どんどんしまちゃう……じゃなくて更新していきますね。
この話に関しましては、キャラ安定に自信なし。
ここから~~
時期は交流戦も終わり、夏が本格的に近づいてきた頃――。
私がココに来てから既に四か月以上が経っていた。
スコアラーの仕事?
毎日やってますよ。
まあ、これ以前のごたごた話は……また気が向いたときに話をさせてもらおう……。いろいろあったし、思い出すのも億劫だしな。
さて、今回の話はこんな話だ。
――悪いことは必ずバレ、天から罰が与えられると言う。
いきなり、何を言い出すかわからない?
今日はその罰が与えられた、記念すべき日なのだ。ハハハ……。
ここは沈黙が続く店内。
心の中でその罪を悔いることはあっても、私は正面にいる少女には決してその罪を告白しない。
なぜ?
吐いたらヤられるからさ……。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
ここは喫茶店。罪を犯した場所であり、罪を告白させられる場所にもなった。
ただ、その少女の格好は喫茶店にも取調室にも似合わないのだが、その発言は飲み込んだ。とりあえず、刺激しない方がいい。
私とテーブルを挟んで正面にいる少女は決して目線を交わさない。
「どういうこと?」
少女の声はドスが聞いている。
即興の取調室にもなったこの喫茶店の一角、私の目の前にはコーヒーがあったのだが、それが減る傾向は一切ない。なんでも、被疑者に飲み物を与えると、言おうとしたことまで飲み込んでしまうからだそうだ。どこから知った情報だ、それは。
取り上げられたコーヒーは私の手の届かないところに置かれ、既に湯気が消えている。ああ、冷めてしまったな。もったいない。
私は現実逃避に今日の出来事を振り返ってみた。
今日は試合の無い日、私は霊夢さんに呼ばれた。
ゆっくり休もうと思っていたが、前日にアポを入れられ、ぐうたら過ごす計画は崩壊した。
まあ、コーチからの頼みだし、何か戦略的なお話かもしれない。
そんな予想を立てながら、私は博麗神社の石段を登っていた。
私の姿を認め、「遅いわよ。あっちに素敵な賽銭箱があるから先に……」と適当な挨拶をしてきたので、「賽銭お断りします」と返しておいた。
「連れないわね」
お金関してはシビアなのでね。
「で、用件と言うのは?」
「ん?相談事よ。ここだと、色々湧いて来るし、聞かれたくないから別の場所で」
「……わかりました。」
とりあえず、相談事らしく、私たちは人里のある喫茶店に入ることにした。
「ここは初めて?」
霊夢さんは私に訊ねた。
「ええ。なかなかこういう機会もなかったですしね」
嘘だ。来たことがある。しかも、彼女には知られたくない理由で……。
「ふうん」
ちょうど、店員が注文に来た。
「コーヒーでいいわよね?」
急に私にふって来た。
「ええ」
いきなりだったので、返答の声がびびっている。
「じゃあ、コーヒー1つで」
店員が下がっていく。
「霊夢さんは何か頼まないんですか?」
「まだ、誰だかわからないけれど、コーヒー代の請求書が来たじゃない。あれがまだ尾を引いているのよ」
グサッ!グサグサッ!!
何かやな予感がする。というか、もう私は罠に嵌ったかもしれない。
だって、お代の請求先とそれを請求した場所で相談事なんて、どう考えても……。
「ほら、コーヒーが来たわよ」
私の思考が停止される。
コーヒーが置かれると、店員が「ああ、先日はどうも」などと私に会釈してきた。
ギクりとしながらも「……どうも」と返す。
「あら、この店は初めてだったんじゃないかしら」
自分でも表情が険しくなるのがわかった。
すると、何を思ったか「この人、店に来たことあんの?」とか店員に聞きやがった。
聞かなくていいよ、とは言えずに黙っていると、そっと店員が私にアイコンタクトをしてきた。
(しゃべってしまってもいいですか?)
