名南将棋大会ブログ 名古屋

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20170916今日の一手(その571);不利な時には不自然な手も考える

2017-09-16 | 今日の一手

20170916今日の一手

7月16日の名南将棋大会から、JさんとYさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答
序盤は見ていないのですが

角換わりで先手の早繰り銀、後手は腰掛銀でしょう。早繰り銀を追い返せずにさばかせてしまったという図で、先手の大成功。ただしそこから優勢にもっていくのは難しいです。玉を移動しないで端攻めが決まれば楽勝なのですが。
ここから桂を跳ねて銀を打ち

角と銀を打ちあった

という図は全くの互角です。45銀と打ったのがおかしかったのでしょう。固めて待つか(66歩は突かないほうが良い)、端攻めか、という選択でした。
しばらく進んで

55銀左とぶつけたら66歩と打たれました。56角なら無難でしたが85角と逃げ、55銀33歩に22金とかわされたのが問題図。

☆形勢判断をします。
銀と歩歩の交換ですからこの図では駒損です。
玉の堅さはやや先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は28飛85角45桂で3枚。
後手の攻め駒は54角と持ち駒銀銀で3枚。82飛も加わりそうで4枚に近いです。

総合すれば後手有利です。

☆ 大局観として
33歩を取ってもらって桂馬を交換し、銀を取り返して形勢互角、というはずだったのですが33歩を取ってもらえませんでした。55の銀を取り返すと桂馬を取られて(持ち歩の関係はありますが)桂損です。3手前の85角は疑問だったようです。疑問手を重ねないことが大事で、1回ならまだ何とかなるものです。
まずは桂損でまずいか、という確認をします。まずければもっと強く攻める手を探さなければなりません。手段は限られるので探してみましょう。


× 実戦は55銀と取りました。当然45角

この角も好位置です。66銀33金左46歩54角65歩

と桂損でも辛抱したのです。が、後手は歩を入手したので完全に桂損です。玉の堅さだけは上回っていますが、後手の攻め駒はさらに増えました。以下の手順は省略しますが

銀を打って桂損を解消しようとしたのですが

飛を抑えきれずに攻められて

飛角もさばかれては大差です。


自然に指してもだめなので、強く攻める手を探します。
○ 53桂成

どうせ取られるのですから捨ててみます。53同金55銀45角

後手玉は金をもてば41金で詰みますね。ですから54銀打

というのが厳しい手になります。78角成同玉52金では王手飛車64角も見えますね。だから73桂74角を利かせて(角の取り合いはやや後手もち)、どちらかで取ることになりますが、54金同銀

で後手玉は詰めろです。78角成同玉33金に64角

42に合駒をしても41金から取ることができます。22玉には41角成、32玉には31金22玉41角成、と先手の攻めが続きます。これは先手有利です。

後手は角で銀を取るほうが良さそうで

54同銀同金63角打

が詰めろ。33金に54角成はやや先手よしというところです。


○ 他の候補は24歩で

これは手抜けません。24同歩同飛23歩34飛では44銀

銀を食い逃げされていますから、これでは厳しさが足りません。

24歩同歩に23歩

23同金に53桂成同金55銀45角32銀

というのが狙いでした。金二枚を上ずらせて銀を打ちこみます。
32同飛同歩成同玉51飛

52歩に同角成以下攻めが続きます。(まだ形勢は難しいですが)

32銀に22玉とかわせば41角成

これは受けなしです。

後手はどこかで変化するのですが55銀に角を取らせて辛抱

では54銀同金63角成で先手よし。

最初の23歩を無視して44銀

のほうが難しそうです。22歩成同玉32金同金同歩成同玉22歩

22同玉に41角成32銀というのは形勢互角でしょう。


× 他の候補は14歩ですが

取られて得かどうか、ということもありますし、44銀13歩成同桂14歩87銀

でも自信なしです。


☆ まとめ
形勢が悪くなると自然な手で勝てる、というわけにはいきません。じっと我慢してミスを期待するか、不自然な手でも敵陣に嫌味をつけて勝負するか。

実戦では自然な手で駒損になりました。戦力に差があるわけですから、長引けば苦しくなるのが道理です。主張できるのは先手玉の堅さだけでしたが、後手も攻め駒が多いので逆転のチャンス(攻め間違い)は起こりませんでした。

どうせ桂損するなら53桂成と敵陣を乱してしまえ、というところから手がないかと考えます。

金を入手できれば詰めろになる、と気が付けば54銀打です。
32銀と打ちこみたいと思えばもう少し工夫して、先に24歩同歩23歩を入れておきたい、とさかのぼって考えます。(ここで24歩は27銀か、24歩同歩23歩に33金か)

いずれにしても上の図を想定しているわけで、形勢が悪ければ読みの作業が必要になります。この図まで進めてみて、何もありませんでした、で負けることが多いと思います。(実際は手がある局面ですが、53桂成と捨てるのが不自然な手なので感覚では選びにくい。)

つまり読みが得意なタイプは、形勢不利になっても枝葉(やや不自然な手の変化)を考えることで逆転の筋を見つけられるかもしれません。
直感が得意なタイプは、序盤研究をしっかりやって、形勢不利にならないようにすることが大切なのだと思うのです。


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