、個人的な手帳、時計、携帯テレビ電話の機能を持つ通信機器の一形態です。一般的には男性用腕時計程度の大きさですが、首飾り、サングラス、折り畳み大画面の搭載、もしくは音声のみの耳輪にすることもできます。TL12の暗号化技術を利用して盗聴を防止した送受信が行われます。
 個人用通信機には所有者に関する基礎情報が入力されており、音声などで動かすことができます。一般的には所有者の名前・住所から親族・友人・仲間の通信コードのリストなど、所有者が持ち運ぶのに重要であると考える様々な情報が収められています。通信機は後に検索可能な少量の音声・動画、およびデジタルデータを受信して格納することができます。記憶容量は限られていますが、低品質のビデオカメラとして使うことができます。
 多くの星系では法令執行のために上書き命令(override command)ができるようになっています。これは火災や暴動などが発生した際に、警察本部から地域内全ての通信機に放送をするためです。
 電子機器の進歩に伴い、通信機は電力消費低減の代償に近隣に基地局を必要とするようになりました。人口密集地域や主要な旅行先では問題になりませんが、田舎や辺境ではブースターが利用されます。これは財布程度の大きさの増幅器で、通信衛星を介して相手まで通じるのに十分な強度で通信信号を送信します。衛星回線の利用は若干高価です。
 通信機は安価な物ならCr.50から、高性能の物ならCr.200で販売されていて、重量は0.1kg以下です。通信機はコンピュータ/1と同等です。


GURPS Traveller(1998年)
 T4が先進的過ぎたのか、1977年版LBBと同様の通信機像に差し戻されています。ただしなぜかTLは8に引き上げられました(※誤植ではないようです)。ここでは割愛しましたが「TL8デジタルカメラ」が別に存在することから、画像撮影の機能もなくなったと思われます。
(※GURPSルール下ではTLの刻みが従来と異なるため、この項目では独自に変換を行っています)

通信機(短距離)(TL8) Communicator, Short-Range
 しばしばヘルメットに組み込まれている、小型の双方向無線機です。基本有効範囲は10マイルで、TL9ではその10倍に、TL12では50倍となります。Cr.50、重量は無視できるほどです。価格を1割増しで腕時計や耳飾りに偽装できます。

通信機(中距離)(TL8) Communicator, Medium-Range
 手の平に乗る大きさの無線機です。基本有効範囲は100マイルで、TLによる拡大は上記と同様です。表示画面の追加はTL8なら価格が2倍となりますが、TL9なら無料で追加できます。Cr.200、重量1ポンド。

通信機(長距離)(TL8) Communicator, Long-Range
 書籍程度もしくは背負われる大きさの機器です。基本有効範囲は1000マイルで、TLによる拡大は上記と同様です。Cr.600、重量10ポンド。表示画面はTL8ならCr.100で、TL9以上なら無料で追加できます。

GURPS Traveller: First In(1999年)
 偵察局や探査活動を解説するこの本ではレーザー通信機と、コムドットと同等性能の「隠密行動通信機(Covert Action Communicator)」が登場します。TL15相当の装備とされたお陰か、有効範囲が単体で50マイルと広がり、低軌道上の艦船との直接通話も可能とされています。
レーザー通信機(TL8) Laser Communicator
  屋外用レーザー通信機は、無線通信が傍受される恐れのある際に探査隊が使用することが多いです。レーザー装置は頑丈な三脚に取り付けられており、狙いを維持しやすくなっています。有効範囲はTL8で10マイル、TL9で100マイル、TL12以上で500マイルですが、障害物によって妨げられます。連続送信で1時間稼働します。Cr.650。重量5ポンド。


Traveller20: The Traveller's Handbook(2002年)
 こちらもTL7以前の通信機はLBBを踏襲した上で、新たに「TL8個人通信機(Personal Communicator)」を登場させています。文面からすると、この段階では音声のみの携帯電話に相当する物でしょう。

長距離通信機 Long Range Communicator
 背嚢で運ばれる無線機で、有効範囲は500kmもしくは軌道上の艦船までです。TL7では重量が1.5kgに減り、ベルトまたは肩紐に装着できます。

中距離通信機 Medium Range Communicator
  最大30km圏内に対応できる、ベルトもしくは肩紐装着式の無線機です。TL7では重量が500gに減ります。

短距離通信機 Short Range Communicator
 10km圏内(地下または水中では更に短くなります)で利用できるベルト装着式の無線機です。TL7では重量が300gに減り、片手で持てるようになります。

個人用通信機 Personal Communicator
 携帯型の、単回線通信機器です。TL8以上の世界では、個人用通信機が世界の衛星通信網に接続し、有料で他の通信機に連絡することができます。回線は秘匿されていますが安全ではなく、一部の世界では監視される場合があります。通常、各星系の宇宙港ではわずかな料金で通信網への接続手段を手配できます。TL7以下の世界では個人用通信機は動作しません。

 TL重量価格有効範囲
長距離通信機15500500
中距離通信機1020030
短距離通信機510010
個人用通信機0.3250解説参照


Traveller Hero(2006年)
 長中短の各通信機については「無線トランシーバー」と簡単な解説、というより定義があるだけです。TL9装備になった分だけ軽量化がされています。

携帯型レーザー通信連絡器 Portable Lasercomm Relay
 地表から軌道上への通信に利用されます。無線ではなく収束光で送信するため、秘話通信が可能です。

通信機(映像) Communicator, Video
 ポケットやベルトで運べるぐらいに小さく、音声や二次元映像信号を最大500km送信できます。

 TL重量価格有効範囲
長距離通信機1.5500500
中距離通信機0.520030
短距離通信機0.31003
携帯型レーザー通信連絡器101.52500解説参照
通信機(映像)100.81000500


Mongoose Traveller: Main Rulebook(2008年)
 ここでは音声のみのTL5トランシーバー(Transceiver)、通話に画像送信も含めたTL8の通信機(Comm)、超小型イヤホンマイクなTL10コムドット(Commdot)の3種類に分けられました。コムドットはともかくとして、トランシーバーも通信機も「TLが高くなるほどコンピュータとしての機能も向上する」のが特色です。マングース版ルール下ではコンピュータの性能値以下のプログラムを実行することができるので、主な用途としては〔翻訳(Translator)〕や〔熟練(Expert)〕(※知力・教育度関連技能判定の支援を受けられる)を走らせることが想定されます。

トランシーバー(TL5) Transceiver
 トランシーバーは単独運用される通信機器です。確立された通信網の存在に依存する通信機と異なり、トランシーバーは自らの電力で直接送受信することができます。ほとんどのトランシーバーは無線またはレーザーで通信が行われます。中間子トランシーバーも実現可能ではありますが、一般的には簡単には利用できません。確実に軌道上まで届かせるためには、500kmの有効範囲が必要です。

TL重量価格有効範囲特記
無線トランシーバー
Radio Transceivers
20505
21005
125050コンピュータ/0
121500500コンピュータ/0
13110005000コンピュータ/1
レーザー・トランシーバー
Laser Transceivers
1.5100500
110.5250500コンピュータ/0
13500500コンピュータ/1

通信機(TL6) Comm
 個人用通信機は、かさ張った送受話器(handeset)から薄型腕時計まで様々な大きさの携帯型電話兼コンピュータ兼カメラです。比較的大型の通信機は物理的な制御盤(※キーボードなど)と画面を持ち、小型のものは近くにデータや制御表示を投影したり、折り畳み式の画面に表示したり、サイバー化機器に接続(※人工網膜への投影?)したりします。通信は短距離の送受信機能しか持っていませんが、技術的に進んだ世界の多くでは惑星全体を覆う通信網を持ち、利用者がどこにいてもメッセージを送信してデータに接続できるようになっています。

TL価格送受信内容特記
50音声のみ 
150音声・映像コンピュータ/0
10500様々な種類のデータコンピュータ/1


Traveller5: Core Rules(2013年)
 様々なMakerによってあらゆる物を設計することが前提のT5ですが、さすがにそれではすぐに遊べないので、見本がいくつか掲載されています。

通信機 Comm
 一般的な通信機は容積0.2リットルの手持ち可能な機器で、有効距離は1000kmです。デザインには無数のバリエーションがあります。

通信機(改良型) Comm, Modified
 一般的な通信機の高技術版です。

通信機(最先端) Comm, Advanced
 帝国で製造された最高級の通信機です。これは何年ものの激しい使用に耐えるよう作られています。その「壊れない」電子基板は、人間工学に基づいたケースに収められています。ケースは改造防止機能を備えており、バッテリーには緊急用の内部ブレーカーが装備されています。

通信機(据え置き) Comm, Installation
 惑星間通信に用いられるような大規模通信アレイです。

通信機(長距離) Comm, Long Range
 携帯型通信機の優れたバージョンです。

通信機(豪華版) Comm, Luxury
 この通信機は非常に優れた物です。例として「ナアシルカCX-5700」は、信頼性の高いナアシルカ社製電子技術と優れた安全機能で知られています。この通信機は一般的な物と比べて25グラム軽い以上に、驚くほど軽く感じます。このクラスの通信機ともなると、天然素材の使用、個人に最適化された執事ソフトウェア、高度な侵入防止プログラム、衛星誘導機能(※俗に言うGPSです)など、様々な注文生産が可能となっています。

通信機(高耐久型) Comm, Ruggedized
 典型的な高耐久型通信機は、危険な任務を前提に設計されています。例えば10メートルからの落下にも耐えて、それでも機能します。内蔵された動画または静止画カメラのために、優れた雑音除去や逆光軽減などの機能が備えられています。「T-Del C10r」のような通信機は、真空や腐食性大気の中でも短時間耐えることができるため評価されています。

通信機(車載) Comm, Vehicle
 車載通信機は軌道上(500km)まで通信できます。

無線機 Radio
 容積1.5リットルのトランシーバー、もしくは携帯電話のことです。

無線機(試作段階) Radio, Experimental
 「SCR-300」は、有効範囲5kmの人が運べる大きさ(容積15リットル)の試験的通信機です。

 TL重量価格
通信機0.21000
通信機(改良型)100.2500
通信機(最先端)150.2500
通信機(据え置き)1500000
通信機(長距離)140.25000
通信機(豪華版)110.1755000
通信機(高耐久型)100.241750
通信機(車載)5050000
無線機1.5100
無線機(試作段階)151000


