20170720今日の一手
2013年2月の東海団体リーグから、私の将棋です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得です。後手は持ち歩がないのでカウントします。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。銀冠に比べて一路違うだけですが、先手の囲いはかなり見劣りがしますね。
先手の攻め駒は54銀45桂と持ち駒角で3枚。
後手の攻め駒は73角1枚で、33桂は交換になりそうなのでもう一枚プラスか。
総合すれば互角か先手が指しやすいです。
☆大局観として
元は先後逆で、角交換四間飛車です。銀交換して銀を打ちあい、自陣角でけん制されたけれど54の歩を取って(41から)42金で守られたという流れです。
駒得なので持久戦で良し、とするのが一つの考え方。玉を固めておけば状況は良くなります。
攻め駒は3枚、29飛も使って4枚で攻めようというのもあります。玉は薄いけれど攻撃力でカバーするわけです。
後手からはたいした手がないのでまだ余裕があります。
△ 33桂成が普通の手で
33同銀65桂64角53桂成同金同銀不成
53同角に55角64角33角成38銀22馬29銀不成
という飛の取り合いは29銀が遊んでいるので先手が良いです。
多分王手飛車を避けて73角
なのでしょう。こうなるなら53銀成なのかもしれません。ここでどう攻めるか、銀は成るべきか、というのがはっきりしませんが、駒得は拡大しているし、問題図よりも味が悪くなっているわけでもないですから、先手よしです。
× 31角がぱっと見える手でしょうか。
4年前の将棋なのであやふやですが、対局中にこういう角は考えていないはず。32飛42角成同飛53桂成
で調子が良いようなのですが、53同銀同銀不成38角39飛47角成42銀不成25桂
角桂と飛銀の交換で馬を作られています。あまり駒得でもないし、玉が薄くて寄せ合い勝負というのは歓迎できないです。まだ指せないことはないのですが。
△ 24歩同歩31角というのはあり得ます。
32飛42角成同飛24飛
駒損ですが飛をさばいて攻め駒4枚。45桂同歩33銀23飛成22飛
33竜29飛成
これは2枚換えなので(終盤の2枚換えなので特に)先手よしです。
後手は45銀と取って
45同歩に19角成
と指すのが良さそうで、これは何とも言えません。馬を引き付けると後手玉がかなり堅くなりそうです。
△ 61角は21飛とされると
43銀成や角成は38銀や角を与えます。72角成同銀56金
駒を損して(まだ角と金歩の2枚換えですが)後手玉を薄くした、という図で形勢は互角です。
△ 65角は64歩
で43銀成は45銀
ではっきり悪いです。(65歩44成銀~33桂成が狙いでしたが)
もっとも64歩に56角
ならばこれから。角を手放しましたがおあいこで、73角の利きが止まったと主張します。
△ 実戦は手筋っぽく35歩としたのですが
45桂同歩35銀
手順にかわされて持ち歩を与えました。65桂64角53桂成同金同銀不成同角
ここで55角を打ちたくなりますが、64角22角成38銀79飛47銀成
で自信なし。
そこで56金
とためて、73桂54金71角33角12飛24歩同銀55角成
という進行です。悪くないようでも後手から64桂で攻められて雲行きが怪しくなり、力負けしました。54金は打たないほうが良かったようです。
少しずつ損をして形勢が悪くなっていった将棋でした。
△ 後で56金とするなら先に56金のほうが含みがあるわけで
前回もやりましたが力をためる手です。駒取りを避けて陣形を整えておくわけです。45桂同歩55銀に65桂
64角55金同角31銀
32飛42銀成同飛53桂成
で飛車を逃げて63成桂が実現すれば有利です。
後手は31銀に64金
が粘りのある手で、22銀成54金21飛85桂51飛成
かなり食いつかれている感じですが、51竜も強力なので難しい勝負です。
○ さらに力をためたのが56歩。
56金だと55に銀を出られる変化があるので歩を突いておきます。45桂同歩33銀に55桂51桂57金寄
2手かかりましたが、38銀や角の筋を避けて、先手玉が堅くなりました。後手は1歩持てば53歩がありますが、その前に61角とか、35歩同歩24歩同歩34歩同銀31角とか、玉の堅さが上がったので強い手段が可能です。
☆ まとめ
歩切れのために、後手からあまり厳しい手がないので、先手には余裕があります。
攻めるなら24歩同歩31角ですが、駒損ですし、飛車をさばいても47金が離れ駒、という場合には自重したほうが良い手でしょう。
33桂成から65桂64角53桂成というのは取れば55角が王手銀取りです。33銀と22飛が取れるなら十分です。ただ53銀不成を取らない時にどうするのか、先手よしは間違いないのですが案外に難しいです。
実戦の35歩も(35歩を45桂同歩35銀とかわされる感触が悪いのですけれど)同じような筋で王手飛車になるので指したくなるのですが、後手からも38銀と打つことができるので、無条件で駒得になるわけではありません。先に桂を捨てているわけですから2枚換えしているようなものです。
そこで王手飛車を打たずに56金と両取りを避けておいたのが実戦ですが
それなら先に56金としておくものなのです。
実はさらに力をためて、56歩から57金寄が一番良い手です。後手から55銀とぶつけられるのを避けてもいます。歩得した筋の歩を突きだすのは好手になりやすいというのも覚えておきましょう。
