葛の花 亜紀子
鈴虫やほつほつ路地に灯のともり
神宮の森に霧湧く深さかな
きらめくや花より数の萩の露
彼岸花こつと青空あふぎゐる
庭づたひ小鈴ふりくる四十雀
ひとそよぎ甘き風立つ葛の花
邯鄲や草伏しをるは径らしき
うつ蟬のまこと虚ろや秋風裡
森の秋橡の一樹に始まれり
ふる里の軒に摘みしもナイアガラ
虫の音のしづかに湧きぬ野分あと
青鷺を友に葦辺の夏惜しむ
秋鴉もののあはれを知り顔の
秋蝶の日ざしにさとき雨あがり
野の千草そのおほかたの名を知らず
葛の花 亜紀子
鈴虫やほつほつ路地に灯のともり
神宮の森に霧湧く深さかな
きらめくや花より数の萩の露
彼岸花こつと青空あふぎゐる
庭づたひ小鈴ふりくる四十雀
ひとそよぎ甘き風立つ葛の花
邯鄲や草伏しをるは径らしき
うつ蟬のまこと虚ろや秋風裡
森の秋橡の一樹に始まれり
ふる里の軒に摘みしもナイアガラ
虫の音のしづかに湧きぬ野分あと
青鷺を友に葦辺の夏惜しむ
秋鴉もののあはれを知り顔の
秋蝶の日ざしにさとき雨あがり
野の千草そのおほかたの名を知らず