Traveller: Liftoff(2014年・未発売)
 装備品リストの中にはないですが、「誰もが持っている物(Stuff Everyone Has)」の中に「スマートフォンと同類の個人用通信機(A personal communicator similar to a smartphone.)」の記述があります。


Mongoose Traveller: Core Rulebook(2016年)
 第2版ルールに移行したマングース版『トラベラー』ですが、記述自体に変更はありません(通信機(Comm)が携帯通信機(Mobile Comm)に変わった程度)。トランシーバーにいくつか機種の追加と変更があります。旧来のルールと比べて欠落していた部分の穴埋めとバランス調整でしょう。

TL重量価格有効範囲特記
無線トランシーバー202255
7075050
1501500500
300150005000
7550
500500
50002500コンピュータ/0
10250500コンピュータ/0
121100010000コンピュータ/0
132501000コンピュータ/1
145003000コンピュータ/1
レーザー・トランシーバー1.52500500コンピュータ/0
110.51500500コンピュータ/0
13500500コンピュータ/1


Cepheus Engine: System Reference Document(2016年)
 建前上は『トラベラー』ではないですが系列ゲームですし、一応「最新」なので紹介します。Open Game Licenses下にあるT20(厳密にはSciFi20?)を踏襲、というよりデータ面は全く同じですが、T20にはなかった解説文が追加されました。

通信機 Communicators
 物理的に隔てられたキャラクターは、時に会話を維持する必要があります。これらの通信機器はその要求を満たします。これらの機器の日常的な利用には技能判定は必要ありませんが、混信を解消しようとしたり他の目的で使用する際には〈通信機〉技能判定が必要です。


【まとめ】
 この40年の「通信機」の変遷を見てきたわけですが、ゲームのルールとしての後方互換性の確保(や大人の事情)もあって、「通信機」の解釈も行きつ戻りつしているように感じます(T4が意外にも飛び抜けて先進的な通信機像を提示しましたが)。とはいえ、今更「スマホすらない未来社会」という世界観を提示するのは無理があります。ならば、これまで記されてきた数々の設定を「美味しいとこ取り」して「均していく」必要があると思います。

 まず、『Liftoff』で提示された「誰もが個人用通信機を持っている」という設定は採用の価値があるでしょう。また同時に、T4やマングース版の「高TLの通信機はコンピュータと同等」という設定もありです。通信機としての全体的なバランスではマングース版がいいとは思うのですが、TL13のトランシーバーなんて需要あるか?という疑問はあります。反重力車両がやがて船舶や航空機を駆逐したように、TL10~11ぐらいで全てが個人用通信機に統合されてしまっても良いのではないか、と思います(まあ軍隊のことを考えるとそうもいかないのかもしれませんが…)。

 そして「個人用通信機」(略称はパーコムでしょうか、モバコムでしょうか?(笑))の設定も考え直してみます。未来デバイスですから音声操作は当然としてホロ(三次元)画面の一つも採用したいところですが、『メガトラベラー』設定では「Pocket Holovideo」(T5設定だと「Personal Holovideo」)なるものはTL16の産物とされています。帝国では家庭用三次元テレビはあってもモバイル環境で立体映像は見られなさそうです。
 個人用通信機にホロカメラ機能を搭載するのも問題です。『メガトラベラー』設定ではホロビデオ技術の確立はTL10、手持ち型ホロカメラ(Hand Holocameras)がTL13です。前述の「Pocket」や「Personal」が何を指しているかがあやふやなのが困るところですが、録画機能も含めた意味でのことだとすると、個人用通信機にホロ動画撮影機能が搭載されるのはTL16以降ということになります。

 こうなると、TL8~9のスマートフォンと見かけは大差ない(といっても中身のコンピュータは進歩した)物をTL12以降の旅人も携帯している、というあまり夢のない結論が出てしまいそうですが、「公式」設定を崩さないようにするにはそうせざるを得ないでしょう、残念ながら。まああまり進歩しすぎた未知のデバイスをプレイヤーに想像させるのもなかなか難儀なことですし…、眼鏡や腕時計などのウェアラブルな方向へ進化させるのが妥当な落とし所でしょうか。いずれにせよ現代のレフリーは、キャラクターがどこにいてもライブラリ・データを検索し、仲間と連絡をつけることに対して心構えが必要なのは間違いありませんね。

 なお、本稿の作成にあたり各方面に多大なご協力を頂きました。この場を借りて御礼申し上げます。

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レビュー:『Cepheus Engine Vehicle Design System』

2017-04-17 | Cepheus Engine
 『Cepheus Engine Vehicle Design System』は、その名の通り『Cepheus Engine』の車両設計ルールです。
 以前説明した通り、『Cepheus Engine』は大人の事情でマングース版『トラベラー』第2版に乗れなかった人々が「自由に」使える2D6系SF-RPGシステムとして急拡大しているのですが、これまで車両設計システムは未搭載でした。というのも、『Cepheus Engine』の基となったTraveller SRDには、車両設計ルールとなる『Vehicle Handbook』は含まれていなかったのです。
 それを補うべくゼロから作られたこの『Vehicle Design System』、蓋を開けてみると何と「(SRDにある)宇宙船設計システムを車両にダウンサイジングする」という、今までありそうでなかった作りになっていたのです。クラシック版『トラベラー』をやったことのある世代ならピンとくるでしょうが、つまり「まず船体の大きさを決め、船体とドライブの出力(A~Z)との兼ね合いで速度が決まり、ドライブ出力はパワープラント(A~Z)の出力以下に制約される、あとは空いた隙間に必要な物を詰め込んで終わり」というお馴染みのあれなのです。

 さて今回のレビューですが、いちいちシステムを解説するのも長くなりますし、システム自体は無料で手に入れようと思えばできるので参照も容易ですし…ということで、実際に車両を設計することでレビューに代えてみようかと思います。
 やはり『トラベラー』の花形車両といえばエアラフト。しかし、クラシック版ルールでは1台60万クレジットもする超高級車でもあります。『Cepheus Engine』では27万5000クレジットと控え目になりましたが、それでもおいそれと買える値段ではありませんし(1クレジット=1ドル≒100円と考えると目安になります)、派手目なシナリオで壊してしまうとプレイヤーに恨まれそうです(汗)。
 そこで、庶民でも買えそうな「軽反重力車」をこの『Vehicle Design System』で設計してみます。はたしてそう都合よくいきますかどうか…?

1.車体の選択(Choose a Vehicle Chassis)
 輸送機器としての車体枠の大きさをまず決めます。これにより車両の重さ・積載容量が全て決まります。
 ここでは「大きさの例(Size Example)」に「小型車(Compact Car)」と書いてある「コード4」を迷わず選択します。重さは0.75トン、容量(Spaces)は9(容量1=1/12トン)、価格は2100クレジット、製造時間(Construction Time)は7時間と自動的に決まります。更に「閉鎖型(Closed)」か「開放型(Open)」かを決めます。一般のエアラフトのような開放型だと車体価格が1割引きとなりますが、差別化も兼ねてここはあえて閉鎖型を選択。
 また、特殊な環境で用いるための追加装備(腐食環境防護とか)も選べますが、全て省略。自家用車なので追加装甲もなしとしますが、一応車体の素材をTL4の「鉄(Iron)」にしておきます。これで自動的に基礎装甲点(base amount of armor)が2となります。
(※素材選択は「追加装甲の」価格と装甲点に影響するので、ここで車体を高TLの硬い素材にして余計に基礎装甲点だけを貰っておくズルも可能ではありますが…)

2.推進力の選択(Choose locomotion/propulsion)
3.動力源の選択(Choose power supply)

 ここはまとめてやってしまいます。反重力車両を作るので推進力は当然TL9の「反重力(Grav)」(TL12の改良型反重力(Advanced Grav)でもいいのですが、価格が倍になってしまうので…)、動力源にはTL9の「初期核融合(Early Fusion)」を選びます。ただこれ極端な話、積載空間さえ確保できれば石炭燃料のTL3外燃機関(External Combustion)で反重力車両を飛ばせるようにも読めます。私の勘違いであればいいのですが、まあこれはこれでスチームパンクな設計も可能だと好意的に解釈できなくもないです(笑)。
 ここで宇宙船と同様にそれぞれの「ドライブ番号」を決めないといけません。車体の大きさと欲しい速さに比例して必要とされる推進力は大きくなりますし、それを支える動力源もより大きなものが必要になります。車体コード4だと、ドライブBで「1」、Cで「2」、Dで「3」、Eで「6」が得られます。ここで得られた係数を「基本車両速度(Vehicle Base Speed by Drive Performance)」表で「反重力(Grav)」の欄を参照すれば、Bの係数1でも時速100キロメートルで走行可能なことがわかります。これで十分ですからドライブBを購入し、必然的にパワープラントもBが必要となります(C以上は無駄ですし)。
 「ドライブ価格(Vehicle Drive Costs)」表でBを、かつ反重力は「滑空(Thrust)」に属するのでその欄を参照すると、動力炉は基礎容量0.26の基礎価格が300クレジット、滑空の推進力は基礎容量0.3の基礎価格が15000クレジットと出ます。初期核融合や反重力はたまたまそれに掛ける倍率は全て1倍となっているので、先程の数字がそのまま使われます。

4.燃料容量の決定(Determine fuel requirements)
 動力源を核融合としたので、自動的に燃料は水素となります。その燃料をどれだけ蓄えるかを決めますが…空きスペースとの兼ね合いもあるので後回しにします。いずれにせよここでは、その輸送機器を「連続何時間(もしくは何日/何週間)動かせたいか」で必要な容量が決まります。さらに動力源の種類次第で燃料量に掛けられる数が変化します(といっても初期核融合は1倍ですが)。

