さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

昨日の試合は

2010-09-26 09:53:55 | 関東ボクシング
夕刻、とあるお店で友人たちと会食しながら見ておりました。
このお店にはかなりの大画面TVが設置されていて、それを正面から見られる席だったので、
実況解説は聞き取りにくかったものの、きちんと試合映像を見ることが出来ました。


判定ですが、TVで見ていた限り、坂田の勝ちはないように思いました。
会場で見てきた人の意見だと、そうとも言い切れないような話も聞きましたが、
私は、差の大小はともかく、批判されなければならないような判定ではないと見ます。


負傷のハンデもあったとはいえ、坂田にはもうちょっと何とかなった試合ができないものか、と苛立ちました。
相手のジャブを安易に食いすぎるし、往時のように、相手のサイドに食いつく巧みさも執拗さもない。
さらに、クリンチの際はもっと巧く立ち回って打ち、防御しないことには...
いつまでも昔のように無尽蔵に体力があるわけでもないのに、それを補う何かを用意した形跡がない。
良さが衰え、悪いとこは全部そのまま。何だこれは、と率直に言って失望しました。


亀田大毅がこの試合の勝者であることには、異議はありません。
しかし、この程度の実力で世界タイトルマッチと名のつく試合に勝てる、勝ててしまう、
そのこと自体に諦念を抱く試合振りは、こちらも今までどおりでした。
私は以前、この選手は本当なら世界戦に辿り着くまでの、どこかの段階で淘汰されていて然るべき選手だ、
と書きましたが、その私の考えを変える何かは、今回の試合でも見出せませんでした。


このWBAフライ級は、正規王者が彼で、暫定王者がルイス・コンセプションなわけですが、
実力的には暫定王者コンセプションの方が遥かに上です。誰の目にも明らかなことです。
そして、現状では彼がコンセプションとの統一戦を闘うことは決してないでしょう。
闘おうとはしないでしょう、と書くのがより正確かもしれません。
王者の証明、というような言葉は、きっと彼(彼ら)には、何の意味も持たないことでしょうから。

彼は、それで通る、通してしまう「彼ら」の力と意志、それを許す世界的なボクシング業界の荒廃が
産み落とした、時代の鬼子とでもいうべき存在なのでしょう。


見終えた後、なんとも空しい気持ちになった試合でした。
双方の闘いぶりに、感心できるものを見出せなかったのも確かですが、
この、認定機関に世界タイトルマッチと認められ、しかし少しでも興味を持って
ボクシングを見ている者誰もが、これはそんな試合ではないとわかっている試合に
いったい何の意味があり、その先に何があるのか、さっぱり見えてこないから、です。


少なくとも、TBS系列で扱われる一連の粗悪品タイトルマッチは、来月、再来月と続く
西岡や長谷川のやる試合とは、別物と考えて間違いないでしょう。

とりあえず、気持ちを切り替えて、来月以降のビッグマッチを楽しもう、と思っています。
そういう割り切りが出来たことがせめてもの幸いだったのかも知れません。


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10 コメント

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Unknown (アラサーファン)
2010-09-26 18:35:05
正直8点差はないですが私も坂田さんの負けだなと思いました。世界戦のキャリアが多い割に真正面から正直に突っ込むだけ。体力、馬力に任せた突進だけでは亀田の長所と被るのできついです。
正直今のフライ級はナルバエスもドネアも去り、衰えた元王者がいつまでも上位にいて面白くないです。ロマゴンがやって来るまでこのままなんですかね。
Unknown (neo)
2010-09-26 20:26:54
自分はまだ競技者なので、実際に闘う選手寄りの観点にならざるを得ないのですが、闘志がぶつかり合ったいい試合だったと思います。
ただ、坂田選手は残念ながら前回の闘いで終わっていたのかな、と思います。攻めの速さ以外は世界レベルではなく、攻めの速さを支えるスタミナ、タフネスを失えば、誰とやっても、勝ち負けは知らず、苦しい試合になるでしょう。
一方の大毅選手ですが、泥臭い試合ばかりの印象ですが、それを勝ったり負けたりしながら乗り越えて、強くなっていると思います。競技は違いますが、自分がやるとしたら、興毅選手よりもある意味やりづらいです。体力があり、若く、キャリアがある。また、カウンターの左フックは何種類かのタイミングがあり、相手からは非常に嫌な武器だと思います。また、意外と左ジャブが良く、足を使える面もある。センスが無い為か、意外と考えて闘える。
取り止めもないですが、まとめると、自分の中ではアリの選手です。
ただ、いろいろ状況を考え合わせると、総合的にはツッコミたいところは有りますがね…( ̄◇ ̄;)
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2010-09-26 23:39:11
>アラサーファンさん

