新・ヤンガー日記

元管理人が徒然なるままに綴る
リズムヤンガーの日々、
音楽の日々。

わたしは真悟1

2010-04-14 16:40:50 | 読書
天才・楳図かずお氏の28年前の作品です。なぜ今この記事を書こうかと思った理由は、


1 建造中の東京スカイツリーが、東京タワーの高さ333メートルを越えた。

2 東洋線オイカワくんがこのマンガの記事を書いていた。

3 書店であり得ないモノを目撃した。


<あらすじ>
小学校の社会科見学で出会ったさとるとまりんは、互いに惹かれあい、産業用ロボット「モンロー」に言葉を教える。しかし身分違いの二人の恋は大人にによって引き裂かれる。大人になることを拒否した2人は、自分たちの子供を作るため、モンロー」の指令に基づき、東京タワーの頂上から救助にきたヘリコプターに飛び移る。自我に目覚めた「モンロー」は自らを「真悟」と名乗り、伝えられなかったさとるの愛の言葉を、まりんに伝えるための旅に出る。その過程で引き起こされるさまざまな奇跡・・・



60~70年代に「鉄腕アトム」で表現されたロボットはとても夢にあふれたものだった。しかし、80年代に実際に登場したロボットは、実用的なハンドアームに無骨なコンピュータとモニタを備えた無機的なモノだった。だが、子供とは新しいもの、異形なものに鋭く反応する。母に、そして父のもとへ向かう「真悟」を、多くの子供たちが取り憑かれたように支援する姿がとても興味深い。

東京タワーのシーンはチビりそうなくらい怖いのだが、楳図先生ならではの典型的な恐怖マンガではない。物語ではさとるはマセた同級生たちの中で唯一少年ぽさを保ったがための浮いた存在であることが、丁寧に描写されている。80年代という、バブル崩壊前夜、モノが巷に溢れた飽食の時代。そんな物質を中心に廻っている世界だが、本当に大事なものは「アイ」なのだということを訴えている作品なのではないだろうか。ああ・・・言葉に表現すると陳腐すぎる。私の駄文で綴ることをはばかられるが、エンディングは落涙必至の感動作なのだ。

そして、多くの解明出来ない謎がこの作品を支配している。真悟の作った「毒」のオモチャとは?エルサレムで、佐渡島で起こった出来事とは?「日本人の意識」とは?美紀ちゃんとは?問題のラストシーンの「虹」の意味は?
これら回収されない謎を探るべく、10年以上も前のインターネット草創期に検索を試みたが、当時このマンガに関する情報は殆どなく私を落胆させたものだった(まだWikiもYouTUBEもない頃だった)。

それが、先週のことだった。書店で私が発見したものは・・・

(画像は初版を含む単行本「わたしは真悟」全10巻)

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