5.操縦方法の選択(Choose vehicle’s controls)
 とりあえず何の補正もない(代わりに高くもない)TL4の「標準(Basic)」を選んでおきます。容量は1必要です。ちなみにTLが高くなるとヘッドアップ・ディスプレイによる操縦支援や、思考制御も可能になるようです(そして当然高額です)。
 ここで車両の敏捷度修正(Vehicle Agility)を出しておきます。これは走行方法や操縦席によって「運転が容易かどうか」を示す指標です(主に〈運転〉技能判定の修正値になります)。この車両の場合、反重力車両で0、小型(2トン以下)で+1、標準操縦で0の補正が得られるので合計で+1です。

6.通信機器の選択(Choose vehicle’s communications system)
7.探知機の選択(Choose vehicle’s sensor package)
8.搭載コンピュータの選択(Choose vehicle’s computer system)

 今回の用途には必要なさそうなのでとりあえず無視します。ちなみにコンピュータを搭載すると車両が技能を持つことができるようになるので、例えば搭載兵器の自動射撃が可能となります(自動操縦はここではなく操縦席の追加装備で「自動操縦(Autopilot)」の購入が必要となります)。

9.搭乗乗員数の決定(Determine number of required crew)
 車両の操縦には運転手が最低1名必要で、操縦席(Cockpit)の設置がいります。まず容量2の「標準操縦席(Cockpit, Basic)」を置きます。価格は1000クレジット。
 あと、3人掛けの「窮屈な座席(Seat, Cramped)」も置いて4人乗りにします(イメージとしては一般的な自動車の後部座席?)。容量は4、価格は2000クレジット。

10.追加装備の決定(Determine additional components)
11.砲塔・武器装備点の決定(Determine turrets, fixed mounts)

 ここは武器や追加装備を積んだりなので全て省略します。

 さてここで確認です。コード4の車体に積める容量は9で、これまで0.26+0.3+1+2+4=7.56を使っているので残りは1.44です。この中に後回しにしていた燃料タンクを作らなくてはなりません。
 「燃料要求量(Power Plant Fuel Requirements)」表でドライブBの動力源は1時間あたり容量0.00052が必要とされ、初期核融合の補正係数は1倍です。とりあえず容量の残り1.44のうち0.04だけ燃料に回すと、連続走行時間は約77時間と出ます。まあこれだけあれば大丈夫でしょう。

12.残った容量を荷台に割り当てる(Allocate remaining space to cargo)
 残った1.4の容量はそのまま荷物の積載空間とします。容量1.4をキログラムに直すと116.67キログラムなので、ちょっとした荷物は運べそうです。

13.最終的な価格と製造時間を求める(Calculate final price and construction time)
 ここまででかかった金額は20400クレジットです。宇宙船と同じく、これを標準設計の量産品とすることで1割引となるので、18360クレジットが最終価格です。2万クレジットを切る値段なら、ちょっとローンを組めばTL9の自家用反重力車が手に入りそうです。
 そして製造にかかる時間は、車体コード4の基礎製造時間が7時間、追加装甲はないので補正なし、標準設計にしたのでその補正もないので結局7時間で製造できることになります(ちなみにカスタムメイドだと10倍かかります)。

 ちなみにこのVDSでも、標準車両記述書式(Universal Vehicle Description Format)が定められています。先程完成した車両を当てはめると、

TL9軽反重力車
 閉鎖型0.75トン車体(船殻点0、構造点1、装甲点2)を採用したTL9軽反重力車は、初期核融合炉(コードB)と反重力機関(コードB)を搭載し、最高速度は時速100km、巡航速度は時速75km、敏捷度補正は+1です。動力炉は積載された水素燃料40リットルで約77時間稼働します。この車両は標準操縦席で制御されます。荷台には1.4kl搭載可能です。運転者を1名必要とし、他に3名を搭乗させることができます。価格は18.36KCr.(標準設計による10%引きを適用)で、製造に7時間かかります。


 ここから改造するとするなら、2000クレジットの追加で自動操縦(ただしTL9を維持するなら〈反重力機器-0〉しか取れませんが)、後部シートを外して操縦席を2人掛けにして貨物スペースを増やすか軽い武装をつけるか装甲を増やす、あたりでしょうか(容量が厳しいので車載武器は無理ですが)。操縦性を犠牲にして(敏捷度修正を減らして)車体価格を削るのは、元々の価格が安いのであまり意味がないでしょう。

 元々ケチくさいコンセプトの上に、VDS自体が「初期核融合+反重力」を基準にした係数設定になっているのでかえって見本としては不適格になってしまいましたが、従来の『トラベラー』シリーズの車両設計システムより簡易に作れるのはおわかりいただけたでしょうか。
 入手性の容易さから、今後このVDSで設計された車両が次々と産み出されそうな気がします、いや産み出されるに違いないと確信できる完成度です(疑問点や悪用されそうな点はなくはないですが…)。
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星の隣人たち(5) 接触!ソード・ワールズ人

2017-04-07 | Traveller
「ソード・ワールズにいるのは、オトコと、オトコオンナと、オトコと…」
―― 帝国人の冗句 


(※厳密に言えば「ソード・ワールズ人」という種族は存在しません。言うなれば彼らはソロマニ人のソード・ワールズ族という民族集団ということになりますが、便宜上ここではソード・ワールズ人という用語を使用します)

ソード・ワールズ人の身体的特徴
 帝国で語られるソード・ワールズ人の印象と言えば、筋骨隆々の大男と豊満な美女というのが定番です。もちろん皆が皆そんなわけはなく、ソロマニ人入植者の子孫に過ぎない彼らと帝国人の間にさほど大きな身体的差異はありません。
 初期入植者がだいたい同じ民族集団であり、その後もヴィラニ人を含めて他の人類とあまり交わらなかったソード・ワールズ人は、一定の外見傾向を示します。彼らはたいていコーカソイド(白人)で、目は茶色か暗青色、髪は金色です。男女共通の遺伝的傾向として酒皶(しゅさ。鼻や頬の皮膚が炎症を起こして真っ赤になっているように見える)が挙げられます。

ソード・ワールズ人の食事
 彼らも人類である以上、栄養源として果物、野菜、肉、穀物といったものが全般的に必要です。中でも彼らは蛋白質を好み、焼かれたか燻製された肉類は伝統食として特に愛されています。また、実用主義の彼らにしては興味深いことに、砂糖や加糖食品に全く目がありません。厳しい社会から一時でも現実逃避したいかのごとく、彼らは甘味料を飲み物に加えて甘ったるくし、日々の食事には必ず甘いデザートを付けるのです。
 もう一つ、彼らが祖先から受け継いだビール類の味は、グングニル産の1本数百クレジットもする「ランビック・レッズ(Lambic Reds)」からティソーン企業の大衆向け量産品まで、宙域内でも一級品です。ソード・ワールズ人の男性にとって、ビールは食事の際の唯一の飲料です。

ソード・ワールズ人の言語
 現在の連合公用語「サガマール(Sagamaal)」は、帝国暦-900年代に古アイスランド語を基に作られた「古サガマール(Old Sagamaal)」が変化したものです。古サガマールはヴァイキング期の言葉にそれ以降の新語(航空機など)を含めて時代に対応したもので、文化復興の風潮に乗って北欧地方の人々が母語として使うようになりました。ソード・ワールズの入植第一世代の8割がこの古サガマールを第一言語としていたため、その後も入植者間の公用語として広まり、アングリックは廃れてしまいました。
 そして入植から1500年も経過した今、古サガマールは大きく変化しています。入植者たちの様々な出自を反映してノルウェー語に代表されるゲルマン語派言語やヴィラニ語からの多くの影響や借用語があり、文法は簡略化されました。また、各星系ごとの方言も存在します。
 他では、商人や政府官僚は銀河公用語(ギャラングリック)を理解し、一部の高官はゾダーン語も話せます。

ソード・ワールズ人の名前
 ソード・ワールズ人は古代スカンジナビアの伝統に則って命名を行います。名前の後に父の名から取られた「父称」が付属し、それは本人が男性か女性かで語尾が変化します。例えば、アンスガル・ブラエルソン(Ansgar Braelsson)に息子エマヌエルが生まれた場合、子の名はエマヌエル・アンスガルソン(Emanuel Ansgarsson)となります。
 更に、上流階層(※社会身分度9+)ではその後ろに「家門」が追加される場合もあります。イングリド・ロルフドッティル・レイヴン(Ingrid Rolfsdottir Ravn)は、レイヴン家の令嬢で父はロルフであることがわかります。この家門は主に一夫多妻の家庭において父方の家の血統を表し、それが子に引き継がれていきます。
 基本的に姓まで付けて呼ばれる(記載される)のは公的な場で、私的な場では名前のみで呼び合います。

ソード・ワールズ人の人生
 幼い頃から目上への服従が教育されたソード・ワールズ人は16歳で成人とみなされ、軍国主義的社会ゆえに男性には防衛義務が(民兵などに加入することで)課されます。多くの男性は就職前に鍛錬を兼ねて正規軍に入隊します。男性は社会で責任ある仕事を行い、女性は(危険の少ない)家庭で家事と子育てに専念します(家族経営の商店の手伝い程度は許容されます)。「伝統的役割」に固執しない女性は「男性のように」社会進出していますが、逆に「女の仕事」をする男性というのはこの社会では許されないようです。
 肉体の全盛期は20歳~55歳ぐらいで、その後は衰えていき、寿命は100年ほどです。もちろん周囲の環境が悪ければもっと短くなります。
 彼らは基本的に数世代に渡って同じ土地に住み続け、近隣住民と強い縁故関係を結びます。その友好関係は今の社会身分に左右されないのが特徴で、例えば数々の勲章を得た陸軍士官が幼馴染の下層階層の清掃人と生涯の友情を結び続ける、というのはおかしなことではありません。むしろ、生まれついての身分や現在の地位で交友関係が分断される帝国社会の方が奇異だと感じています。
 彼らにとって、暖炉(husenbrandt)はとても大切なものです。どんなに貧しい集合住宅であっても必ず自宅には暖炉があり、家の女性が火を絶やさず守ります。暖炉は家の中核であり、夫が謙虚に妻の助言を聞いて誓いを立てられる神聖な場です。仕事に疲れた男性は、家に戻って暖炉の前でようやく一息つけるのです。
 ちなみに、ソード・ワールズでは伝統的に一夫多妻でしたが、現代では一夫一婦も広まっています(※設定を繋ぎ合わせると、上流階層に一夫多妻の傾向があるようです。ただ、男性過多の社会なのでGURPS版設定では一妻多夫家庭の存在も示唆されています)。