勝ち負け自体はTV見た印象では動かないと思いました。ただ、会場で見てきた方の声として「坂田の勝ちだと思ったから驚いた」という意見も聞きました。大毅は全部単発で受け身で、ポイント取ったと言える回がそんなにないと見えた、というような話でした。そういう見方もあるようです。

坂田の闘いぶりにはがっかりでしたね。もう引退すべきだと思います。一打必倒の強打を持たず、1ラウンドに1点ずつ取っていかないと勝てない選手なのに、立ち位置が悪く、正面からしか行かず、接近してからサイドに回ることもなく、安易に打たれて失点するという効率の悪さは、ベテランであるにもかかわらず非常に拙く、言って悪いが見ていられませんでしたね。しかも相手がパーラやバスケスのような一流でもないのに、この内容と結果はあまりにも厳し過ぎると思います。

フライ級は記事にも書いたルイス・コンセプションが今のところ最強なんじゃないですかね。大毅については、おそらく王座返上も近いでしょうね。しかし減量の問題がなくとも、王者としての彼は言ってみればそのうち消える幻のようなものです。王座を防衛し続けることによって名誉や報酬を得ようという意志はおそらく無く、いわばアリバイ作りのための試合だけをやったら、もうベルトに用はないという感じに見えますね。


>neoさん

確かに単発のパンチの切れや、左フックのカウンターはそれなりなものもありましたね。しかし私は、あの程度のパンチを単発で見せるだけで勝ててしまえる試合そのものが、世界タイトルマッチどころか日本レベルの試合として見てもどうかな、という感想を持ちました。攻防の密度が薄く、テンポも単調な両者の闘いは、例えば坂田がかつて闘ったトラッシュ中沼との二試合よりも遙かにレベルの落ちるものでした。大毅があの時の坂田や中沼のやった闘いの相手を強いられたら、彼なりに考えて闘う余裕を持ち、体力を生かして闘えるかどうか、私は疑わしく思います。

彼を取り巻く「状況」は、何もかも彼に都合良く回り過ぎますね。かつて私がボクシングを見ていた頃は、世界の統括団体やプロモーターが強いた、避けようの無い強敵との闘いが、年に一度、防衛回数で言えば三回か四回にひとつは必ず回ってきたものですが...。

テメーふざけんなよ! (アンチさうぽん)
2010-10-01 00:46:13
良い加減大毅を認めろや!
前王者の坂田に勝ったんだから十分王者の証明だろうが!
結局テメーはどんな内容で勝っても難癖つけたいだろうが!
ふざけるなボケ!
だいたいテメーはここまで来るのに大毅がどれだけ減量に苦しんだか分かってんのか!
本当ならデンカオ戦後、倒れた事も有り、返上したかった所をお前らが坂田に勝たないと真の王者と認めないと言うから大毅は男らしく坂田の挑戦を受けて地獄の減量に耐え抜き、勝利を得たんだ!
なのに今度はコンセプションに勝たないと認めないだと?
テメーとことん腐ってやがるな!
WBAが勝手に作った暫定なんか知るかよ!
だったら石田や内山も批判しろよ!
石田は正規王者とやらないし、内山は暫定王者とやらないじゃねえかよ!
大毅だけ批判するのはダブルスタンダードも良いとこだろ!
別にコンセプとやってやっても良いけどな!
これは命に関わる問題なんだよ!
あの長身でフライ級維持するのがどれほど大変かはテメーだって分かってんだろ?
坂田に勝って世界王者の重責は果たしたんだから仮に返上しても文句は言わせねえぞ!
分かったかこのクズヤロー!
そうやって一生亀田の足引っ張って、世界の隅っこで雨水を飲んで辛うじて生きてろ!
Unknown (通りすがりさん)
2010-10-01 15:47:40
ホント、ただの感情論だね。>アンチさうぽん
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2010-10-02 23:05:21
>通りすがりさん

