花飴

小説などを書く。

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鈴の音が聞こえれば 22



義高さまから、お花をもらい、仲直りして、今夜も一緒に寝床につきました。


「義高さま、おやすみなさい」
「うん、おやすみ、大姫」
二人で一つの床で寝るのは大姫にとってはとても好きだった。隣にいる体温の暖かさが心地よくて、義高と一緒に寝るようになって、そのぬくもりがとても好きになった。




夜も深まり、みなが寝静まり、大姫は目を覚ました。普段、この時間にはたいてい虫の鳴き声ぐらいしか聞こえないのにどこからか声が聞こえたきがして、いつもは一度寝ると朝まで目が覚めないがその声により、目覚めてしまった。
声が聞こえるのは隣からだった、大姫が布団をめくりのぞきこむと義高が汗をびっしょりかき、苦しそうにうなされている。驚いて義高を起こそうとした時、義高の目からしずくがこぼれ、そして、またうなされて、苦しそうだ。

(なぜ、泣いているの?何が悲しいの・・・・?)

どうしていいのかわからなくて、ただ、うなされる義高に強く抱きしめた。自分が怖い夢を見たとき、義高に抱きついたら、いつも平気になれたから。まだ、小さな腕を伸ばして、義高の背中に回すのは無理だったから、頭を優しく抱きしめる。
そうすると、ぴくりっと、閉じられていたまぶたが動き、ゆっくり開く。
「お、大姫・・・?」
目の前に大姫の顔があり、少し驚いたが、すぐに抱きしめられるのが心地よくなった。
「どうしたんだ・・・・?」
「それは姫の方が聞きたい・・・何か怖い夢を見たのですか?」
汗をかいて、張り付いた額の髪に少し触れて、大姫の方を見た。
「・・・・・・ああ、怖い夢をみたんだ・・・」
「何の夢?・・・よかったら話してください、人に話すと怖い夢も怖くなくなるそうだから」
「けど・・・、怖くて暗い話だよ。それでも聞くの?」
「姫は義高さまの妻だもの。なんでも話して」
一瞬迷ったが、すぐに義高は口を開いた。
「自分が・・・俺が殺される夢だよ・・・・」



暗闇の中で自分は走ていた。
(逃げないと・・・殺される・・・!!)
走って、走って、けれどすぐに捕まえられる。逃げろと何度も唱えるが逃げられなくて、離してもらえなかった。どうしていいのかわからなくて、逃げたくて、そうあせっていた自分を相手は刀を振り、そしたら、目の前が赤に染まっていた。



息を飲み大姫は聞いていた。
「怖い夢ですね・・・・」
「ああ」
ここ(鎌倉)に来る時も、よく同じような夢をみていた。逃げる自分を相手が捕まえ、そのままいつも殺された。
自分は人質だ、しょうがないと思ってた。けど・・・・
(姫と一緒に寝るようになると、こんな夢なんかみなくなってた・・・)

いまだにゆるむことなく、大姫は義高を抱きしめていた。
「こんな夢の話聞かせてごめんな」
大姫はぶんぶんと大きく首を振った。それと同時に涙がこぼれる。
「怖い夢でもかまいません。泣いたら、泣きたくなったら、姫に話して。いつでも聞くから」
そう言う大姫がぽろぽろ涙をこぼしていた。
「泣くな・・・」
「悲しい夢です・・・、姫は義高さまがいなくなるのいやです。今、姫は義高さまを抱きしめているのに、このぬくもりがなくなるのはいやです」
涙が次々とあふれた。
(今日は、姫泣いてばかりだわ、怖い夢を見たのは義高さまのほうなのに)

「こんな夢は何度も見たから俺は大丈夫だよ。けど・・・」
(その夢が現実ではないのかと錯覚しそうだ・・・)
「これは現実になるのかな・・・」

大姫はその言葉に驚き目を見開いた。そして、一度唇を強く噛み、口を開いた。
「義高さま・・・夢を見るということは、義高さまは生きているんです」
「え・・・」
「生きていないと夢も景色や目の前のことすらなにも見えなくなるから、義高さまには今の姫の顔見えてるでしょ?生きていないと見えません。だから、夢というものは現実とは違うでしょ?」

(俺は、人質だ・・・・、いつ死んでもおかしくない。けれど、今はぬくもりがかんじて、目の前で泣く大姫が見えるから、まだ、生きてる・・・)
「ちゃんと見える、大姫の顔。姫の小さな顔が見えるよ」
優しくて、人のために泣いてくれる小さなお姫様が。
(ここに来てから俺は女の子を泣かしてばかりだな・・・・)
小さな小さな大姫の手を自分の手で優しく包み込むと姫は少し笑ってくれた。




掴んでた手を離し、体をおこして、そしてまだ目が潤んでいる大姫に手をさしだした。
「大姫、少し外にいこうか・・・?」



はい、22はここまでです。
・・・なに書くか迷いましたが、こんなの書いてみました・・・。
こんなかんじでいいんでしょうか?ネタがほしい・・・です。
表現が少なく展開が早いきもしますが・・・。

鈴の音が聞こえれば 21

ヒメサユリ、ヤマシャクヤク・・・・他にもいくつか野の花が義高の手に握られていた。 「花ですか・・・」 息をただし、もう一度ずいっと腕を前に出した。大姫はあわててその花々を受け取る。あまり見たことのない、野の花たちは小さいものもあったけれど、色鮮やかでみなとてもきれいだった。 「きれい・・・」 (すごくきれい・・・、突然、差し出されたけど、このお花はもらっていいのかな?) 「義高さま . . . 本文を読む

鈴の音が聞こえれば 20

何もすることなくぼんやりと・・・・ どこか怒りを抑えることも考えずただ自分の部屋の中にいた。 「いったい何をされたのですか、大姫様?」 「・・・・何も」 「・・・今日は義高様と行長様とお遊びになられたのではなかったのですか?」 「べつに・・・普通に遊びましたわ・・・・」 一人でだけどと大姫はぽつりと思ったが口には出さなかった。それよりも今は怪我の痛みと怒りに神経は集中されていた。 「ならばな . . . 本文を読む

鈴の音が聞こえれば 19

「大姫、おれと約束したはずだろ!おまえはその約束を破ったことになるんだぞ!!おれはおまえに危ないからするなとおまえと約束したはずだ!!!」 大姫の体がびくっと動いたが、すぐにまた言い返そうとした。 「そちらこ・・そ・・・・」 言葉を言いかけたが途中で止まり、続きの言葉を口にせず、義高に見えないよう顔をうつむき袖で隠すようにした。 「・・・・おろしてください・・・」 少し震えるような声で大姫は . . . 本文を読む

鈴の音が聞こえれば 18

義高と行長は大姫のところにむかっていた。 さっきの所の近くの廊下までくると大姫の姿も見えそうだ。だが義高たちの目には大姫は見当たらなかった。「大姫・・・」と義高は呼ぼうとしたがその前に自分らがさっきまで登った木に手を回し登っていた大姫に気がついた。衣もさっきのきれいなやつを脱ぎ、こんな姿を普通の女なら見せては絶対いけない、見られたらお嫁にいけないと言ってもいいような姿だ。あのような格好で木登 . . . 本文を読む