ソード・ワールズ人と性差
 ソード・ワールズ社会の最も大きな特徴が、男女の性差です。男女同権が確立された帝国(※とはいえ星系自治が大原則なので、伝統文化であれば男女格差は許容されます)では理解し難いことですが、ソード・ワールズは軍国主義的で男性上位の社会です。男性は能動的で積極的、女性は受動的で受容的で、ほとんどの例外なく官公庁や企業や軍の高い身分は男性で占められていて、女性は家庭に入るのが当たり前です。女性の社会進出が認められていないわけではないですが、「男性の」職に就いている女性には「男性的な」態度と振る舞いが求められています。そしてそんな女性ですら結婚や出産を期に職を辞すのが当然とされているので、女性が長く働いて栄達するのは困難となっています(※その「抜け道」として家政婦の雇用などで仕事と家庭の両立も図れますが、必然的に「栄達する女性は富裕層」という図式が出来上がります)。
 この男性上位社会は植民初期に由来があります。その頃、多くの危険を冒す仕事を担った者ほど人々の信頼を集め、人々を指揮する地位に就きました。同時に女性は人口増産の必要性から家庭や菜園などの極力安全な仕事に回され、結果的に男性を上位とする社会が出来上がったのです。
 男性上位の社会は男女の産み分けにも影響しています。初期入植の時点で男性の方が多かった影響もありますが、現在でも女性100に対して男性が114という比率になっています。

ソード・ワールズ人と名誉
 ソード・ワールズ人は誇り高き人々です。彼らは数々の苦難を乗り越えて星々を開拓した先祖を誇りに思い、自己の業績も誇りにします。それが故に彼らは弱者や他種族を見下してしまう傾向もあります。帝国人は前世代の遺産で遊び暮らす怠け者、ダリアン人は欠点を技術で補うしかない平和ボケ種族、夫が妻に操られているアスランは嘲笑の対象ですし、ゾダーンですら内心の秘密を尊重できない「心の盗賊」とみなしています。とはいえ彼らは、自らの誤りを認めて自分たちに敬意を払う者に対しては取り引きに応じ、友人として迎え入れる用意があります。
 彼らにとって、仲間内での評価は最も大事です。今の評判を保ち、より高めようと彼らは常日頃から努力を怠りません。彼らの社会はアスランほどではないにしろ帝国よりは形式張っていて、特に男性は自分に敬意を払わない相手には激しく対応します。そのため、帝国人を含めて他の種族からソード・ワールズ人は癇癪持ちに見られ、逆にソード・ワールズ人の視点では他種族は臆病者に見えます。
 名誉を重んじる姿勢は社会の隅々に渡ります。ソード・ワールズでの名誉毀損罪は非常に重く(逆に適用も厳格です)、特に報道機関は帝国よりも慎重な取材で二重三重に確認を経てから公表を行います。弁護士は殺人事件の弁護の際に、被告がいかに被害者に名誉を傷つけられたかという証拠を持ち出して減刑を嘆願します。冗談ですら、他人を傷付ける可能性があるなら人々の口に上ることはありません。
 決闘は多くの世界で禁止されていますが、些細ないさかいや軽犯罪を解決する手段としての決闘は今も行われています。

ソード・ワールズ人と責任
 帝国での「責任」とは多くは「自己責任」のことですが、ソード・ワールズでは自分の指揮下、そして周囲の人々全てに対する責任のことです。確かに彼らは独裁的ですが、報酬に見合った大きな責任を負っているからこそ支持と賞賛を得られているのです。
 経営者は生命保険の受取先を会社にします。飛行機の設計者は試験飛行の際に必ず操縦士と共に乗り込みます。建築家は自分の設計した建物の最初の入居者となります。ソード・ワールズの物語で最大の「悪」は、ヴァルグル海賊でも帝国の侵略者でもなく、責任逃れをする臆病なソード・ワールズ人です。
 ただし臆病とは安全策を取ることではありません。警官は銃撃戦になることがわかっていれば当然防弾服を着ますし、軍人は補給もなしに無謀な突撃をしたりはしません。彼らにとって臆病とは、仕事を引き受けておきながらその責任から逃げ出すことです。

ソード・ワールズ人と信仰
 ソード・ワールズでは古代テラの北欧神話を基にした、自然崇拝の多神教であるアース信仰(Aesirism)が広く信じられていますが、現実的な無宗教者も多いのが実情です。アース信徒は、最も信仰の篤い旧アース同盟の星系で人口の4割、他の旧ティソーン帝国領やサクノスでは2割弱、その他の星系では5%程度です。しかしそれに反して、グラム、ナルシル、サクノスの上流階層でアース信徒が多いのも事実です。
 信者であるなしに関わらず、アース信仰の道徳的戒律はソード・ワールズ全体の人々の生活に影響を与えています。神殿は「自然の力」が強く働く場所、森林や都市部なら草地を確保して建てられ、1名以上の司祭を中心にして信徒が集う場所となっています。信徒の義務は少なく、礼拝への出席も必須ではありません。その代わり敬虔な信者は、自分が崇める神に倣って技能を身につけようとします。主神オーディンなら〈リーダー〉、豊穣の神フレイヤなら〈牧畜〉、戦いの神トールなら〈白兵戦(棍棒)〉といったようにです。
 しかしアース信仰は負の側面、混沌の神ロキの信者も生み出しました。元々はアース信仰が弾圧されていた500年代に反ティソーン帝国のテロリストが信仰し、やがて何者にも支配されたくない無法者が崇めるようになりました。現在のロキ信仰は秘密結社と化していて、連合当局は彼らへの監視と犯罪行為への対処に追われています。

ソード・ワールズ人の衣服
 帝国には多種多彩な装いがありますが、ソード・ワールズでは軍服が基本となっています。正規軍の軍人は非番でも非常呼集に備えて軍服を着ていますが、人口の多くが軍人なので街中に軍服が溢れることになります。税関の係官や政府官僚、建設作業員といった「制服」が求められる職種でも着ているのは軍服ですし、形式的な場に赴く際の「一張羅」も軍服です。民間人の私服ですら「軍的な装い」であり、シューズよりもブーツの方が一般的です。これは多くの成人男性が退役後も地元の民兵組織に所属することが多いからで、彼らは普段から誇らしげに従軍記章や階級章を着けて歩いています。
 一方女性は、男の仕事に就かない限りは過度に古式ゆかしい、床まで届くような服装をしています。富裕層・上流階層の女性は非実用的な、着用に時間のかかるような服装をして出掛けていますが、これは周囲に使用人がいることを誇示するためのものです。未婚の成人女性は家の資産を強調するような魅惑的な装いを好みますが、結婚後は一転して伝統的な格好に戻ります。

ソード・ワールズ人の暦
 初期入植者の出身国であるOEUが用いていたテラの暦、修正グレゴリオ暦(Revised Gregorian Calendar)(通称:西暦)を今も彼らは使用しています。1年が365日となるのは帝国暦と同じですが、テラの公転周期に合わせて4年に1回(厳密には400年で97回)1日を追加する「閏年」という概念があります。そしてこの修正グレゴリオ歴は、「西暦4000年を閏年としない」ことで3320年間で1日のずれを補正したものです。またこの暦には、1年を28~31日ごとに12分割した「月」という概念があります。
 帝国では毎年001日が全星系共通の祝日(建国記念日)と定められていますが、ソード・ワールズではフレミング・ハンセン中佐(Commander Flemming Hansen)がグラムに最初に降り立った5月5日が同様の祝日(植民記念日)となっています。またアース信仰由来の祝日として、12月21日の「冬至」(もちろんその星の実際の冬至とは異なります)と、信仰の復活を祝う3月8日(※ティソーン帝国が第二統治領に降伏した日)の「賛歌の日」が挙げられます。
 もう一つ彼らにとって重要なのが6月23日の「聖なる日(Sanktans)」で、この日は平日でありながら夜になると賑やかな祭りが各地で行われて人々が集い、花火が打ち上げられ、騒ぎは明け方まで続きます。この祭りは、地元の権力者の人形が焚き火で燃やされる(問題がある場所なら立体映像で代用)ことで最高潮を迎えます。

ソード・ワールズの技術
 ソード・ワールズ人も人類である以上、帝国の装備品を何ら問題なく扱えますし、逆もまた然りです。しかしそれはお互いの装備品に互換性があることを意味しません。帝国の装備品とは全く設計思想が異なるのです。
 ソード・ワールズの装備品は、民生品ですら軍用装備のように無骨で頑丈に作られています。そして最大の違いは、例え辺境でも工具一つで修繕可能なように設計され、工具や部品は全て標準化されていることです。そのため、ソード・ワールズのどんな星でも別の星で製造された装備を直すことができますし、占領下の小さな町工場でも部品を製造することができるのです。これは抵抗戦において大きな助けとなります。

通信技術:TL10
 ソード・ワールズの技術開発は、新技術にすぐに移行するのではなく今ある技術をとことん突き詰める傾向があります。そのため彼らが無線通信からレーザー通信に移行するのに多大な時間がかかりましたし、一度移行した後はレーザー通信機を完璧に追求しました。
 ソード・ワールズ連合軍ではTL10のコムドット(Commdot, 貼付式通信機)が現役で、小隊間や船同士の通信にはより高性能なレーザーが用いられています。より初歩的なTL9以下の通信機を利用する場合、軍では「野戦話術(Field Speak)」が使われます。これは帝国の手信号(hand signals)と同様の省略言語で、少ない単語で的確に応答することで充電寿命を倍以上に延長することができます。
 民間では通信に光ファイバーや無線が使われるのが標準です。現代的基準からすれば「遅い」技術ですが、運用・保守・修理が容易な点が利点として挙げられます。

