金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

「フィリップス曲線」は死んでいる?

2017年09月20日 | 投資

CNBCがエコノミスト、ファンドマネージャー42人に調査したところ、76%の回答者が連銀は12月の政策金利を引き上げるだろうと答えた。

(一般の市場予想では12月の金利引き上げを予想する割合は5割程度)

また回答者の68%は、連銀は10月までにバランスシートの削減を開始するだろうと予測した。

4.5兆ドルの債券投資額を2.5兆ドルまで削減するには4.4年かかると計算されるが、経済成長や株価に与えるマイナス影響はそれほど大きくないと回答者たちは答えた。

コメントの中で興味を引いたのは、Desision Economicsのチーフ・グローバル・エコノミストAllen Sinai氏の「フィリップス曲線は死んでいる」というコメントだった。

フィリップス曲線は1958年に英国の経済学者アルバン・ウイリアム・フィリップスが発表したもので、賃金の下落と失業率の間には逆相関関係があることを長期データから示したものだ。

だが今米国や日本で起きていることは、失業率がドンドン低下しても賃金は余り上昇しないというフィリップス曲線とは違う現象だ。

回答者の45%は「失業率とインフレの間にはほとんど関係がない」と答えている。

もしフィリップス曲線が死んだとすれば、その原因は技術革新だ。今後も人工知能や自動運転技術などが、賃金上昇を抑える可能性は高い。

ではインフレが進行しない中でなぜ連銀は政策金利を上げる必要があるのか?

それは資産価格が急速に上昇しているからである。一般の商品やサービスの値段はあまり上がらないが不動産等の資産価格の上昇が急なので連銀は政策金利を引き上げて、過熱感を冷やそうとしていると考えられる。

さてこの調査結果が正しかったかどうかは今週発表されるFOMC後の声明の中で一部判明するだろう。

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FOMCを控えてハイテク売りの銀行株買い

2017年09月19日 | 投資

昨日(9月18日)の米国株市場は、ダウ・S&P500・ナスダックとも上昇。ダウは今年40回目の高値更新、S&P500も高値を更新した。

自分のポートフォリオを中心に昨日の動きを見ると、アマゾン・アルファベットなどハイテクが売られ、バンクオブアメリカが買われた。

バンクオブアメリカ、シティグループなど金融株が買われている理由は、長期金利が今秋のFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果次第では長期金利が上昇するのではないか?という思惑があるからだ。

10年物国債利回りは先週末の2.202%から2.2330%に上昇し、ドル円為替は111円台までドル高に向かった。

今回のFOMCでは利上げは予定されていないが、連銀はバランスシートの縮小を開始するとみられている。

連銀は水曜日に4.2兆ドル保有しているモーゲージ債・国債ポートフォリオの緩やかな縮小案を発表する予定だ。

このことは既に数カ月前から市場は知っていたが、ほとんど警戒してこなかった。だがFOMC直前になって連銀のポートフォリオ縮小が長期金利に与える影響を考え始めたようだ。

6月に連銀が発表したプランでは、連銀は満期が到来するモーゲージ債の内40億ドル、同じく国債60億ドルを期日落ち切りとして再投資しない。この方法で少しずつポートフォリオを縮小していく訳だ。

落ち切りにする金額自体は市場規模に比べると微々たるものだが、投資家が注目しているのは「連銀の債券縮小プログラムが順調に進むかどうか?」という点だ。連銀がリーマンショック以降8年にわたって続けてきた資産購入を緩やかにはいえ削減に向かうということは、非常時に中央銀行が大規模に債券を購入し、大恐慌を避けるという金融政策が間違っていなかったということを示すし、縮小プラグラムがうまく行かない場合~市場に混乱が起きる場合~は、金融政策の疑問符が付くことになる。

