名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋研究(386); 中飛車に居飛車穴熊

2017-01-01 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

さて、年が改まって、少し工夫を思いつきました。昨日の大山将棋研究の復習です。

ここで米長先生の一手は何だったでしょうか。
思い出せない方は昨日の記事を見直してください。


☆ 今日の棋譜

昭和52年12月、板谷進先生と第10回連盟杯争奪戦です。


板谷先生の36歩が早いのですが、中飛車と居飛車穴熊の将棋になりました。

大山先生は36歩は早いだろうと動きだします。

飛車先も交換して

銀を繰り出します。板谷先生は67金が間に合わないので飛車を回って応急処置。

大山先生が中央を抑えることになりました。

38飛には44角が普通なのですが、52の金を43に上がるのが大山先生らしい手です。

3筋の歩を交換させて逆襲しようと考える人なんです。

でも飛車を追われる前に4筋の歩も交換できれば、居飛穴としては悪くはありません。

大山先生はあくまで中央を抑え込もうとしています。

板谷先生は4歩もって十分ではありますが、攻め方は難しいです。

大山先生は気持ちよく3つ突きだして

板谷先生はその裏に歩をたらす。51金は利かされで指しにくいけれど、放置すると41歩成~42と よりも早く攻めなければいけません。

47歩成がその対抗策だったわけですが、

57歩成の前に47銀が間に合いました。

さらに銀を打って板谷先生が好調子。

飛車の取り合いです。

この寄せ合いは69と~79と で先手玉が詰めろ、後手玉は63銀成で詰めろにならないので、後手有利ではあるのですが、こういう1手違いは穴熊がうっちゃりを食らわせやすいです。

79角成で後手の勝ち、に見えるのですが、角を渡すと72成銀同金71角で詰んでしまいます。あとで75馬があるので後手玉が狭いのです。79飛成から行っても銀を取って88銀と埋め、角を渡せないのではまずそう。
よって大山先生は自玉に手を入れるしかないです。71銀とか金打もありましたが(千日手か?)

92玉とかわしました。板谷先生はとにかくしがみつき、それでほぼ詰めろが連続します。

うまが少しずつ迫っていって

飛車を切って桂、これで寄りかと思ったら

難しい受けが出ました。上に逃げだせれば逆転します。

ここで金を捨てるのですね。

それで香を取れば後手玉を上に逃げさせません。

62飛にも金を打てばよく

投了図。

序中盤は振り飛車のペースに見えるのですが、穴熊としては抑え込まれているようでも持ち歩が多いので何とかなりそうに見えます。42歩には51金ではないか、という気はするのですが、57歩成の前に47銀とぶつけられれば、居飛穴が勝ちやすいのでしょう。後手の44金が遊んでしまい、飛車を取った64銀が63銀成と使えた、という差が1手の差になってしまいました。

終盤の検討をするのにちょうどよい題材で、変化を検討すると終盤の力が向上します。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:板谷進8段
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 3六歩(37)
8 4三銀(42)
9 6八玉(59)
10 5二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 5六歩(57)
14 7二玉(62)
15 5七銀(48)
16 5四歩(53)
17 7七角(88)
18 8二玉(72)
19 8八玉(78)
20 7二銀(71)
21 9八香(99)
22 3三角(22)
23 9九玉(88)
24 4五歩(44)
25 8八銀(79)
26 5五歩(54)
27 同 歩(56)
28 同 飛(52)
29 5六歩打
30 5一飛(55)
31 6六歩(67)
32 5四銀(43)
33 5八飛(28)
34 5五歩打
35 5九金(49)
36 9四歩(93)
37 6八金(59)
38 5六歩(55)
39 同 銀(57)
40 5五歩打
41 6七銀(56)
42 5二金(41)
43 7八金(68)
44 6四歩(63)
45 3八飛(58)
46 4三金(52)
47 3五歩(36)
48 同 歩(34)
49 同 飛(38)
50 3四歩打
51 3六飛(35)
52 4四角(33)
53 6八角(77)
54 3一飛(51)
55 4六歩(47)
56 3五歩(34)
57 4五歩(46)
58 同 銀(54)
59 3九飛(36)
60 5四銀(45)
61 4九飛(39)
62 4五歩打
63 8六角(68)
64 3六歩(35)
65 4七飛(49)
66 3四飛(31)
67 6四角(86)
68 3五角(44)
69 5八銀(67)
70 4六歩(45)
71 2七飛(47)
72 5六歩(55)
73 4二歩打
74 4五銀(54)
75 8六角(64)
76 4七歩成(46)
77 同 飛(27)
78 4六銀(45)
79 4九飛(47)
80 5四飛(34)
81 4七銀(58)
82 同 銀成(46)
83 同 飛(49)
84 4四金(43)
85 4五銀打
86 5七歩成(56)
87 5四銀(45)
88 4七と(57)
89 3一飛打
90 5八と(47)
91 7九金(69)
92 4九飛打
93 5三角成(86)
94 6九と(58)
95 6三銀成(54)
96 7九と(69)
97 同 金(78)
98 9二玉(82)
99 7二成銀(63)
100 同 金(61)
101 6三銀打
102 8二金打
103 7二銀成(63)
104 同 金(82)
105 6三金打
106 同 金(72)
107 同 馬(53)
108 8二金打
109 7二金打
110 同 金(82)
111 同 馬(63)
112 8二金打
113 8一飛成(31)
114 同 金(82)
115 8四桂打
116 9三玉(92)
117 8一馬(72)
118 6四銀打
119 7四金打
120 同 歩(73)
121 9一馬(81)
122 6二飛打
123 7二金打
124 7九角成(35)
125 同 銀(88)
126 7七銀打
127 9二桂成(84)
128 8四玉(93)
129 8六香打
130 投了
まで129手で先手の勝ち
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20170101今日の一手(その441): 駒得を生かすには

