名南将棋大会ブログ 名古屋

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20170421今日の一手(その496);感覚を磨く

2017-04-21 | 今日の一手
20170421今日の一手

4月2日の名南将棋大会から、HさんとYさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答
序盤からみてみます。(一番下のクラスなので、間違いが多いです。)

相掛かりの腰掛銀(45で銀がぶつかるのでガッチャン銀と呼ばれました)だったのですが、後手のHさんは角交換から筋違い角を打ちました。
これは間違いで、相手が持ち歩のあるときに1歩取っても意味が薄いのです。このブログの形勢判断では、相手に持ち歩があるときは歩得だとカウントしませんね。持ち歩が多いと攻め筋が広がるということはあるのですが、(56銀に76角と歩をとったところで)後手は8筋にしか歩を打てません。先手は2筋7筋に持ち歩を打てるので、指し手の可能性が多いわけですから、後手の得だとは言い切れないのです。これが角換わりの将棋で、互いに飛先の歩を交換していないならわかりますが、形だけで思いついた手を指してはいけません。その裏付けを考えておけば間違えなかったでしょう。
また、角交換で1手損して、76の歩を取るために2手かけて、さらに角を追われて・・・とかなり指し手が遅れています。1歩もらうために陣形整備や攻め駒の配置が遅れているのも見逃せません。
56銀76角の後で、76の角が攻めに働くならよいのですが、通常は先手の手持ちの角のほうが価値が高い(指しての可能性が多い)のです。9筋を突き合っていて、95歩同歩98歩同香86歩同歩98角成、などとできるのなら話は別ですが。また先手は77銀と上がって角を追ったのですが(先手のうっかり)

こういうところは喜んで87角成としなければいけませんでした。87角成同金同飛成96角にも89竜で王手です。
もう少し進んで

先手の48飛も自陣の形だけ見て指した手です。後手が44歩と突いているなら45歩から攻める手があるのですが、先に48飛としても44歩とは突いてもらえません。さらには35歩同歩36歩と桂頭を攻められるのも問題で、28飛のままなら26飛と軽く受けることもできました。(先に26飛と備えておくのが普通です。)こういうところは角換わりの将棋や右四間飛車の将棋と混同しています。
さて問題図は

桂頭を攻められたのですが、後手は1手後に35歩だったので38金と一応備えられたので(嫌な形ですが)37歩成は回避しています。

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は45桂と持ち駒角で2枚。
後手の攻め駒は82飛1枚。

総合すれば互角で、少し先手のほうが指しやすいかという局面です。


☆ 大局観として
まだ互いに攻め駒が足りないですから、(通常は)すぐに厳しい攻め手があるわけではありません。この数手でどういう手が有効か、という感覚的な問題です。
すぐに駒得になる手があるか
玉を固める手はどうか
攻め駒を増やすにはどう指すか
という3つの方針です。


△ 実戦は33歩成と攻めました。

攻めたのですが、まだ早すぎます。33同桂同桂成同銀45桂44銀33歩22金

後手玉は薄くなったものの、後続の手段がありません。1歩減ってしまったという損のほうが大きいのです。
47銀83飛36銀35歩25銀

と銀を使ったのはよい判断ですが、48飛が取り残されていますね。この後も攻める方針でしたが攻め駒が足りず、後手玉は上部脱出して、寄せられなくなってしまいました。

33歩成同桂の時に34歩

というのが手筋の攻めです。これを見ているなら33歩成は悪い手ではありません。
25桂には47飛63角27飛

桂の跳ね違いみたいな25桂は嫌なのですが、飛車を使って37歩成を催促します。37歩成同金同桂成同飛

というのは駒損ですが、攻め駒が4枚になりました。33歩成がありますし、何か受けても25桂と足して33歩成を狙えば先手優勢になります。

戻って34歩に45桂なら

37銀と打たれる傷があるので、45同歩と取って、35銀に66角

と打つのが厳しい手です。受けるには55桂ですが76銀

として65歩に88角とできるようにして55銀を狙えばよいです。


○ 79玉と固めておくと

33歩成同桂34歩の攻めを決行しやすくなります。玉を固めれば攻めの反動が少ないのです。
この後は88玉と入ってもかえって後手の攻め駒に近づく感じで固くなりません。この位置が一番良さそうです。