電子技術:TL11
 手仕事を重んじるソード・ワールズ社会では、コンピュータは自分の手には負えないような複雑な計算(科学や数学、宇宙船の運用など)をするためのもので、個人用の小型コンピュータ(ハンドコム)以上に高性能なものは人気がありません。ましてや、楽をするためにロボットに頼るのは恥ずべきことです(例えそれが危険物の運搬であっても)。よって、学者や商人といった「女々しい」職業ぐらいでしかロボットは利用されません。

エネルギー技術:TL12
 ソード・ワールズでは、中央の巨大な発電所で電力全てを賄うのではなく、小規模発電所が分散して電力を供給するようになっています。これは一箇所への攻撃で電力を喪失しないようにするためです。基本的に核融合や地熱発電が主ですが、星系によっては風力、火力、水力も利用されています。

医療技術:TL9~13
 ソード・ワールズの医学は帝国やダリアンと比べれば進歩しているとはいえません。臓器移植は一般的ではありますが、人工臓器は普及していません。ロボットに対する不信と同様に、自分の体を機械化してまで生き長らえたいという人は少ないのです。
 ただし戦闘用のものとなると話は別で、彼らは「便利な道具」として捉えています。サイバー科学分野の研究は戦闘用に偏っていますが、実際に「改造」を受けた兵士には仲間から哀れみの視線を受けるのが実情です。

輸送技術:TL9~11
 ソード・ワールズの車両は帝国のものより単純かつ堅牢に作られていますが、これは軍用車両の設計が民生品にもそのまま流用されているからです(もちろん街中で反重力戦車が売られているわけではありません)。そして有能な整備士は、有事の際に民間車両を軍事用にすぐに転換させる技量を持っています。
 彼らの祖先が海に生きていたこともあって船舶も(アース信仰の強い世界では特に)一般的ですが、あくまで趣味なのであえて風力や内燃機関といった低技術で動かされています。
 彼らが設計する宇宙船は古の地球連合(Terran Confederation)の様式を模していて、星域内を行き来するためにジャンプ-2を基本としています。内装は実用を重んじているので窮屈かもしれませんが、乗組員は乗員を確実に守るために一般水準の倍の能力を持っているのは珍しくはありません。

武器技術:TL9
 ソード・ワールズ人は伝統的な近接武器を好み、どこの家にも剣や斧や鎚が置かれています(決闘のためとも言います)。もちろん銃器を使わないことはないのですが、彼らは安定性の低いエネルギー武器よりも実弾銃を好みます。ソード・ワールズ製の銃器は誰でも簡単に引き金を引け、信頼性が高く、交換整備が容易に作られています。

ソード・ワールズの通貨
 ソード・ワールズ連合には歴史的経緯から今も統一通貨はなく、各星系(や星系内国家)が独自に貨幣を発行しています。そのため基本的にはジャンプする度に両替が必要となりますが、連合財務省はその手数料を1.5~3%と定めています(場所によってはその2~3倍取られることもありますが)。両替はCクラス以上の宇宙港や大都市ならたいてい可能です。
 連合内で広く流通している通貨としては、グラム・クローネ(krone)、ナルシル・ナイマルク(nymark)、サクノス・マルク(mark)が挙げられます。他にダリアン、ゾダーン、アーデン、268地域星域の有力星系の通貨も一部上流階層で取り引きされています。帝国クレジットも使用可能ですが、帝国への不信感と偏見から額面の95%で扱われるのが常です。

ソード・ワールズ人と超能力
 友好国のゾダーンとの関係もあり、超能力を公的に禁止するようなことはありませんが、少なくともソード・ワールズ人の男性は「男らしくない」という理由で超能力に嫌悪感がありますし、人前で堂々と使うことはありえません。これは彼らの伝承で「千里眼」のような超能力を扱う者が女性ばかりであった、ということに由来します。
 サクノスに超能力研究所があるのは公然の秘密ですが、社会の超能力に対する偏見で活動は抑制的にならざるをえず、それでも星系間対立の影響で他星系に余計に反超能力感情を醸成させてしまっています。


【参考文献】
Journal of the Travellers' Aid Society #18 (Game Designers' Workshop)
GURPS Traveller: Sword Worlds (Steve Jackson Games)
Sword Worlds (Mongoose Publishing)
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星の隣人たち(4) ソード・ワールズの歴史

2017-03-30 | Traveller
「これは私見だが、ソード・ワールズ住民との初接触の報告書を一言でまとめるならこうだ……『彼らはきっと厄介者となる』」
―― ブレンハイム・オート=ムボー卿(初代アンドゥリル駐在帝国大使)


 太古種族期のソード・ワールズ星域に人類がばら撒かれた痕跡はありません。しかし、この星域の多くの星々の太古種族期以前の地層からは生命の痕跡すら見つからないことから、太古種族が広く大規模な惑星改造を行って人類の移植に適した環境を創り出そうとしていた可能性は十分考えられます。
 太古種族の滅亡後の約30万年間、数少ない例外(※エクスカリバーの第3衛星には「わずか」2万年前の謎の遺跡が存在します)を除いて知的種族がこの星域で活動した記録はありません。やがて隣の星域のダリアン人が宇宙に乗り出すと、ソード・ワールズ星域の星々は彼らに探査され、-1270年から各地に科学研究や資源採掘の基地が建設されました。しかし-924年に巨大フレアによってダリアン文明が壊滅すると、これらの基地は放棄されました。中にはグングニル星系の製薬施設のように100年ほど生き延びたものもありましたが、やがて職員の子孫たちは死に絶えました。
 -800年頃のソード・ワールズ星域は、再び静まり返っていました。

 -400年代後半、ソロマニ・リム宙域にあったOEU(Old Earth Union, 古き良き地球連盟)は、牛飼座星団(Near Bootes Cluster)との軋轢や、体制派と革命派による内戦で内憂外患の状態にありました。-420年、体制派のソード級輸送艦グラムは4万人の兵士を乗せ、遠征軍の一艦艇としてテラ(ソロマニ・リム宙域 1827)を離れました。この時乗せられていたのは、第8スカンジナビア陸戦軍団、アジッダ植民地連隊、ゲルマン猟兵3個大隊、その他工兵連隊などの支援部隊、という編成でした。遠征の目的はチェルノーゼム(同 1836)の攻略でしたが、惑星降下戦の最中に革命派の救援艦隊が到着し、数で不利となった遠征軍は重力井戸の内側で無謀なジャンプを試みました。そのほとんどは消息不明となりましたが、輸送艦グラムと6隻の駆逐艦や護衛艦のみがジャンプに成功しました。そして、惑星に取り残された第146海兵隊連隊などの降下部隊の運命は、また別の物語となります。
(※チェルノーゼムは牛飼座星団に属する星系なので、この戦いから牛飼座星団とOEU革命派が手を組んでいた側面が見えてきます)
 彼らはテラに帰投する途中で、体制派が内戦に敗れ、更にチェルノーゼム遠征軍の全員が戦争犯罪人として追われていることを知らされました。彼らは体制派の残党である軽巡洋艦ロバート・ザ・ブルースなどと合流しながら、包囲網の隙間を突いて逃げ延びました。

 敗残兵たちは、次に何をすべきかという問題に直面しました。従う祖国を失った結果、命令系統は不安定となり、偶発的事件によって陸軍と海軍の兵士たちの間には亀裂が生じ、集団全体が危機に瀕していました。いくつかの議論を経て、上級将校たちは自分たちがもはや軍隊ではなく「即興の植民船団」であると位置付けました。両軍の将校から構成された「グラム協議会(Gram Council)」の誕生です。
 協議会は、適切な惑星を見つけてそこに落ち着くことを決議し、物資の温存のために「新たな家」に到着するまで兵士たちを冷凍睡眠させました。斥候隊はマジャール宙域に入植先の候補を見つけてきましたが、革命派による残党刈りにいずれ発見される恐れから、人類圏から完全に離れることを決めました。

 とある小国家の首都ウー(マジャール宙域 0203)にて、彼らは小規模アスラン氏族フアオヘイリーユ(Faoheirlyu)の特使と連絡を取りました。フアオヘイリーユ氏族は当時、アロアイェイ氏族(Aroaye'i)に従属するワハトイ氏族(Wahtoi)の臣下でしたが、ワハトイが敵対氏族と戦争中のアロアイェイの支援に掛かりきりのため、フアオヘイリーユは独立氏族ロイフト(Roilhtyo)の略奪を抑えることができませんでした。グラム協議会はこの状況を利用し、フアオヘイリーユの傭兵となることで人類宇宙からの脱出を図ったのです。
 フアオヘイリーユは地上戦力を必要としていなかったので、護衛艦が戦っている間、兵士は冷凍寝台に横たわったままでした。その間協議会は、来るべき脱出の日に備えました。商船を雇い入れて密かにテラに潜入させ、船団の構成員の家族を呼び込みました。これらの「新人」はあらゆる年齢層のあらゆる職種に及び、特に協議会は健康で若い女性の確保に力を入れました。更に、1万人を冷凍寝台で運べる中古のアスラン植民船など、新植民地を築くための機材を購入しました(※その中にはウー産のミニファント(miniphant)の冷凍受精卵も含まれ、初期開拓で役畜として大いに活躍しました。役目を終えた今でもATV代わりに騎乗されることがあります)。幸いにも、これらの代金を支払うに十分なロイフト氏族の船を拿捕できたからです。
 アロアイェイが和睦するまで、グラム協議会はフアオヘイリーユを守り続けました。こうすることで、臣下を守ってやれなかったワハトイに「貸し」を作ったことになるのです。ワハトイは彼らに恩賞として土地を提供しようとしましたが(アスランなら最高の栄誉です)、協議会は代わりにアスラン領内の自由通行権を求めました。結果的にアロアイェイの助けを得て、それは実現されました。
 -404年中頃に彼らはアスラン領内に入り、様々な氏族との折衝や急襲などで数週間の停泊を度々強いられたり、大裂溝(Great Rift)の走破に1年を要したりしたものの、-401年末には当時のアスラン領のコアワード端、リフトスパン・リーチ宙域とトロージャン・リーチ宙域との境界付近に彼らは到達しました。