(ダメダメ!)
私は小刻みに顔を横に振り、拒否の姿勢を見せた。
「…………」
すると、テーブルを挟んだところにいる巫女さんが私に対して、無言の圧力をかける。そして、一言。
「別にいいわよ。聞きだす方法はいくらでもあるから」
ニコっというよりはニヤリという表現の方が似合う表情だ。
「実はですね。あのお客様は……」
店員、弱っ!
終わったな。
その後、この店の請求書が私に見せられ、店員は全てを語ってしまいました。
覚えられていましたよ。あんなにコーヒーのおかわりを注文し、請求書は、かの「博麗神社」だものな、そりゃ誰でも覚えているわ。ハハハハ
そして、一言。
「あんただったのね、請求書にあったコーヒーを飲んだのは」
で、冒頭に至るわけだ。
きつい。そして戦況は既に詰んでおり、私の投了待ちの状態だ。
打開策……なんてあるわけない。
すぐに観念した。
「すいません。私がやりました。それ相応の罰は受けます」
頭を下げながら、私は自白した。
「やっぱり、私の勘は冴えまくりね」
ニコっと笑う巫女さん。
今日一番の笑顔であるが、おまいは誇れる程のことを何もやっていない。
「本当に疲れたわ」
すぐにぐだっとする巫女さん。
「こうやってさ、いつもの異変解決みたいに誰かを問い詰めたり、ボコればいいってわけじゃないのが、この異変の難点よね」
それ以前の異変に関わったことが無いので、いまいち私にはピンと来ない。
「霊夢さん、なんでも言って下さい。神社の掃除でも、営業でもやりますから」
彼女はその言葉を待っていたようだった。
「ん、そうね。あんたのデータにはチームの皆がお世話になっているし、お茶とかコーヒーとかの趣向品を飲みたい気持ちもわかるわ。私も試合中、飲んではいるしね。でもね、勝手に人の金で飲むとなれば、お仕置きしておく必要があるわね」
迫り来る魔の手。
イ``ェェェェェェェェェェアアアアアア
数分後……。
満足顔を見せる巫女さんとゼロ距離で床にあるホコリと見つめ合っている男という図が出来上がった。
「あとついでに、私が復活するまでのバックアップもやってもらうわよ」
「……え、え?さっきボコられて終わりじゃ」
「……」
そんなもんだけで済ますつもりですか、と言わんばかりに形相だ。
非常に威圧的である。うわ巫女さん怖い。
「ではバックアップというのは?」
私はあきらめて、仕事がどういったものか確認することにした。
「それはスコアラーに任せるわ。ようは私が復活できれば何でもいいのよ」
少しいい加減だ。そういえば、試合中も何かにつけ巫女の勘とか言っていたよな。
そういう態度が投球にも響いているのでは、と心の中では言ってみる。
何にしても、また急な形で私に依頼が舞い込んだものだ。しかも、今回は拒否できそうにない。元々、断ったことなんて無いがね。
因果応報。コーヒーのただ飲みがそれなりの利子を含んで返ってきたのだ。
「できないって言うの」
返事が遅い私に耐えかねて、痺れを切らす。
「できますし、やります。というかそのお仕事、やらせて下さい。お願いします」
毎度毎度進歩のない人間だ……。結局勢いで引き受ける嵌めに。
私の場合、積極的に物事を起こす気にはなれないが、物事の方から目の色を変えて襲ってくるようだ。
もうやだ、この人生。
「うんうん、そうでなくちゃ」
霊夢さんは再び笑顔に見せた。
その笑顔が眩しくて、私は直視できなかった。
結局、私の仕事は打たれた日の配球データ及び原因とも思われる投球フォームの分析をすることになった。
ああ、またコーヒーの消費量が増える日々が続くお。
ここまで~~
霊夢編です。
キャラがちょっと乱暴気味ですが、主人公の因果応報なのでw
許してください。
次回:(5-2)
この話に関しましては、キャラ安定に自信なし。
ここから~~
時期は交流戦も終わり、夏が本格的に近づいてきた頃――。
私がココに来てから既に四か月以上が経っていた。
スコアラーの仕事?