2013年2月の東海団体リーグから、私の将棋です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得です。後手は持ち歩がないのでカウントします。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。銀冠に比べて一路違うだけですが、先手の囲いはかなり見劣りがしますね。
先手の攻め駒は54銀45桂と持ち駒角で3枚。
後手の攻め駒は73角1枚で、33桂は交換になりそうなのでもう一枚プラスか。
総合すれば互角か先手が指しやすいです。
☆大局観として
元は先後逆で、角交換四間飛車です。銀交換して銀を打ちあい、自陣角でけん制されたけれど54の歩を取って(41から)42金で守られたという流れです。
駒得なので持久戦で良し、とするのが一つの考え方。玉を固めておけば状況は良くなります。
攻め駒は3枚、29飛も使って4枚で攻めようというのもあります。玉は薄いけれど攻撃力でカバーするわけです。
後手からはたいした手がないのでまだ余裕があります。
△ 33桂成が普通の手で
33同銀65桂64角53桂成同金同銀不成
53同角に55角64角33角成38銀22馬29銀不成
という飛の取り合いは29銀が遊んでいるので先手が良いです。
多分王手飛車を避けて73角
なのでしょう。こうなるなら53銀成なのかもしれません。ここでどう攻めるか、銀は成るべきか、というのがはっきりしませんが、駒得は拡大しているし、問題図よりも味が悪くなっているわけでもないですから、先手よしです。
× 31角がぱっと見える手でしょうか。
4年前の将棋なのであやふやですが、対局中にこういう角は考えていないはず。32飛42角成同飛53桂成
で調子が良いようなのですが、53同銀同銀不成38角39飛47角成42銀不成25桂
角桂と飛銀の交換で馬を作られています。あまり駒得でもないし、玉が薄くて寄せ合い勝負というのは歓迎できないです。まだ指せないことはないのですが。
△ 24歩同歩31角というのはあり得ます。
32飛42角成同飛24飛
駒損ですが飛をさばいて攻め駒4枚。45桂同歩33銀23飛成22飛
33竜29飛成
これは2枚換えなので(終盤の2枚換えなので特に)先手よしです。
後手は45銀と取って
45同歩に19角成
と指すのが良さそうで、これは何とも言えません。馬を引き付けると後手玉がかなり堅くなりそうです。
△ 61角は21飛とされると
43銀成や角成は38銀や角を与えます。72角成同銀56金
駒を損して(まだ角と金歩の2枚換えですが)後手玉を薄くした、という図で形勢は互角です。
△ 65角は64歩
で43銀成は45銀
ではっきり悪いです。(65歩44成銀~33桂成が狙いでしたが)
もっとも64歩に56角
ならばこれから。角を手放しましたがおあいこで、73角の利きが止まったと主張します。
△ 実戦は手筋っぽく35歩としたのですが
45桂同歩35銀
手順にかわされて持ち歩を与えました。65桂64角53桂成同金同銀不成同角
ここで55角を打ちたくなりますが、64角22角成38銀79飛47銀成
で自信なし。
そこで56金
とためて、73桂54金71角33角12飛24歩同銀55角成
という進行です。悪くないようでも後手から64桂で攻められて雲行きが怪しくなり、力負けしました。54金は打たないほうが良かったようです。
少しずつ損をして形勢が悪くなっていった将棋でした。
△ 後で56金とするなら先に56金のほうが含みがあるわけで
前回もやりましたが力をためる手です。駒取りを避けて陣形を整えておくわけです。45桂同歩55銀に65桂
64角55金同角31銀
32飛42銀成同飛53桂成
で飛車を逃げて63成桂が実現すれば有利です。
後手は31銀に64金
が粘りのある手で、22銀成54金21飛85桂51飛成
かなり食いつかれている感じですが、51竜も強力なので難しい勝負です。
○ さらに力をためたのが56歩。
56金だと55に銀を出られる変化があるので歩を突いておきます。45桂同歩33銀に55桂51桂57金寄
2手かかりましたが、38銀や角の筋を避けて、先手玉が堅くなりました。後手は1歩持てば53歩がありますが、その前に61角とか、35歩同歩24歩同歩34歩同銀31角とか、玉の堅さが上がったので強い手段が可能です。
☆ まとめ
歩切れのために、後手からあまり厳しい手がないので、先手には余裕があります。
攻めるなら24歩同歩31角ですが、駒損ですし、飛車をさばいても47金が離れ駒、という場合には自重したほうが良い手でしょう。
33桂成から65桂64角53桂成というのは取れば55角が王手銀取りです。33銀と22飛が取れるなら十分です。ただ53銀不成を取らない時にどうするのか、先手よしは間違いないのですが案外に難しいです。
実戦の35歩も(35歩を45桂同歩35銀とかわされる感触が悪いのですけれど)同じような筋で王手飛車になるので指したくなるのですが、後手からも38銀と打つことができるので、無条件で駒得になるわけではありません。先に桂を捨てているわけですから2枚換えしているようなものです。
そこで王手飛車を打たずに56金と両取りを避けておいたのが実戦ですが
それなら先に56金としておくものなのです。
実はさらに力をためて、56歩から57金寄が一番良い手です。後手から55銀とぶつけられるのを避けてもいます。歩得した筋の歩を突きだすのは好手になりやすいというのも覚えておきましょう。