 しかし土地に対する執着心を考慮すると、アスラン領近辺も安住の地とはいえませんでした。なるべくアスランから離れようとした彼らは、やがてスピンワード・マーチ宙域にたどり着きました。そこで新天地となりうる世界を探査しましたが、候補こそ見つかったもののどれも理想的には見えませんでした。
 -400年の末頃、探査を続けつつ彼らは宙域座標1223へジャンプを行いましたが、何とか到着こそしたものの輸送艦グラムのジャンプドライブがとうとう破損してしまったのです。しかし、修復をしながらも護衛艦が星系内や近隣星系を探査すると、テラに似た環境を持つ世界が(不思議と)複数見つかりました。協議会は、もはや危険を冒してジャンプする必要を認めませんでした。
 -399年127日(西暦4122年8月22日)、彼らは船の名を取って「グラム」と名付けた惑星にようやく降り立ちました。そしてゲルマン神話で名剣グラムを振るった英雄にちなんで、主星をシグルズ(Sigurd)、伴星をシグムンド(Sigmund)としました。

 グラム協議会は、初期探査で隣の星域のダリアン人の存在に気付いていましたが、文明再建期にある彼らを助けるよりも、彼らから星々を「先取り」することを選びました。グラムからジョワユーズ、コラーダ、ティソーン、フルンティングに小さな植民地が次々と建設されていきました。
 それから協議会は、中央集権型の経済こそが発展に必要だとして全ての宇宙船と機材の国有化を宣言しました。建前上は民主主義と自由社会を唱えはしましたが、実質的にグラムは抑圧的な寡頭政治となりました。そしてこれらを正当化するために(本心かどうかはともかく)、周辺世界を植民地化して恒星間大国となることこそが、あらゆる敵から我ら「ソード・ワールズ人」を守る唯一の道だと人々に説きました。
 当時のグラムの入植者は20代~40代が多く占めていたため、人口は急速に成長しました。しかし入植者の多くが元軍人だったこともあって、男女比はやや男性に偏りがちでした。協議会は母体保護の観点から女性が危険な仕事を免除されることを認め、これが現在の男性上位社会の起源となりました。実際は入植初期では全てが危険な仕事だったので、女性も「男の仕事」を任うことが多かったのですが。

 入植開始直後、巡洋艦ロバート・ザ・ブルースはテラに残った家族と連絡を取り、可能であればグラムに呼び寄せるためにアスラン領に向かいました。この巡洋艦自体はテラから帰還中に消息を絶ちましたが、以後ワハトイ氏族の助けを借りてテラからソード・ワールズ星域に入植希望者が次々とやってきました。
 ちなみに、-200年頃にフアオヘイリーユ氏族がワハトイ氏族に反旗を翻したことで、ワハトイが背負っていたグラム協議会に対する「借り」も消滅し、テラとの繋がりも断ち切られました。

 住民の連帯と出産奨励によって、-300年にはグラムは40万以上、4植民地も3万ずつの人口を数えるほどになっていました。人口増加分の多くはデュランダル、ディルヌウィン、エクスカリバー、ホヴズ、サクノス、ティルヴィングの入植に振り向けられました。

 -292年、ゾダーン商人がグラムを訪れて交流が始まりましたが、決して密なものではありませんでした。ゾダーン領との距離の問題もありましたが、交流の加速によってゾダーン文化に自分たちが圧倒されるのではないかとグラム側が恐れたのもあります。
 -265年にはマイアのダリアン人探査船がティソーンを訪れています。この当時、グラムの人口は60万人、初期4植民地は20万人ずつ、6つの新植民地は計40万人(その多くはサクノス)になっていました。しかしマイアの人口はソード・ワールズ全体よりも多く、ゾダーン人と同様にダリアン人にも彼らは警戒心を抱いて交流はほとんど行われませんでした。とはいえ近隣星域に恒星間国家が存在するという事実は、彼らに軍備拡張を急がせました。

 -265年から-232年にかけてグラムの経済は、政府の中央統制に対して自由化を求めた政治運動によって混乱していました。新植民地は建設されませんでしたが、グラムからより住みやすい他星系への人口流出は続きました。特に経済成長著しかったサクノスへは多く移り住み、-232年にサクノス初の恒星間宇宙船が進宙した時には、ソード・ワールズ総人口240万人に対してグラムは80万人、サクノスは50万人となっていました。
 それから30年間、新たな植民地化の波が起こりました。ナルシル、アンドゥリル、オルクリスト、スティング、バイター、ビーターはこの頃にサクノスから入植され、グラムと違って伝承や神話ではなくテラの(そしてソード・ワールズの)人気古典作品の中から名付けられています。一方で-200年から-186年にかけては、モーグレイ(現グングニル)、オートクレール(現ミョルニル)、イセンファン(現マーガシー/ヴィリス星域)がグラムから入植されています。

 -187年にはサクノスの経済力はグラムを凌駕し、星域内の一大勢力に押し上げられていました。そして2年間の紛争の末にサクノスはグラムを破り、ソード・ワールズ初の恒星間政府「サクノス統治領(Sacnoth Dominate)」を建国しました。-164年にはダリアンと国交を樹立しましたが、孤立政策は変わらず、交易も深まりませんでした。
 -149年からは約10パーセク圏内の周辺星域に探査隊が送り込まれ、入植地や前哨基地がボウマン、カリバーン、ダインスレイヴ(現サウルス/ヴィリス星域)、ドラグヴァンデル(現テナルフィ/ルーニオン星域)、エリクセン(現タルスス/268地域星域)、ホディング(現ドーンワールド/268地域星域)、イグリイム(現スチール)、リューシン(現アスガルド/ヴィリス星域)、スコフニュング(現ガン)、タヌース(現ガーダ=ヴィリス/ヴィリス星域)に築かれました。


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 しかし-104年、サクノスとグラムの緊張は「ティルヴィング事件」(※両国の艦艇がティルヴィング軌道上で衝突した事件)をきっかけに「最初の革命戦争(War of the First Rebellion)」に発展し、最終的にエクスカリバーの戦いでグラムに敗れたサクノス統治領は-102年に崩壊しました。統治領はグラム連合(Gram Confederation)、サクノス連邦(Sacnoth Confederacy)、ホヴズ会議(Hufud Assembly)に分かれましたが、それぞれ交戦と停戦の繰り返しは収まることなく、-88年には3国とも恒星間国家としての体は失われていました。
 その後の時代は、後に北欧神話になぞらえて「大いなる冬(Fimbulwinter)」と呼ばれる停滞期となりました。ソード・ワールズの各世界は内戦で造船能力を失い、丁重に保存された数少ない宇宙船による接触を除いて星間交流は途絶えました。星域外の前哨基地や入植地の多くは放棄されるか、滅びました。

 -11年になると、グラムは宇宙船建造能力を回復しました。他星系もほぼ同時期に宇宙に復帰すると、それから数十年間のソード・ワールズ星域は、グラム同盟(Gram Alliance)、サクノス自治領(Sacnoth Dominion)、ナルシル=アンドゥリル二重君主国(Double Monarchy of Narsil and Anduril)、ティソーン連盟(Tizonian League)、トレイリング会議(Trailing Assembly)による「五国時代(The Five States)」に入りました。そしてこの頃、ソード・ワールズの総人口は2億人に達しています。
 53年、帝国偵察局の偵察艦「赤毛のエイリーク(Erik the Red)」がソード・ワールズと接触し、五国は巨大国家の存在を知ります。当時の帝国国境はソード・ワールズから遠かったので両者にとってあまり良い貿易相手ではありませんでしたが、やがてデネブ宙域への帝国の影響力が増すと貿易は拡大し、73年には帝国の巨大企業シャルーシッド社がバイターまで定期交易路を確立します。この影響は、贅沢品輸出でディルヌウィンがトレイリング会議の主導権を握り、コラーダがティソーン連盟の長になるほどでした。
 グラムとサクノスの緊張関係は、98年に実際に開戦するまで昔のままでした。5年間に及んだグラム=サクノス戦争の末に両者が疲弊したのを見て、周辺の三小国は二大国の打倒を企てました。アンドゥリル星系のエルダー島に三国の首脳は密かに集い、星域を自分たちで三分することで合意しました。更にグラムやサクノスで多数の叛徒集団を影から支援し、それぞれが独立国を築くよう扇動しました。
 104年には「旧大国」は双方とも完全に小国分裂状態となり、それを見るや三国は平和維持の名目で介入を行いました。締結されたマグヌスタッド条約(Treaty of Magnusstad)により、三国統治(Triple Dominion)の成立と、グラムやサクノスに誕生した数々の中小国の「独立」が保証されました。とはいえ中小国に軍艦を保有する権利は与えられず、三国に星系防衛を委ねる形となりました。
 新三大国は他国よりも上に立とう(もしくは他国を蹴落とそう)とお互いに出し抜き合ってはいましたが、それでも旧二大国を決して蘇らせてはならないという思いでは一致していました。彼らはそれぞれグラムやサクノスの別勢力を支援し、冷戦状態を維持することに神経を注いでいました。

 142年に帝国の外交使節団はディルヌウィンとアンドゥリルとコラーダ(※いずれも三国の当時の最大勢力です)を訪問し、ダリアン方面にも向かいました。147年には正式な外交関係に発展し、その3星系に帝国の大使館が置かれています(ダリアンとも翌年に国交を樹立しています)。
 212年、コラーダで熾烈な内戦が発生しましたが、ディルヌウィンと二重君主国は異なる側を支援したので合同軍による介入もできなくなりました。4年後には内戦は核戦争に発展し、惑星は荒廃しました。内戦前のコラーダは人口約1億の、ソード・ワールズ星域で最も重要な世界でしたが、たった一晩で推定人口100万人未満の第4勢力にまで落ちぶれてしまいました。ディルヌウィンと二重君主国は、コラーダの残された資産の分割で対立を深め、217年には星域は再び分裂状態に陥りました。その際、スティングはバイターやスチールと共にトレイリング会議から離脱しています。
 マグヌスタッド体制の崩壊は同時に、条約に縛られていたグラムやサクノスの再軍備を可能としました。この時、グラムの4国とサクノスの6国が軍艦の建造を開始しています。

