名南将棋大会ブログ 名古屋

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20161110今日の一手<その415>; 手の組み合わせ

2016-11-10 | 今日の一手

20161110今日の一手

10月8日の名南将棋大会から、IさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は57角1枚。
後手の攻め駒は33角75金で2枚。72飛も働きそうなので3枚に近いです。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として

先手のミレニアム、後手の穴熊です。通常は振り飛車穴熊のほうが堅いので普通に組みあっても振り飛車が十分なのですが(だからすたれた戦型)、先手が端に手をかけたので桂頭が薄いとみて、袖飛車で攻められたところです。
77桂をうまく処置して玉が堅いまま戦いになれば先手が十分させるのですが。57角が75金に当たっているし、端を攻めることができるかも。だからうまくいきそうにも見えますが、持ち歩が1つしかないので下手をすると悪くなります。


△ 受けるとしたら87銀として

76歩85桂66歩88銀67歩成同金直66歩68金引65銀26飛

66歩76歩の圧力があるのですが、先手玉が89なのでまだ戦えます。後手は84歩とすれば桂馬を取れますが、93桂成と捨てられてかなり乱れます。
後手のペースですが形勢は互角です。


× 実戦は94歩と突き捨てて

94同歩85桂86金73歩同桂75角

85桂86角76歩

桂と金の交換でも7筋が危険です。24歩は疑問手ですが、77歩成同銀同桂成同角同角成同金右85桂

どんどん攻められて後手の快勝です。

戻って24歩では75金くらい。

でも77歩成同銀同桂成同金右75飛同角85桂

はやはり食いつかれています。


× 黙って85桂として

86金73歩同桂93桂成

となるなら先手がやや指せます。

でも73歩に52飛として

75角を避けられていると85金があります。93桂成も同銀なのでこれは指し過ぎです。


○ ということで85桂では決まりません。73歩を先にしてみます。

今なら73同飛の一手。24歩同歩同角44角

後手からの76歩には85桂が飛車に当たります。だからかなり有力です。
55歩同角42角成22歩85桂63飛87銀

が変化の一例。後で桂馬は取られるのですが、馬を作っていますし、互角以上に戦えると思います。


△ 普通に攻めるなら24歩ですね。

24同歩同角22飛が普通の受け方。

25歩44角57角86金24歩27歩同飛26歩28飛76歩

と、普通に指していたのではだめです。

22飛に23歩を利かせて

23同飛25歩44角42角成27歩同飛26歩28飛25飛

55歩同銀43馬71金65桂

として、これは先手が指せそうです。

でも24歩を取らずに76歩85桂86金23歩成44角

かもしれません。73歩52飛32と26歩21と85金

桂馬の交換ですが左の桂を交換しているので後手のほうが少し得です。




形勢互角の局面でしたが、正解になりそうな手は少なく、難しかったと思います。
これは先手が玉を固めるのを優先したためです。玉を金銀4枚で囲おうとか、穴熊にしようとか、現代では堅い囲いが好まれるのですが、攻撃に使える駒が少ないあるいは配備が遅れるということでもあります。玉を固めるのは初心者向けではないと思うのです。薄い玉で攻めろというのではありませんが、金銀3枚で普通に囲って、飛角銀桂で攻めを考える、というほうがわかりやすいのです。

読むとしたら
87銀から受けるのでは今一つもの足りない
端を攻めるのでは歩が足りない
85桂から73歩同桂93桂成は有力
でも73歩は取ってもらえない
ならば先に73歩でどうか
という流れと、

24歩同歩同角と行けるかどうか。取ってもらえれば踏み込んでいく手順がありそう。でも手ぬかれたらどうしようか。
やはり73歩同飛を入れてしまえば85桂があるので、24歩を手ぬかれにくくなるのだ。
という流れと、

両方考えないとわからないのだろうと思います。(全部読めなかった、読み間違えたというのは局後に検討して修正して学んでいけばよいのですが。)

感覚(直観)では何かありそうだとは思うのですが、85桂が正しいのか、なけなしの1歩を使い73歩とたたくべきか、24歩同歩が入れば手を作りやすいけど入るのかどうか、というのはすぐにはわからないとおもいます。
73歩同飛24歩が手の調子だ、というのは、その順を発見して比較すればなんとか理解できるのですが、この組み合わせが見えるかどうかにかかっています。

ですから、読みの得意なタイプの人が玉の堅い戦型を選ぶのはよいのですが、読むのは苦手というタイプなら、玉を固めすぎないほうが易しいのです。
級位者のうちに穴熊など堅い玉に頼るのはお勧めしません。

また、読みが得意な少年少女が奨励会に入った後で、周りも自分と同じくらい読みが得意で、アマチュアの頃のように勝てなくなる、というのもよくある話でしょう。どれだけ個性を発揮できるかが課題となります。単に読みが得意というだけでなく、どういう読みが得意なのか、直線的か曲線的か、手の広いところの読みが得意なのか、手のないところから手を作るのが得意なのか。あるいは読まないでも直観でわかるというタイプなら、どうやったら自分の得意な形に持って行けるか、どういう戦型の経験を増やしていくべきかを考えておくべきでしょう。
まあ私の知らない世界なので、憶測で言っているわけですが、アマチュアでもさらに上を目指すなら考えていかないといけないのだと思うのです。


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