○ 49飛63角29飛

と飛を使っておく(攻め駒にする)のは良い手です。かなり攻撃力が上がります。


○ 47金も一つは上がっておきたいところで

どうせ4筋から飛車で攻めることは難しいのです。37に駒を打ち込まれる筋を緩和しています。
35銀と歩を守られたら、38飛から36金でもよさそうですが、73歩同桂71角

という筋があります。(73歩を入れておかないと83飛で受かる)81飛に53角成で優勢です。

後手は35銀とはできず、63角に36金

と歩を取ってしまいましょう。63角の利きに金が入ってしまいますが、気をつけておけば大丈夫です。28飛~79玉くらいまで指しておいて、33歩成や24歩同歩23歩とか、24歩同歩25歩とか、持ち歩が増えると攻め筋も多くなります。
73桂28飛75歩には66銀

と先に銀をかわしておくのも受けの形で、85桂には73角がありますね。75銀と出るのも63角を攻められそうで味の良い手です。


△ 15歩と待っておくのもよいですが

将来14歩からの攻めで19香が攻め駒になります。でもすぐに手があるわけでもないので後回しでよいでしょう。後手が14歩とされても端攻めの筋はあるわけですから、優先度は低いです。互いに手がない時は有効ですが。


△ 66歩63角76歩

というのは手堅いのですが、67に右金をもっていけないですし、67銀と引いてもあまり堅くなっていないです。これは後手が8筋の歩を交換していることに関係しています。悪い指してではないですが、1歩使うのは手堅すぎるという感じです。


☆ まとめ
形勢判断の3つの要素で考えれば方針が立てられます。

駒得になる手はないか
実戦のように33歩成同桂同桂成同銀45桂44銀33歩、は銀で取ってもらえて銀桂交換なら駒得ですが、まだ攻め駒が足りないので33歩のくさびは入るものの、早すぎました。

玉を固めてどうか
79玉は指しておきたいところで、相手の攻め駒が1枚ですからまだ余裕がある局面で、こういう時にはかなり有効なのです。後手も手がなくて(42から)31玉としたところなのですから、相手に合わせておくのは悪いことではありません。
66歩から76歩、さらには79玉ともっと固めておくのも悪くはありません。

攻め駒を増やす
48飛を攻めに使いたいです。49飛~29飛か、47金~28飛か。47金の方は36金と使うこともできます。

他には33歩成同桂34歩と相手の弱点を突くような手筋の攻めがあるのですが、これはすぐにやるよりは79玉、あるいは49飛~29飛などの有効な手を指しておいてから決行するほうが間違いなないです。少し待っても相手にたいした手がない(作戦勝ちだということ)時には、2番目3番目に価値が高い手を指してから切り札を出す、という感じです。


相居飛車でも相掛かりはマイナーな戦型で、さらに相腰掛銀となるとさらにマイナーなので、互いに定跡を知っているということも少ないでしょう。(私にとっては2番目に買った定跡本に載っていたので懐かしくて好きですが。)
自分だけ知っている戦型に持ち込めば有利な展開になりやすいということはあります。
メジャーとマイナーを問わず、知らない戦型でも、定跡本を並べたり、プロの実戦譜を並べたりすることで、感覚が身についていきます。その時にはなぜそういう指し方をするのか、ということを考える(あるいは解説してある本を読む)と効率的に吸収できます。
相掛かり腰掛銀を1手損して角交換してみれば(プロでもそういう展開になることも多い、また銀冠を目指すこともある)角換わり腰掛銀に似てくるのですが、1歩持っていること、そのために互いに玉があまり堅くならないこと、という違いがあります。
実戦で筋違い角を打ってみたら、すでに相手が1歩持っているので効果が薄かった、ということも、やってみて反省すれば大きな財産になるでしょう。
似ている戦型で自分が知っているものがあれば、比較してみるのもよいですね。小さな違いがあって、それがどう違うのかを考えると、どちらの戦型においても知識として向上し、感覚も磨かれます。







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