市場は連銀から「債券縮小プログラムの実施と引き換えに12月の政策金利引き上げ検討は慎重に行う」というお墨付きを引き出したいのかもしれない。

ところで銀行株自体にも長短金利差以外にも買われる理由はある。例えばバンクオブアメリカについていえば、リーマンショック以降積極的な店舗網の見直しを行い、店舗全体では5,976店舗(2009年)から4,642店舗(2016年)に減らした。

単に店舗総数を減らしただけではない。労働人口が減少している地方小都市の店舗を積極的に閉鎖し大都市圏では新規出店を行っている。

かってバンクオブアメリカはネイションズバンクと合併した時「より大きくなることはよいことだ」と言っていたが、収益性重視を鮮明に打ち出している。

ウォーレンバフェット率いるバークシャー・ハザウェイは今年6月にバンカメの増配発表を受けて優先株を普通株に転換して、筆頭株主になった。米国の銀行がリーマンショック後の後遺症から脱却し、社会構造の変化に対応し続けていることを投資のプロが認めたということだろう。

金融株が買われたのには相応の理由があると判断した次第だ。

 

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ネパールの旅計画をマインドマップで整理する

2017年09月18日 | デジタル・インターネット

来月(10月)中頃から半月ほどネパールに出かける予定だ。

旅の目的は「所属するNPO法人が支援する小学校の修復状況のチェック」「支援している自然保護研究者への助成金交付」「カトマンズ郊外のミニトレッキング」「ゴサインクンドへの本格トレッキング」など多様だ。

目的の整理・関連づけ・準備のため「マインドマップ」というツールを開いてオーガナイズしてみた。

マインドマップというのはイギリスの教育者トニー・プザンが開発した発想のためのツールだ。発想を整理するツールとして使うほかにTo doリストの作成や自己分析にも使うことができる。

半月ほどの少人数の旅行だからマインドマップなど使わずにも計画を立てることはできる(実際今まで使っていない)が、これを機会に「マインドマップ」ツールを少し勉強しようと思った次第だ。

マインドマップは紙と鉛筆で書くことができるが、PC上のソフトウエアを使うとより簡単だ。私はXmind8というフリーソフトを使ってみた。

上記のマインドマップでは「目的」や「手段」(準備作業)が並列的に並んでいるが、個人の考え方を最初に整理するには、こんなところから始めて良いと思っている。

図の右側では「タイトル」(ゴサインクンドトレッキング)の下に幾つかの「サブタイトル」をぶら下げてみた(さらにその下の階層にもあるが隠している)。左側は「タイトル」だけを表示して「サブタイトル」以下は隠している。

パソコンでは仕事やプロジェクトを整理する有料・無料の色々なソフトウエアがある。本格的なプロジェクトの作業とスケジュールを管理するのであれば、ガンチャートを使うことになるが、ちょっとした企画をビジュアル化するのであれば「マインドマップ」は手頃だろう。

Xmind8はダウンロードすれば直観的に直ぐ使うことができる。

私はまだ書いていないが「シニアライフでやりたいこと」などというのも「マインドマップ」で書き始めるのも面白いと考えている。

旅は何か新しいことを始める良いチャンスである。

 

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米国民の58%が北朝鮮に対する軍事オプション行使を支持

2017年09月17日 | ニュース

最近のギャラップ調査(9月15日リリース)によると、米国民の58%が経済的・外交的努力により米国の目標(goals)が達成されない場合は最後の手段として軍事オプションを行使することを支持すると考えていることが分かった。

