雨ときどき晴れの読書日記★

ミステリーを中心に、読んだ本の感想を書いています。

砂漠

2010-11-05 22:46:28 | 伊坂幸太郎
めっちゃ久しぶりの更新です。

いろいろ事情があって、再会のために再開します。
なーんつって。。


******************

さて、本作「砂漠」は、敬愛する伊坂先生の作品。

相変わらず、めっちゃ面白い。。

こんな友人に囲まれた学生生活を送れると、
幸せだろーなぁって思った。
(オレも十分、幸せな学生生活だったけどね)


相変わらず、登場人物はみな魅力的。
なかでも、西嶋が最高だ。。

うちの職場に、西嶋という名前の人がいるんだけど、
その人が会議で発言するたびに、
「あの西嶋なら、こう熱弁するな~!」って空想してしまう(笑)

現実には、物静かな女性なんですけどね~。。
「西嶋」という名前が一緒なだけで、
彼女が気になって仕方ない今日この頃。。
これはきっと、恋愛感情に発展するだろう。


なんてことはまるでない。



「噂」

2009-06-05 00:09:04 | その他
「噂」 萩原浩 ☆☆☆☆
 
 
萩原氏の作品を手に取るのは、はこれが初めてだった。
 
何気なく、古本屋で手にとって、
文体が自分の好みだったから購入してみた。
 
結果、アタリだったな。
『最後の一行に衝撃のラスト!!』 という謳い文句も、そのとおりだった。
 
いろいろアラを探せば何かとあるのかもしれないが、
ミステリー&サスペンス、そしてホラー的な要素まで包括しており、
かなり内容のある作品だったと思う。
私が興味のある群集心理みたいな話も良かったな。
 
私にとって、一気に読めたかどうかってのは、
その本の評価につながる重要なポイントであるが、
「噂」は500ページ近いながらも、1日で読んでしまったのだから、
やはり、面白かったということなのだろう。。
 
最後の、本当に、最後の1行で、
「え?」「どういうこと??」という衝撃というか、戸惑いをぜひ感じて欲しいなと思う。。
 
 

「ホワイトアウト」

2009-06-04 08:53:29 | その他
「ホワイトアウト」 真保裕一 ☆☆☆
 
 
実は、原作を読む前に、映画を先に見てしまったのが「ホワイトアウト」。
 
原作を読んだのがついこの前。
映画を見たのは10年ぐらい前。
 
かなり年数が経ってから読んだので、比較的、新鮮に読めたが、
映画の織田裕二さんのカッコつけた主人公・富樫の印象と、
原作の富樫さんの印象が微妙にズレてたのが面白かった。
(織田さんの演じる富樫はカッコ良すぎ!)
 
映画を見た後でなければ、もっと楽しめたかなぁ・・と思う。。
違うフィルターを通して原作を読んでしまった感じで残念に思った。
 
映画を見た先入観がなかったら・・・、
☆も4つぐらいにはなってたかなぁ。。
 
 

「4日間の奇蹟」 

2009-06-03 23:39:06 | その他
「4日間の奇蹟」 浅倉卓弥 ☆☆☆
 
 
感動ものだったなぁ・・とは思う。
すごく綺麗な小説だとも思う。
 
だけど、
「え?なんで何で?」「この先どうなるの!?」といった、
先を読みたくなる衝動に駆られるようなことはなかった。
 
あまりに、予想どおり過ぎて、
ミステリー好きとしては、もうひとヒネリぐらい欲しいなぁ・・というのが正直なところ。
 
私は一時期、クラシックに凝ったことがあるので、
音楽を題材にしている点にはかなり好感が持てたが、
全体としては、
グッドだけど、エクセレントとまでは言いがたい・・といったところか。
 
フィクションとしてはプロットが平凡なものの、
真理子が吐くセリフ、彼女の心情や生き方には、何だか心温まるものを感じた。
 
人っていいよね・・・と素直に思えた。



「ジウⅠ 警視庁特殊犯捜査係」

2009-05-31 22:40:50 | その他
「ジウⅠ 警視庁特殊犯捜査係」 誉田哲也 ☆☆☆☆☆
 
 
サイコーに面白かった。。
とにかくテンポが良い。そしてスリリング!
 
誉田哲也氏の作品は「ストロベリーナイト」以来だが、
前回同様、すごく読ませるし、登場人物の描き方がウマイ!!
 
物語の中心は美咲と基子という特殊犯捜査係(SITという名前の方が知られてるかな?)の女性2人。
とにかく優しく女性らしさを前面に出すタイプの美咲と、
殺気むんむんで自分の身体を鍛えて他者よりも強くなる執着心の塊のような基子。
 
ワタシはかなり本格的に剣道をやっており、
自分の青春時代は身体を鍛えることが毎日の目標だっただけに、
キャラとしては基子に感情移入してしまうし、彼女のストイックな姿勢には共感すら覚えてしまう。。
 
特に、基子が「競技でしかない柔道・レスリングを辞めた理由」には納得してしまった。。
ワタシも、面・小手・胴・突しかない剣道のルールに対し、
「本当に真剣を使ったら、打突部位なんて何の意味もなく、
構えも攻め方もまったく違うものになるだろう。
つまりは、剣道は武士の世界とは無縁の存在なのではないか??」
・・・と考えたことがあるのだ。。
人を倒すという強さを求めるのであれば、
ルールがない世界に行きたくなる気持ちが分からないでもないのである。。
これは、柔道五輪メダリストの石井慧氏が格闘技に転向した真意にも通じるのではないだろうか・・・。
 
