しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ナイトホークス」  マイクル・コリナー 

2017年04月07日 | 読書
「ナイトホークス」  マイクル・コリナー   扶桑社ミステリー    上・下巻
  THE BLACK ECHO        古沢嘉通・訳

貯水池の側にあるパイプの中で死体が発見される。
ハリウッド署のハリー・ボッシュ刑事はその人物が20年前、ヴェトナム戦争の戦友ウィリアム・メド―ズだと知る。
2人は同じトンネル工作兵だった。
薬物過剰摂取と見られたが、ボッシュは不審な点があるとして、司法解剖を急がせる。
メドーズのアパートは鍵が開いていて、何者かに物色された痕跡を見つける。
ボッシュはそこで質札を見つけ、質屋を訪ねる。
質屋はその日、泥棒に入られメドーズが預けたブレスレットも盗まれていた。
そのブレスレットは9か月間に起きた銀行強盗で貸金庫から盗まれた物のひとつだった。
強盗はトンネルを掘って侵入していた。

ハリー・ボシュシリーズ第1弾。








1匹狼のボッシュ。
ボッシュのヴェトナム戦争時代の、トンネルでの話も書かれている。
かなり重苦しく、悲惨な体験。
それが、今のボシュに及ぼしていること。
メドーズは仲が良かった戦友という訳ではない。
それでもその時同じ空気を吸っていた仲間として、自分がするべき事を真っ直ぐにとらえている。
そして、戦争での影響は他の人たちにも重く圧し掛かっていた。
ずっとその雰囲気が物語にはある。
ほんの小さなことから、大きな事件を明らかになって行く。
事件のことも丁寧に書かれそれを追って行ける。
そんな面白さを感じながらも、ボッシュの人となりが心に響く。

ヴェトナム戦争は、色々な意味で怖い戦争だと思っている。
その怖さが一層際立つ。
ブラックエコーは、トンネルそのもの。


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