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20160128今日の一手<その257>; 振り飛車穴熊のさばき

2016-01-28 | 今日の一手
20160128今日の一手

12月13日の名南将棋大会からNさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。






昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは先手のほうがかなり堅いです。
先手の攻め駒は46桂と持ち駒銀で2枚。
後手の攻め駒は82飛65桂56銀69銀で4枚。

総合すれば先手やや有利です。後手玉が薄すぎるので、実戦的には先手有利としてよいでしょう。

大局観として
問題図の少し前、先手は98の飛車を88飛と戻し、後手は55の銀を56に出ました。このやり取りは先手の飛車が働きやすくなり、後手玉はさらに薄くなったので後手が損をしています。56銀では87歩としたかったのです。

87同飛は78銀不成88飛67銀成で77桂成を狙えます。98飛なら1手パスみたいなものですし、24金から46銀同歩88歩成という筋を狙います。89飛は78銀成59飛54歩という感じです。
56銀で攻め駒は増えたのですが、この瞬間が怖いです。
先手はうまくさばきたいです。つまり互角以上の駒の交換を目指す、あるいは飛角を敵陣に成り込むという順がないか探します。多少駒損でも攻め駒が4枚になれば優勢になります。


△ 実戦は85歩でした。

これは遅いのではないかという感じがします。狙いは84歩から83歩成という意味なら手数がかかります。飛角の働きをよくするのですから悪い手ではないのですが。
67銀成86角85飛

85歩を逆用された格好で、損をしました(とみえます)。
ここから87飛78銀不成67飛同銀成64角

飛銀交換ながら角をさばいたので先手有利です。素晴らしい手順でした。ここまで見越しての85歩なら好手に見えますね。87飛に66成銀でも88歩でさばけます。
この後は89飛成45銀59飛38金寄57桂不成

悪くはないのですが、59飛と先手で打たれたのが受けにも利いている意味があり少し難しくしました。この後は激戦だったのですが、後手のMくんが制しました。

45銀も筋ですが壁駒に触るので、54歩が正しい方向だと思います。これなら寄せきれたでしょう。



○ 66歩と突く手は56銀をとがめる手です。

67銀成なら65歩

後手は68成銀ではまずいので、78銀成同飛同成銀57角69飛45銀までは一本道です。

飛と銀桂の交換で、穴熊なら2枚持ったほうがかなり得です。後手にはよい受けの手順はなく、24金34桂99角成なら24角と切って

24同歩23銀33玉(あるいは同玉でも)35桂

これは受けがないです。

66歩には桂馬を取られないように24金ですが

89飛78銀成59飛

これで56銀に当たるので、後手の56銀が疑問手だという2つ目の理由です。
67銀成53飛成68成銀寄65歩

角は捨てましたが、飛車を成って桂馬を取り攻め駒は4枚、64歩から63歩成という応援もできるのですからこれは優勢です。


△ すぐに89飛なら

78銀成59飛67銀成53飛成68成銀寄

これでも悪いわけではありませんが、角を損しているので攻め駒が足りず、と金つくりまで実現すれば有利になります。

53飛成ではなく34桂同金と捨てて46角と逃げるほうがよいでしょう。

64角か53飛成かどちらかは実現します。後手の角筋を通す桂馬の捨て方は気に入りませんがそれなら構わないとおもいます。


△ 73銀は重い手ですが

81飛64銀成(これが桂取りになる)61飛53成銀67銀成63歩

飛角ともとられそうですが、と金ができればそれでも勝てそうです。54桂の活用もあり、飛角で1枚駒が取れたら4枚の攻めです。

64銀成に67銀成89飛78銀成59飛68成銀寄53飛成24金65成銀

長いですが前に出た手順で飛車を成って桂馬を成銀で取ります。これでも先手が指せそうです。
重い攻めでも玉が堅ければ攻め合いにならないので成立するようです。


× 75歩は軽い手で

67銀成には74歩でと金つくり。

でも78銀成同飛同成銀には73歩成81飛72銀くらいしかなく重いです。飛車は取れるのですが。
84飛83銀成同飛同と68成銀

と金が離れていくので、これでも勝ちかもしれませんがお勧めはできません。

☆ まとめ

振り飛車穴熊と美濃囲いでは少しさばき方は違うのですが、それは駒の損得に関するところです。自玉が堅ければ大駒(性能の良い駒)を渡しても困らなくて、金銀を持てば穴熊が修復できるので見た目より堅くなります。だから穴熊からは大駒を金銀と交換する手がよく出てきます。対穴熊でも飛角を囲いの金銀と交換して攻めることはあるのですが、それは飛角を渡してもかまわない(自玉がしっかりしているか、寄せきれるか)場合に限られます。少し非対称ですが、金銀の価値が上がるのです。

実戦の85歩は疑問手かと思ったら86角~87飛で角をさばくのですね。角が活躍すれば飛銀交換でも十分です。45銀ではなく54歩が有効になります。

66歩はもう少し欲張って、2枚換えにしようとしています。飛と銀桂の2枚換えは少し飛車のほうがよい、というのが通常ですが、穴熊の場合は金銀の価値が上がりますし、2枚持って攻めに使うほうがよいことがほとんどでしょう。24金には89飛から59飛という手順があり、56銀をうまくとがめられました。

他の手、89飛、73銀、75歩も一応はあるのですが、形勢がよい時に自然な手でよくなると思ったら、ほかの手は考えなくてもよいです。時間を残して終盤にうまい手を見つけるほうがきれいに勝てると思います。




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