 217年から604年までは「泡沫諸国時代(Squabbling States Era)」と呼ばれています。この400年間のソード・ワールズ星域は、小国が誕生しては拡大し、他国と衝突しては併合と分裂と滅亡を繰り返していました。
 コラーダの核戦争後、コラーダ海軍は工業力の低下から維持ができずに解散の危機にありました。そこでスヴェン・ダンヤルソン大提督(Grand Admiral Svein Danjalsson)は、ある腹案を実行に移しました。彼はティソーンに艦隊を移動させて政権を奪い、その領土を自分のものとしたのです。しかし100年もの間後進世界であったティソーンは、災い転じてこの簒奪によって主要国に返り咲いたのです。
 後の世に「スヴェン大帝(Svein the Great)」として知られる彼は、配下の艦隊を他のソード・ワールズ世界への征服ではなく、荒廃した星域内でティソーンの通商路を確保するために用いました。217年にはティソーンの鉱石と他星系の商品との交易が始まり、その20年後には、ティソーン商船は他のソード・ワールズ国家と流通量で肩を並べていました。
 この平和政策は、スヴェン1世の孫娘であるエストリド(Estrid)が281年に38歳で事故死するまで続けられました。18歳で彼女の後を継いだダンヤル2世(Danjal II)は、一転して拡張政策に打って出ます。コラーダ、フルンティング、イセンファン、クーノニックを支配下に置くと、彼は皇帝に即位して「ティソーン帝国(Tizon Empire)」が誕生しました。285年にはモーグレイを攻撃して翌年征服し、オートクレールも287年にそれに続きました。
 しかし、周辺星系が288年に防衛同盟として「王国連合(United Jarldoms)」を結成したため、帝国の拡大は停止しました。以後帝国は、征服した星の内政に力を注ぐことになります。

 グラムもサクノスも、過去の栄光を忘れたわけではありませんでした。両世界では統一の機運が盛り上がり、364年にはサクノス諸国連邦(Federated States of Sacnoth)が結成され、それを見たグラムでも371年にグラム共和国(Gram Republic)が建国されました。しかし両国は恒星間利権をめぐってすぐに衝突し、388年の王国連合解散のきっかけとなってしまいました。
 391年、ティソーン帝国はジョワユーズに侵攻して実効支配を目論みましたが、帝国の予想よりも早くグラム共和国がティソーンに宣戦布告すると(※当時グラムはジョワユーズを保護領としていました)、オートクレールとコラーダを攻略し、ジョワユーズに救援艦隊を送りました。結局3年後にティソーンはグラムに講和を申し入れ、その条件としてコラーダ、オートクレール、ジョワユーズはグラム共和国領とされました。そして、弱体化したティソーン帝国からはモーグレイが離脱し、グラムの属領となりました。

 400年代に入ると、ソード・ワールズ世界では北欧神話の現代版である「アース信仰(Aesirism)」が爆発的に広まりました。これは特にティソーン帝国で皇帝崇拝(※ティソーン帝国では皇帝を半神として崇めさせていました)への反発と信者の政治的団結を引き起こし、弾圧によってかえって信者を増やしていきました。468年にはフルンティング、イセンファン、オートクレール、モーグレイの4星系で相次いで革命が発生し、それぞれミスティルテイン、グリダヴォル、ミョルニル、グングニルといった「剣ではない」名前に改称されました。
 4星系の市民はアース信仰に人生を捧げ、「アース同盟(Aesir Alliance)」を結成して100年間ティソーン帝国に抵抗し続けました。しかし575年にはフルンティングが陥落し、続く3年で他の3星系も征服されました。ティソーン帝国は星系名を元に戻し、20年をかけて領土の再統合を試みましたが、フルンティングとイセンファンではうまくいったものの、オートクレールとモーグレイでは抵抗が続きました。
 後に、604年にティソーン帝国が滅ぶとアース信仰は旧同盟の星系で蘇りましたが、ティソーン皇帝という明確な敵を失ったアース信仰はかつてのようには盛り上がりませんでした。しかしその精神はソード・ワールズ中に広まっていきました。

 さて、383年にホヴズはスティングを征服して(同時に国号を「ホヴズ王国(Kingdom of Hofud)」と改め)、マリアンヌ女王(Hertugin Marianne)(※Hertugin(男性:Hertug)は直訳すると公爵となる貴族の地位ですが、ソード・ワールズでは国王と同等に扱われます)はバイターに逃げ延びて亡命政府を樹立しました。419年にホヴズはバイターにも進出し、それからバイターでは20年にも及ぶ激しいゲリラ戦が展開されました。
 ホヴズは435年に「根本的な解決」を目指し、バイター住民に銃を突き付けて集めてはホヴズ領内の星々に強制移住させました。この後判明したことですが、正確な移住人数がわからないのをいいことに、密かに移住船ごと虐殺すらもしていました。からくも移住を逃れた人々は荒野に潜みました。
 2年後、バイターの過激派はホヴズのヨハン2世の長男であるヤール・ビルイェル(Jarl Birger)を暗殺しました。ヨハン2世は報復として、叛徒が潜んでいると思われる大森林を生物兵器で攻撃するよう命じました。それから1年半に渡って数千トンの生物化学兵器がバイターで使用され、生態系の破壊によって多くの命が奪われました。
 「塩撒き(Saltsaar)」と呼ばれたこの蛮行は周辺国の怒りを買い、サクノスとグラムの黙認(ソード・ワールズ史で両星が同じ側に立った稀有な例です)の下でディルヌウィン盟約(Dyrnwyn Compact)がホヴズを制圧しました。これによりグラムはビーターを、ディルヌウィンはホヴズ、スティング、バイターを得ました。バイターの生存者はスチールに移住して独立し、他のメタル・ワールズの領有権を主張しました。

 バイターで起きた残虐行為は、ソード・ワールズ諸国の政治的統合を目指す政治運動を生み出しました。444年、レオナード・トーステンソン(Leonard Torstensson)は著書『同族(Fraender)』において、全てのソード・ワールズ星系は相互防衛のための「連合」の枠組み内でそれぞれ独立すべき、との考えを記しました。すぐに連合主義政党(Confederalist)が星域内各地で設立されましたが、それが実を結ぶのはもっと先になります。

 470年、第三帝国はヴィリス(※270年にモーグレイから入植されるも、286年のティソーン帝国によるモーグレイ征服を機に統治者の名を取って改称独立)、ガーダ=ヴィリス(※290年にヴィリスから再入植)を含めた星々を「アーデン伯爵領(現ヴィリス星域)」として保護領化し、576年には正式に編入しました。この星域を自国領と考えていたソード・ワールズ人はこの措置に怒り、ゾダーン主導の外世界同盟(Outworld Coalition)に加わる理由の一つとなりました。

 589年に開戦した第一次辺境戦争(First Frontier War)をソード・ワールズ人は、第三帝国に占拠された「失われた領土(Vilse Markniren)」を奪い返す絶好の機会と捉えていました。しかし現実には各国政府の足並みが揃わず、その機会をみすみす見逃しているようにも見えました。当時のソード・ワールズは、二重君主国、ディルヌウィン盟約、グラム共和国、サクノス(※532年に統一政府が誕生したので「連邦」が外されました)、スティング王国(Kingdom of Sting)、ティソーン帝国によって分けられていたのです。
 592年、5つの海軍(※サクノスと二重君主国は合同軍のため)はこの問題を話し合い、「連合」軍事政権で第三帝国に相対することにしました。各国政府は解体せずに連合海軍がその上に立つ形を採ったものの、結局彼らに第三帝国を攻める度胸はありませんでした。代わりにアントロープ星団(Entropic Worlds)の内戦を口実に占拠をしたものの、そのことが中立だったダリアン連合を第三帝国との同盟に走らせました。帝国=ダリアン同盟は両面からソード・ワールズに圧力をかけ、帝国が多くの軍艦を戦線に割くことなくソード・ワールズに二正面作戦を強いました。
 戦争は長引き、ようやく604年に全ての交戦勢力は講和に同意しました。ダリアンすら失った世界の奪還を諦めるほど、各国は疲弊していました。

 ところで、585年にアスランのイハテイ(第二の息子)艦隊がダリアンを訪れたのは有名な話ですが、その前年に彼らがナルシルを先に訪れていたことはあまり知られていません。しかし二重君主国を構成するナルシルには余った土地がなく、アンドゥリルは新たな政治派閥が誕生することを嫌い、そして何よりもソード・ワールズ人とアスラン双方の強すぎる自尊心が相互理解を阻みました。
 かくしてアスランはナルシルを去りましたが、この時彼らを受け入れていれば、その後の歴史は全く違うものになっていたでしょう。

 戦後、連合海軍の軍事政権は現在の六国連合体制から「個々の独立星系の上に単一の連合国家」の体制に移行させることを決め、「第二統治領(Second Dominate)」を建国させました。これはかつてのサクノス統治領の継承国として統一の正当性を主張するためですが、グラム、ナルシル、サクノスが拒否権を持つ政治機構はかなり不安定でした。加えて、ティソーン海軍は合流を拒んでティソーン帝国を支えることにしました。
 他の4海軍はそれを鎮圧するために即座に動きました。物量で劣っていたティソーン帝国でしたが、しぶとく戦いを続けて降伏まで3年を要しました。旧ティソーン帝国領のうち、オートクレールやモーグレイは彼らが望むようにミョルニルとグングニルと名を変えて自由を謳歌しました。

 615年、第二統治領は再編された外世界同盟に加わり、内戦中の第三帝国からヴィリス星域を奪い返そうとしました。第二次辺境戦争開戦直後はそれはうまくいっていましたが、第三帝国のアルベラトラ・アルカリコイ大提督がゾダーン戦線を膠着状態に持ち込むと、彼女の部下のツァイコフ提督(Admiral Zaitkov)はソード・ワールズ戦線で一方的に統治領軍を攻め立てました。620年には何と11星系が陥落しています(右図参照)。この時点でアルベラトラ大提督はゾダーンと講和し、そのまま帝国中央に向かうと内戦を終結させました。
 こうしてソード・ワールズの大敗で第二次辺境戦争は終わりましたが、ナルシル艦隊の司令官デニソフ提督(Admiral Denisov)は最後まで投降を拒否し、ボウマン星系の秘密基地を根拠地にして戦後も7年間戦い続けました。彼のしたことはつまりは組織化された海賊行為にすぎませんが、彼の誇り高き不屈の物語は今もソード・ワールズ海軍で伝統的に(美化されて)語り継がれています。
 一方で第三帝国は、頑ななソード・ワールズに対してアントロープ星団の返還を認めさせることができませんでした。最終的に625年に国境線は戦前に戻されて戦後処理はようやく終わりました。帝国による占領は、単に反帝国感情を増幅しただけでした。