毎日やってますよ。
まあ、これ以前のごたごた話は……また気が向いたときに話をさせてもらおう……。いろいろあったし、思い出すのも億劫だしな。
さて、今回の話はこんな話だ。
――悪いことは必ずバレ、天から罰が与えられると言う。
いきなり、何を言い出すかわからない?
今日はその罰が与えられた、記念すべき日なのだ。ハハハ……。
ここは沈黙が続く店内。
心の中でその罪を悔いることはあっても、私は正面にいる少女には決してその罪を告白しない。
なぜ?
吐いたらヤられるからさ……。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
ここは喫茶店。罪を犯した場所であり、罪を告白させられる場所にもなった。
ただ、その少女の格好は喫茶店にも取調室にも似合わないのだが、その発言は飲み込んだ。とりあえず、刺激しない方がいい。
私とテーブルを挟んで正面にいる少女は決して目線を交わさない。
「どういうこと?」
少女の声はドスが聞いている。
即興の取調室にもなったこの喫茶店の一角、私の目の前にはコーヒーがあったのだが、それが減る傾向は一切ない。なんでも、被疑者に飲み物を与えると、言おうとしたことまで飲み込んでしまうからだそうだ。どこから知った情報だ、それは。
取り上げられたコーヒーは私の手の届かないところに置かれ、既に湯気が消えている。ああ、冷めてしまったな。もったいない。
私は現実逃避に今日の出来事を振り返ってみた。
今日は試合の無い日、私は霊夢さんに呼ばれた。
ゆっくり休もうと思っていたが、前日にアポを入れられ、ぐうたら過ごす計画は崩壊した。
まあ、コーチからの頼みだし、何か戦略的なお話かもしれない。
そんな予想を立てながら、私は博麗神社の石段を登っていた。
私の姿を認め、「遅いわよ。あっちに素敵な賽銭箱があるから先に……」と適当な挨拶をしてきたので、「賽銭お断りします」と返しておいた。
「連れないわね」
お金関してはシビアなのでね。
「で、用件と言うのは?」
「ん?相談事よ。ここだと、色々湧いて来るし、聞かれたくないから別の場所で」
「……わかりました。」
とりあえず、相談事らしく、私たちは人里のある喫茶店に入ることにした。
「ここは初めて?」
霊夢さんは私に訊ねた。
「ええ。なかなかこういう機会もなかったですしね」
嘘だ。来たことがある。しかも、彼女には知られたくない理由で……。
「ふうん」
ちょうど、店員が注文に来た。
「コーヒーでいいわよね?」
急に私にふって来た。
「ええ」
いきなりだったので、返答の声がびびっている。
「じゃあ、コーヒー1つで」
店員が下がっていく。
「霊夢さんは何か頼まないんですか?」
「まだ、誰だかわからないけれど、コーヒー代の請求書が来たじゃない。あれがまだ尾を引いているのよ」
グサッ!グサグサッ!!
何かやな予感がする。というか、もう私は罠に嵌ったかもしれない。
だって、お代の請求先とそれを請求した場所で相談事なんて、どう考えても……。
「ほら、コーヒーが来たわよ」
私の思考が停止される。
コーヒーが置かれると、店員が「ああ、先日はどうも」などと私に会釈してきた。
ギクりとしながらも「……どうも」と返す。
「あら、この店は初めてだったんじゃないかしら」
自分でも表情が険しくなるのがわかった。
すると、何を思ったか「この人、店に来たことあんの?」とか店員に聞きやがった。
聞かなくていいよ、とは言えずに黙っていると、そっと店員が私にアイコンタクトをしてきた。
(しゃべってしまってもいいですか?)
