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(ラグナロク・オンライン)BOT撲滅運動の結末?

2005-12-07 20:59:47 | 雑記
 ラグナロク・オンライン(販売元 ガンホー社)というオンラインゲームでは、BOTと呼ばれる不正ツール(自動操作ツール、法的な違反ではなく、あくまでゲーム内の規約違反)を使うユーザーが、体感で、50%近くにのぼる。もちろん、実数値はメーカー側から公表されていないため。ユーザー側としては、まったくどのくらいの人数が使っているのは把握できない。あくまで、想像でしかない。

 もちろん、販売元もこの状態を把握しているため、これまでに、いろいろな対策を行ってきた。しかし、ハッカー並の能力を有したBOTツール開発者の前に、その対策はいつも破られ、現在では為す術がない状態である。

 その状態に業を煮やしたユーザーが起こした運動が。「BOT撲滅運動」である。この運動は 行政独立法人 国民生活センター という第3者機関に訴えることにより、販売元にさらなるBOT対策を求めようというものである。一時期はNHK総合(ニュース)で取り上げられるなど。オンラインゲーム史上、稀な盛り上がりを見せた。運動はまだ、継続中であるが、本日、国民生活センターより報道発表がなされた。

 報道発表資料はこちら

 いくつかの事例が出され、問題点が指摘されているが、重要な点は次のところだ

「オンラインゲームを対象とする業法がないため、指導・監督する権限を持つ省庁がないこと、事業者団体のガイドライン等がないことも、運営業者の消費者対応体制の整備を遅らせる一因となっている。」(発表資料より)

 現状では不正ツールは、法的には違法ではないわけで、まったく、取り締まれない。(業務妨害な気もするが…) そして、ゲーム会社に対しても、指導を行える行政機関も存在しないわけである。設計偽装問題に例えて言うなら、その根拠となる建築基準法がなく、国交省も存在しないという。「問題」にすら、出来ない状態である。ましてや、損害額は少ないため、訴訟を起こす人間もいないと思われるが。

 結局のところ、国民生活センターが次のように注意しているように、ゲームを契約する前に自主判断して、サービスの選択をするという自己防衛手段しかないのだろう。

「具体的には、利用者はオンラインゲームの利用契約をする前に、
 ①ゲームの運営状況を確認すること
 ②運営業者のホームページのお知らせ等で、不正利用者の管理状況や接続障害の状況等の情報を収集すること
 ③利用規約をよく読み、接続障害が発生したときやアカウント停止にされたときの取り決めはどのようになっているのか、特に注意して確認すること等が大切である。
 ④実際の利用者の声を確かめてみるのもよい。
 契約後、運営業者の運営管理が不十分であると感じても、継続性が高いゲームで、なかなか止められないという傾向があるため、慎重に判断すること」(
発表資料より)

 そして、現在、サービスを受けているものは契約更新時に自己判断により、そのサービスが対価に見合っているかどうか、考える必要がある。しかしながら、未成年者の利用が多いゲームという商品で、その判断をすべて消費者にのみに任せ、いわば、責任が選んだ消費者にあるというのは少し疑問を持たざるをえない。


「オンラインゲームの運営には問題点も多い」 -国民生活センターが注意を促す
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