 600年代後半になると第二統治領は中央集権化を強め、サクノス政府は統治領の傀儡と化しました。698年、統治領政府が提出した世界間貿易綱領に対してグラム・ナルシルが共同で拒否権を発動したものの無視されたため、グラムはアンドゥリル、コラーダ、デュランダル、ジョワユーズ、ナルシル、ティソーン、ティルヴィングと共に「第二の革命戦争(War of the Second Rebellion)」で統治領を打倒し、グラム共同体(Gram Coalition)を建国しました。
 しかしそれも788年までで、ダリアン連合が単独奇襲でアントロープ星団を奪還したことで権威は失墜しました。政権崩壊後はナルシル、サクノス、デュランダルによる「三極同盟(Trilateral Alliance)」が代わって台頭しましたが、星団の再奪還どころか、共同歩調すら取れない政治運営がなされました。
 相互不信から三極同盟は848年に解消され、しばらくは2~3星系規模の小国家が乱立しました。また、849年にはイセンファンが第三帝国の属領となるべく請願を行い、いわゆるソード・ワールズからとうとう離れました。

 852年、グラムが影響力を再び拡大して周辺星系をまとめあげ、現在に至る「ソード・ワールズ連合(Sword Worlds Confederation)」を建国しましたが、この裏には資金面などでゾダーンの関与があったと噂されています。反グラム感情を和らげるために首都はジョワユーズに置かれました。
 ようやく誕生した連合でしたが、978年に中央政府が加盟世界の内政に過度に干渉したことから分裂危機を迎えます。サクノスがティルヴィング、ビーター、ディルヌウィン、デュランダル、ホヴズと共に連合離脱の構えを見せ(※『Spinward Marches Campaign』掲載の図では国境線が引かれているので、事実上分裂状態だったのかもしれません)、グラムやナルシルといった政権中枢星系ですら大衆運動は3年間続きました。最終的に、連合加盟星系の自治権を大幅に強化するように連合憲章を改正することで落ち着きを取り戻しました。ちなみにこの時一方では、議会や官庁のための新都市建設を名目にして連合首都がグラムに遷されています。
 この「憲章危機(The Constitutional Crisis)」によってソード・ワールズ連合は第三次辺境戦争に参戦できませんでしたが、983年にはイセンファン政府に対して連合への加盟を打診し、再併合しています。

 900年代の終わり頃、グラム、ナルシル、サクノスの三大工業星系では労働者の不満が限界点を超えていました。上流階級の様々な醜聞が次々と明らかになり、連合全体の中産階級で改革の機運が盛り上がったのです。この時の民衆の拠り所はアース信仰に影響された「復古主義」でした。入植初期の(美化された)グラムどころか、古代テラの「ヴァイキング時代」にまでも社会規範の手本が求められ、社会進出していた女性たちは再び「女の仕事」に押し込められていきました。

 1082年に勃発した第四次辺境戦争では、連合加盟星系は連合軍の形でまとまり、アントロープ星団を奪い返しました。ダリアン連合も反撃してきましたが、クーノニックを占拠するのが精一杯でした。帝国はこの戦争でイセンファンを占領し、1087年に現在のマーガシーと改称して正式に併合しました。
 1098年にはジョワユーズの諸国の対立から星系政府が崩壊し、内戦に突入しました。連合政府は外部からの干渉を防ぐために世界を封鎖し、1105年現在も戦いは終わる気配を見せません。

 ソード・ワールズ連合は外世界同盟の一員として、来るべき「第五次辺境戦争」に備えて艦隊の再編を急いでいます。ナルシル艦隊、ジョワユーズ艦隊、グラム艦隊、サクノス艦隊の4艦隊が実際に砲火を交えた時、それは連合の破滅となるのでしょうか、それとも栄光の未来の入口となるのでしょうか……?


【付録】 文中の「剣」について
●歴史・神話伝承由来の剣
0921 フルンティング(Hrunting):古代イングランドの叙事詩『ベオウルフ』に登場する剣。
0922 ティソーン(Tizon):11世紀後半のレコンキスタで活躍したカスティーリャ王国の貴族エル・シドが使った剣。「ティソーナ(Tizona)」とも。
1020 イセンファン (Isenfang):伝承上のヴァイキングの剣(らしい)。読み方は間違っている可能性あり。
1022 コラーダ(Colada):エル・シドが用いたとされる剣。
1121 オートクレール(Haulteclere):シャルルマーニュの家臣として有名なオリヴィエが持つ剣の名。
1123 ジョワユーズ(Joyeuse):中世フランスのシャルルマーニュが所持していたとされる剣。
1217 アロンダイト(Aroundight):円卓の騎士ランスロットの剣、とされているが出典は定かではない。
1221 モーグレイ(Morglay):イギリス伝承のサー・ベヴィスの剣。
1223 グラム(Gram):北欧神話ニーベルンゲン伝説における英雄ジークフリートの愛剣。
1225 エクスカリバー(Excalibur):アーサー王伝説のアーサー王が持つとされる剣。
1320 ダインスレイヴ(Dainslaf):一度鞘から抜かれると生き血を吸うまで納まらないと言われた魔剣。
1324 ティルヴィング(Tyrfing):北欧の古エッダやサガに登場する魔剣。
1325 ベリサルダ(Balisarda):シャルルマーニュ十二勇士の一人、ロジョロの持つ名剣。
1329 カラドボルグ(Caladbolg):ケルト神話のアルスター伝説に登場する剣。
1424 ガラティン(Galatine):円卓の騎士ガウェインの剣、と後にされた。
1429 スコフニュング(Skofnung):これで斬られると付属する治癒石以外では傷を治せないとされる剣。
1430 カリバーン(Caliburn):エクスカリバーの別名。
1519 リューシン(Lyusing):伝説上の英雄ラグナルが持っていた2本の剣の1つ…らしい。読み方は間違っている可能性あり。
1522 ディルヌウィン(Dyrnwyn):アーサー王伝説に登場するストラスクライドの王リデルフ・ハイルの愛剣。
1523 デュランダル(Durendal):フランスの叙事詩『ローランの歌』に登場する英雄ローランが持つ聖剣。
1524 ホヴズ(Hofud):北欧神話の神ヘイムダルの剣。英語読みしたものが「ホフド」。
1826 ドラグヴァンデル(Dragvandel):おそらく「ドラグヴァンディル(Dragvandil)」が正しい。古アイスランド叙事詩『エギルのサガ』に登場する剣。

●ヴィラニ伝承由来の剣
1118 タヌース(Tanoose):英雄マシュディイケ(Mashdiikhe)が悪魔を打ち払った魔法の剣「ダヌウズ(Danuuz)」が訛ったもの。
1529 イグリイム(Igliim):伝説的英雄「守り手ダアルウシンナギ(Daaluusinnagi the Defender)」が持っていた剣の名。そもそもイグリイム自体が「鋼鉄」という意味。
2035 アキ(Aki):戦士王ゴロシュ(Golosh)が持つ剣の名。

●創作作品由来の剣(サクノス系入植地)
0927 ナルシル(Narsil):『指輪物語』のドゥーネダインの上級王エレンディルの剣。
1026 アンドゥリル(Anduril):ナルシルが鍛え直されたもの。
1126 オルクリスト(Orcrist):『ホビットの冒険』に登場する、ドワーフ族の王トーリン・オーケンシールドの剣。
1325 サクノス(Sacnoth):ロード・ダンセイニの小説『サクノスを除いては破るあたわざる堅砦』に登場する魔剣。
(※初期探査の際に探査隊がサクノスと命名したものの、歴史や神話上の剣から取る命名規則に反していたのでグラムで物議を醸し、ベリサルダと改名されました。しかし後に入植地がグラムに肩を並べる存在となると、公然とサクノスを名乗るようになりました。サクノスから入植された星系が全て創作作品由来なのも、グラムへの当て付けの意味合いがあります)
1424 ビーター(Beater):『指輪物語』に登場するグラムドリングのこと。オーク語では「なぐり丸」。
1525 スティング(Sting):『ホビットの冒険』『指輪物語』に登場する剣。「つらぬき丸」とも。
1526 バイター(Biter):オルクリストの別名。「かみつき丸」とも。

●剣ではないもの(アース信仰の星系)
0921 ミスティルテイン(Misteltein):バルドル神を死に至らしめたヤドリギのこと。ただし、『フロームンド・グリプスソンのサガ』では同名の剣が登場する。
1020 グリダヴォル(Gridarvol):トールが女巨人グリーズから借りた杖。
1121 ミョルニル(Mjolnir):北欧神話のトール神が持つ鎚。
1221 グングニル(Gungnir):北欧神話の主神オーディンが持つ槍。

●その他
シグルズ(Sigurd):シグムンドの息子。父の形見(※物語によっては妖精から直接与えられる)の剣「グラム」を振るう。
シグムンド(Sigmund):北欧神話に登場する英雄。グラム星系で彼が伴星となったのは、おそらく彼が持っていた時点では剣に「グラム」と名付けられていなかったからか?
ギンヌンガガプ(Ginnungagap):北欧神話で、世界創造の前に存在していた空虚な裂け目のこと。

●不明
1119 スヴァヴァソルム(Svavasorm)
1531 ホディング(Hoding)

 ここに記載がないものは、鉱物かおそらく人名です。


【参考文献】
GURPS Traveller: Sword Worlds (Steve Jackson Games)
Sword Worlds (Mongoose Publishing)
Sign & Portents #80 (Mongoose Publishing)
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