(ダメダメ!)
私は小刻みに顔を横に振り、拒否の姿勢を見せた。
「…………」
すると、テーブルを挟んだところにいる巫女さんが私に対して、無言の圧力をかける。そして、一言。
「別にいいわよ。聞きだす方法はいくらでもあるから」
ニコっというよりはニヤリという表現の方が似合う表情だ。
「実はですね。あのお客様は……」
店員、弱っ!
終わったな。
その後、この店の請求書が私に見せられ、店員は全てを語ってしまいました。
覚えられていましたよ。あんなにコーヒーのおかわりを注文し、請求書は、かの「博麗神社」だものな、そりゃ誰でも覚えているわ。ハハハハ
そして、一言。
「あんただったのね、請求書にあったコーヒーを飲んだのは」
で、冒頭に至るわけだ。
きつい。そして戦況は既に詰んでおり、私の投了待ちの状態だ。
打開策……なんてあるわけない。
すぐに観念した。
「すいません。私がやりました。それ相応の罰は受けます」
頭を下げながら、私は自白した。
「やっぱり、私の勘は冴えまくりね」
ニコっと笑う巫女さん。
今日一番の笑顔であるが、おまいは誇れる程のことを何もやっていない。
「本当に疲れたわ」
すぐにぐだっとする巫女さん。
「こうやってさ、いつもの異変解決みたいに誰かを問い詰めたり、ボコればいいってわけじゃないのが、この異変の難点よね」
それ以前の異変に関わったことが無いので、いまいち私にはピンと来ない。
「霊夢さん、なんでも言って下さい。神社の掃除でも、営業でもやりますから」
彼女はその言葉を待っていたようだった。
「ん、そうね。あんたのデータにはチームの皆がお世話になっているし、お茶とかコーヒーとかの趣向品を飲みたい気持ちもわかるわ。私も試合中、飲んではいるしね。でもね、勝手に人の金で飲むとなれば、お仕置きしておく必要があるわね」
迫り来る魔の手。
イ``ェェェェェェェェェェアアアアアア
数分後……。
満足顔を見せる巫女さんとゼロ距離で床にあるホコリと見つめ合っている男という図が出来上がった。
「あとついでに、私が復活するまでのバックアップもやってもらうわよ」
「……え、え?さっきボコられて終わりじゃ」
「……」
そんなもんだけで済ますつもりですか、と言わんばかりに形相だ。
非常に威圧的である。うわ巫女さん怖い。
「ではバックアップというのは?」
私はあきらめて、仕事がどういったものか確認することにした。
「それはスコアラーに任せるわ。ようは私が復活できれば何でもいいのよ」
少しいい加減だ。そういえば、試合中も何かにつけ巫女の勘とか言っていたよな。
そういう態度が投球にも響いているのでは、と心の中では言ってみる。
何にしても、また急な形で私に依頼が舞い込んだものだ。しかも、今回は拒否できそうにない。元々、断ったことなんて無いがね。
因果応報。コーヒーのただ飲みがそれなりの利子を含んで返ってきたのだ。
「できないって言うの」
返事が遅い私に耐えかねて、痺れを切らす。
「できますし、やります。というかそのお仕事、やらせて下さい。お願いします」
毎度毎度進歩のない人間だ……。結局勢いで引き受ける嵌めに。
私の場合、積極的に物事を起こす気にはなれないが、物事の方から目の色を変えて襲ってくるようだ。
もうやだ、この人生。
「うんうん、そうでなくちゃ」
霊夢さんは再び笑顔に見せた。
その笑顔が眩しくて、私は直視できなかった。
結局、私の仕事は打たれた日の配球データ及び原因とも思われる投球フォームの分析をすることになった。
ああ、またコーヒーの消費量が増える日々が続くお。
ここまで~~
霊夢編です。
キャラがちょっと乱暴気味ですが、主人公の因果応報なのでw
許してください。
次回:(5-2)
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