同様の調査は2003年にも行われた。それは2002年に米国務省が「北朝鮮がウラン濃縮計画を有しているとの情報を得た」と発表した後から高まった緊張の後である。

当時のブッシュ大統領は一般教書演説で「イラク、イラン、北朝鮮を悪の枢軸」という言葉で世界平和の脅威となる国家と非難した。

2003年1月時点でのギャラップ調査では47%が北朝鮮に対する軍事オプションの行使を支持(48%は不支持)した。

今回調査では軍事オプション行使支持が58%で不支持は39%だから、軍事オプション支持率は大きく上昇している。

これは北朝鮮の核兵器・大陸弾道ミサイルの能力が高まり、米国本土までがターゲットに入ってきたと感じる米国人が増えたことを反映している。

ギャラップはまた次のような調査も行っている。

「あなたの知見からみて、半年以内に北朝鮮が米国を攻撃する軍事オプションを行使すると思うか?思わないか?」

調査結果は38%の人がイエスでノーと答えた人は59%だった。

ギャラップは韓国でも「北朝鮮と戦争が起きる可能性について」世論調査を今月行っている。それによると韓国人の58%は戦争が起きる可能性はないと答えていた。韓国人が北朝鮮の連続的なミサイルテストに比較的落ち着いた反応を示しているのは「挑発に慣れっこ」になっていることによるのだろう。

だが火の手は北朝鮮・韓国であがるとは限らない。米国民が北朝鮮のミサイルを自分達の直接的脅威と感じた場合は米国が先制的な攻撃を行う可能性があるからだ。

北朝鮮問題について韓国は蚊帳の外にいる。韓国は北朝鮮に対話を呼び掛けているが、北朝鮮は無視。一方トランプ大統領からは融和政策を批判されている。

北朝鮮は米国をターゲットにした大陸間弾道弾(ICBM)を実装・展開するまで交渉のテーブルにはつかないつもりでミサイル実験を繰り返しているから韓国の提案が空振りするのは当然ともいえる。

北朝鮮のロジックを冷静に考えると「ICBMを実装した後~つまり米国と対等に話ができると判断した後、交渉のテーブルにつく」ことを意味しているから、北朝鮮が先週のミサイルテストの後「戦力化が実現した」と述べていることは、交渉テーブルにつく可能性が高まっていると解釈することも可能だ。

もっとも「戦力化が実現する」ことを米国が単純に容認するとは思われない。それは米国の経済制裁政策・外交政策の敗北を意味するからだ。

今週から来週にかけて開催される国連総会におけるトランプ大統領の演説や各国の対応が注目されるところだ。

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韓国軍が対北ミサイル発射失敗で恥をかく

2017年09月16日 | ニュース

韓国の朝鮮日報は「北朝鮮危機:韓国軍赤っ恥、対北ミサイル発射に失敗」とセンセーショナルな見出しで、北朝鮮のミサイル発射後に韓国軍が発射したミサイル2発の内1発が発射直後に海に墜落した事実を報じていた。

9月15日朝北朝鮮が日本越えのミサイル発射実験を行った6分後に韓国軍は武力誇示の点から玄武2Aミサイル2発を発射した。1発は250㎞飛んで日本海の目標に到達したが一発は発射直後に海に墜落した。墜落原因は調査中とのこと。

朝鮮日報は「強力な対北報復力と意思を誇示しようろしていた韓国軍は体面を大きく損ねた」と書いている。

CNBCはこの記事を引用してEmbarrassing failure of 'Key' ballistic missile by Seoul raise questions of readiness「(対北対抗力の)キーとなる弾道ミサイルの恥ずかしい失敗は韓国軍の準備体制に疑問をよぶ」というタイトルの記事を書いている。

記事の中で米国のシンクタンクの責任者の「ハイテク兵器の失敗は起こりがちなもので、一発のミサイル失敗から私は多くのことを読み取ろうとはしない」という好意的?な意見を紹介していた。韓国のハイテク産業の技術レベルから考えると北朝鮮に以上のハイテク軍備を実装できそうな気がするが現実はかならずしも容易(たやす)くないようだ。

さて韓国首脳部はこのミサイル墜落から何を思うのだろうか?

「韓国軍は対北軍事対抗力が弱いのでもっと米軍に頼る」「韓国軍は対北軍事対抗力が弱いので北朝鮮との融和策を模索する」「韓国軍は対北軍事対抗力が弱いので軍備拡張を急ぐ」のいずれか?

それは今のところ私には分からない。

 

 

 

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