皆既月食の夜。

皆既月食の夜、うちの庭からも月がよく見えていた。
寒いので出たり入ったりしながら月が欠けていく様を見ていた。


途中で流れ星も見えた。
ふたご座の流星群らしい。


皆既食の頃には雲が出てきたため、肝心のお月さまが微妙に見えなくなり、
あんまり意味ないかな～と思いながらも部屋の電気を消したみた。


全く意味がなかった。
雲なんだから無理なんだってばさ。


暗いままの部屋に入ると夫が
「暗くてストーブだけだと、地震の時のこと思い出さない？」
と語ってきた。


ゴゴとクー子は「何か普段とちがう」という様子で
ちょっとバタバタしている。
さすがに地震後の生活を思い出しているとは思いにくい。


つくねは、懐中電灯のヒモの部分が気に入ったらしく、
懸命にからみついてきていた。






つくねは地震の時にはまだ生まれてもいなかった、

ということに改めて気がついた、

皆既月食の夜。