2017-01-01 | 今日の一手
明けましておめでとうございます。お正月からブログを読んでいただいてありがとうございます。

昨年正月に毎日更新することを目標にしておりましたが、無事完走通過です。
今年も毎日更新できるよう頑張ります。



20170101今日の一手

12月4日の名南将棋大会から、TさんとDさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
桂と角の交換で先手の駒得です。
玉の堅さは72飛を含めれば後手玉のほうが堅いです。
先手の攻め駒は57角と持ち駒角銀で3枚。
後手の攻め駒は72飛と持ち駒銀桂で3枚。

総合すれば互角です。駒得を重視するかどうかで判断が分かれるところです。

☆ 大局観として
普通なら右桂が角と交換出来たのですから先手有利と言いたいのですが、後手の穴熊が堅いというよりは遠いので、寄せあいで1手勝ちを目指すと怪しくなります。(一方的に攻めて勝ちなら話が早いのですが。)
先手が性能の良い駒が多い(角角と桂桂の戦力比較になる)ので有力な手が多くなりますが、後手は性能の悪い駒でゆっくり攻めても間に合うかもしれません。

つまり守りを固めるあるいは後手の攻め駒の活用を阻止してしまえば、駒得の時は長期戦で有利になるという一般則が当てはまります。
後手の33桂が45に跳ねるのを防ぐ、あるいは72の飛をこれ以上活用させない(76の地点をしっかり守る)というのが本筋になります。


× 自然な手は35角ですが66桂がありますね。

金桂交換で、トータル金と角の交換になると穴熊を固めやすくなりますから、駒得はほぼ消えたようなものです。まだ互角に近いとはいえ、好んでこの局面は選ばないでしょう。


△ 実戦は44角でした。

これなら66の地点に利きが増えるので攻防になりそうなのですが、45桂46角64桂65銀37銀

両取りの筋があって、駒得が小さくなりました。それでも形勢は互角に近かったのですが、手順省略でこういう図

48銀と打って角を消せば先手が指せたと思うのですが、67銀が当然のようでも悪くて、86飛同歩76歩同銀75歩

と食いつかれて受けるのが難しくなりました。どこかで手抜いて寄せ合いに行って悪くもないようで、でも穴熊が勝ちやすいものなのです。

戻って44角45桂には79角

と両取りにならない位置に引いて我慢するのでしょう。実戦の46角として悪くないように見えるので仕方ない気もします。(35角行には34歩から35銀がある。)


△ 攻めるなら64歩(64同歩に63角)とか見えますが45桂

の時に角をどこに逃げるか悩みます。75角に52金63歩成同金64歩

で調子が良いようですが、75飛同銀64金同銀37角

というのは66桂も残っていますし、乱打戦になると危なさそうです。


× 94歩と端を攻めるのは

94同歩93歩同香85桂77歩

と反撃がきついので、今指したい手ではありません。


△ 46歩として45桂を防ぐ手は55歩

が嫌な感じです。けれど67金56歩66角74桂33角成86桂同歩

銀と「馬」桂の交換で、これは2枚換えなのですから後手の戦力が減ったことを意味します。
75歩同歩76歩が嫌なところで、85桂75飛66銀77銀

が受けきれるかどうか。87玉とかわして先手が残しているとは思います。受け間違えると負けですが、3枚の攻めですから受けに自信があれば、という手順です。
こういう展開は26の飛車が遊んでいるので、少し感触が悪いところです。


○ 67銀と打ってしまうのがわかりやすそうです。

これで66桂や76飛を防いでいます。45桂には35角

として53角成を狙います。後手が無理に攻めるなら、75歩同銀同飛同歩76歩同銀66桂

88玉58桂成同金66金ですが、44角打

という反撃筋があります。


○ 67金と守ってもよく

今度は75歩の攻め筋はありません。45桂35角52金に44角

から33角成や36飛~31飛成を狙います。68金直も指しておきたい手です。



☆ まとめ
駒得を生かすには、もっと駒得を目指すのではありません。相手の戦力を奪うような駒得ならよいのですが、それはかなり有利なときです。
少し駒得したら自玉に手を入れるくらいの心構えが良いでしょう。

問題図で攻めるなら、64歩が一番よいのだと思いますが、6筋の歩が切れてしまうと攻められやすくなりますし、危険な感じです。実戦なら64歩同歩63角でよし、と思ってしまうかもしれませんが、穴熊なら手抜きがあるかもしれないので慎重に。

それよりは67銀と投入するか、67金と上がっておくか、を勧めます。長期戦になれば有利になりやすいのです。

46歩も有力ながら、角と飛の利きを止めることになるのであまり筋はよくないです。


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