【活動報告】日本女子付属高校出張授業

2012年02月09日 | 活動報告
 1月13日、私達は日本女子大学付属高等学校で出張授業をやらせていただきました。45分の通常クラスを2つと、90分の選択クラス「時事問題」で授業を行いました。
 今回の出張授業のポイントの一つとして、授業内容の異なる二つのクラスを担当させてもらえたところにあります。あまり原発に関して触れてこなかった生徒たちと、原発に関して知識、関心はあるものの当事者の視点からの問題をあまり見ていない生徒たち、この2通りの生徒にたいして、授業を通じてそれぞれになにを伝えられるのかということがセイピースとして重要な課題でした。


■授業内容
[通常クラス]
 通常クラスでは、福島の現状と実態を身近に感じてもらうために、まず導入として原発事故後の福島の状況についての映像を見ました。これは実際に福島の子どもたちがすでに症状を出しており、被ばくを強いられているという現実を理解できる映像です。
 映像を見たあと、いくつかのグループに分かれて感想を聞いて、ディスカッションを行いました。「子どもたちの具体的な様子を見て、他人事ではないと思った」と問題を身近に感じてくれた生徒は多くいました。また、チェルノブイリについては詳しくは知らない生徒が多く、映像を見たあと日本の避難基準について疑問を持ち、「政府は何をしているのだろう」といった意見が多数挙がりました。
 積極的に私たちに質問をして、意見を述べてくれる生徒は多く、「今まで知らなかったから、この授業で現状を知れて良かった」、「これからは自分にできることがあるなら何かやりたい」となるなど、問題意識を持って次に何をすれば良いかという所までディスカッションを発展させることが出来ました。
 やはり、東京にいる私たちは福島の現状を遠い問題だと考えてしまうようです。身近な問題として捉え、そこで何が問題なのか理解し、自分に何ができるのか、ということを授業全体のまとめとして示すことが必要なのだと思います。



[選択クラス]
 選択クラス「時事問題」では沖縄米軍基地問題、「基地に振り回される人びと・高江」というテーマで授業を行いました。3.11を経て4月以降ずっと原発問題にしぼって学習をしてきたクラスで、もともとの原発問題に対する知識は十分にある生徒たちでした。
 まず簡単に高江ヘリパッド問題についての説明をしたあと、「問題」の中には具体的な「人」が当事者としているということを認識してもらうために、高江の住民が撮った映像を見ました。
 映像を見たあといくつかのグループに分かれてディスカッションを行いました。「ヘリの音が思ったよりうるさかった」などといった率直な感想や、「沖縄の問題も、福島の問題も日本政府の問題だ」といった鋭い意見も挙がりました。基地や原発を地方に押しつけている構造から、この授業の狙いでもある問題の共通性を理解し、これからどう動くのかを話し合いました。
 また、実際に高江に座り込みに行ったセイピースのスタッフの体験話をすると、「当事者の問題にとどまってはいけないと思う」と、問題の中には当事者が実際に存在しているということも伝えることができたと思います。
沖縄の問題を身近に捉えさせるのは難しく、本土にいる私たちの立場からなにができるのかという展開はなかなか困難でしたが、基地問題と原発問題を照らし合わせ、共通性を見つけることで、日本の問題を理解することが重要なことだと思いました。



■全体を通して
 今回の原発事故で、多くのものを失った人々はたくさんいます。生活、コミュニティが破壊され、家族の分断、健康への被害。放射能の健康被害は未来の子供たちにも影響を与えることになるでしょう。今回の授業を通じて、この事実はいまだにまったく共有されていないことを実感しました。身近な問題として捉えてもらうために、実際の被害を明らかにすることで、被害を受けている当事者の存在を知ってもらうということはNPOとして重要な役目です。
 そして身近な問題であることに気付かせ、「自分にも何かできることがあるのではないのか」と思った人たちの行動できる場としてセイピースは在るべきだと思います。
現在、原発事故によって避難を余儀なくされた人には支援が必要とされています。東京には母子で避難されている方が多く、お子さんも小さいとのことで私たちセイピースは買い物サポートなどの生活支援や、被ばく、賠償制度の情報提供などを行っています。
 しかしこれらの支援だけでは根本的な社会の問題は改善されません。支援を通じて見えてきた問題を社会に提起することで、原発問題に関しての意識を変えていく取り組みが重要になっています。
 「何かしたい」、その人の行動が実際に社会を変える力につながるようにNPOとして、セイピースとしてこれからも活動していきたいと思います。
ジャンル:
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キーワード
ヘリパッド チェルノブ
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