 
少し脱線してしまったので、本の内容に戻ろう。
 
物語のはじめはSITの同班だった2人も、途中でともにSITから異動することになる。
美咲は所轄へ、基子はSATへ。。
異動しつつも、彼女ら2人の交錯する運命も見もののひとつである。。
 
あと、警視庁を舞台とした警察組織内のめまぐるしい攻防にも圧倒される。
ワタシは警察関係者ではないので真実のほどは何も分からないが、
文字通り、目が離せなくなってしまう。。
 
ちょっと残酷なシーンが出てくるので、血なまぐさいことが苦手な人はNGだと思うが、
アクションものの映画が好きな人なら、きっと気に入ることと思う。。
 
 

「向日葵の咲かない夏」

2009-05-29 23:39:25 | その他
「向日葵の咲かない夏」 道尾秀介 ☆☆
 
 
これ、叙述トリックっていうやつ??
 
まんまと作者に騙されてしまった。。
そりゃ、3歳のミカがあんなに大人びているなんて、おかしいと思ってたけど、
途中から、蜘蛛に生き返る話が普通に受け入れられているんで、
「そういう世界観なんかなぁ・・・」と、さして疑問を挟まず読み進めてしまっただけに、
え、そういうことだったの!!という衝撃は大きかった。
 
折原一氏もそうだけど、この手の小説を読んだ後って、
すんごく読書後味が悪いんだよねぇ・・・。
今回も、自分の騙されっぷりに幻滅し、すごく後味が悪かった。
そもそも、本の内容がすごく暗く、
夏の話のはずなのに、暗黒の冬時代を描いたみたいで気持ち悪かった。。
 
ただ、「やられた感」は強い作品なので、
ミステリー好きなら読んで損はないと思う。。
 
よく読めば、
ミカを人間と思わせるトリック(母親がミカのスカートを直す描写)があったりして、
深く練られた作品なんだな・・・ということは分かるハズだ。
 
でも、やっぱこの後味だけはいかんともしがたく、☆2つにしとこう。。
 
 

「レタス・フライ」

2009-04-30 08:38:43 | 森博嗣
「レタス・フライ」 森博嗣 ☆☆☆


収録された短編のうち、「刀之津診療所の怪」は面白かった。
まさかこんなところで、小鳥遊クンと出会えるとは。
 
・・・でもね、氏の作品を全部読んだ人でないと、
小鳥遊クンが誰なのか分からないと思うな。
 
ヒントはフランソワ(だったっけ??!)。
 
 
 
4月は森博嗣月間ということで、
毎日の更新をすべて氏で飾ってみた。
 
似たような感想ばかりになってしまったのが反省点か。。。



 

「ZOKUDAM」 

2009-04-29 08:35:57 | 森博嗣
「ZOKUDAM」 森博嗣 ☆☆☆☆
 
ロミ・品川とケン・十河が主人公・・・なんかな。
 
ZOKUの続編かと思いきや、永良野乃ちゃんらが悪役で、
ロミ・品川とケン・十河らが善玉となっている。
 
全体的なイメージは、ヤッターマンか。
そもそもロミ・品川って、ドロンジョさん以外のイメージが出来なかったのだが。。
 
そんな話はさておき、こういうバカバカしい小説ってたまには良いな。
本を読む息抜きのための本ってヘンな言い方だけど、
そんな感じの1冊だった。
 

「虚空の逆マトリクス」

2009-04-28 08:37:52 | 森博嗣
「虚空の逆マトリクス」 森博嗣 ☆☆☆


これもまた短編集。
中には数ページだけの作品もある。

これまた、推敲段階でボツになった作品、あるいは、
長編にも短編にもなりきれなかった出来そこない作品を、
堂々と売ろうとしているように思えてならない。
まさか、金儲けに走っているのか???


・・・そんな作品がちらほらあったものの、
「トロイの木馬」「ゲームの国」などはなかなかの出来であった。
素直にこれは面白かった。

やっぱり、森氏はこういうのを書いてくれなきゃ。
しょうもない作品を出すことで、氏の評価を落とすことはして欲しくないな。



「今夜はパラシュート博物館へ」 

2009-04-27 08:36:31 | 森博嗣
「今夜はパラシュート博物館へ」 森博嗣 ☆☆


短編集。

S&MシリーズやVシリーズの番外編的な
「ぶるぶる人形にうってつけの夜」は結構楽しめた。

しかし、
物語そのものが良くできていて楽しいのではなく、
過去のシリーズの木洩れ話が面白いのであって、
あくまで、過去の作品を読んだ人でしか楽しめないのが難点だ。

森作品に精通していない人が読めば、
良いところを探すのに苦労するだろうな・・・。

少ない文量の中で物語をまとめあげる、
短編ならではの楽しみ方、短編だからこその良さは、
この本からは微塵も感じられないのである。

厳しい苦言と承知で発言するが、
「長編に成り得なかった出来そこないの物語を短編として発行した」
という表現が一番適切だろう。