また、何かお名前を書いて、書き込んでもらえると嬉しいです。
本日、新王者も誕生したことですし、また何か楽しい話題のときにでもいらしてくださいませ。
よろしくお願いします(^^)
Unknown (小森裕樹)
2010-10-11 20:46:36
>WBAが勝手に作った暫定なんか知るかよ!
これはそのとうりだと思いますよ。大毅選手がデンカオセーンと再戦するときに坂田選手が内定していたのをよこどりしたのも納得いきませんが、この暫定王者の存在も納得いかないです。コンセプションが最強とかゆうならこんな王座は返上してWBCにでも挑戦すればいいと思いますね。僕はどうしても大毅選手がコンセプションとやる必要はないと思います。WBAが対戦を義務づければ別ですが。アンチの方々は大毅選手がボコボコにされるのを見たいからコンセプションとやれと言うのでしょう。というかアンチは亀田兄弟がもしこの先長谷川選手や西岡選手のようにすごい実績を残してもなにかしらケチをつけると思います。
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2010-10-12 00:06:22
>小森さん

どうもはじめまして。暫定王者の制度に対する反感は私も同感です。ただ、コンセプションが、大した力もないのに王座を争奪している日本人ボクサー二人よりも遙かに、世界王者に相応しい試合をしているのと平行して、あのような内容の乏しい試合が「世界タイトルマッチ」として挙行されている、私はその現実に空しさを感じた次第です。

亀田大毅がコンセプションとやるべきか否か、ということについて、私は何の意見も答えも言いたくありません。昨今のWBAに代表される暫定王座運用の出鱈目ぶりの前に、そのような是非論は無意味です。ただ、一般論としては、最強の証明というようなものを追い求める姿勢はあって然るべきだと思っています。そして、私はそのようなものを亀田大毅に求めているわけではありません。あらゆる意味において、それは無理というものでしょう。

あと、私は亀田大毅が誰かに「ボコボコに」されるのを見たいとは思っていませんし、積極的にアンチですらありません。試合ぶりと肩書きが全然釣り合っていないということを言いたいだけです。そして、私が誰かのアンチであるとするなら、それは亀田兄弟の人気を利用しようと考えて彼らを一時期バックアップし、結果、ボクシング界の信用、ボクシングというスポーツの価値を下落させた、業界の支配体制にある幾人かの人々に対して、です。

Unknown (小森裕樹)
2010-10-12 12:54:50
返信ありがとうございます。
仰るとうり現在のフライ級は完全にアジアで持ちまわしのローカルタイトルですからね。コンセプションのような本格的な選手の方が正規王者の地位にふさわしいのでしょう。本当にWBAはこの暫定とかいうのをなんとかしてほしいもんです。
僕も亀田選手には最強の証明というものを期待していますが、それは難しいですね。もう少し国内の選手とのガチンコバトルをやってほしいですね。
これも仰るとうり業界にも問題がありすぎましたね。亀田以外にも世界一の男が何人の国内にいながらその存在をほぼ無視していたマスメディア等もバカヤローです。得に徳山選手が気のどくでありません。長谷川選手ももっと早くその存在が世間し知られるべきでした。この国がおかしいのですかね?
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2010-10-12 16:56:25
>小森さん

WBA、WBC王座の国内持ち回り状態が続いた結果、ここ数年のフライ級はIBF、WBOの王者が「世界」フライ級王者としての仕事をほぼ全て担ってきたという状態でしたね。ダルチニアンを鮮烈に破ったドネア、長期政権を築いたナルバエスらが、ムザラネ、マルチネス、ホイットフィールドのような強豪挑戦者と繰り広げた試合の迫力は、内藤vsポンサクレックの3、4戦目や坂田がバスケスを破った試合をはっきりと上回るものでした。
そして、問題なのはWOWOW視聴者以外の一般ファンに対して、こうした現状がまったく伝わっていない点にありますね。そのせいで、WBAの上位にコンセプションのような強豪が浮上しても、それを無視して話が進んでしまう。ファンにとっては4団体時代の「弊害」なのですが、業界人にとってはこれが好都合だったりするわけですね。実力に乏しい、不安のある自分の選手を「世界」を冠した試合で戦わせてビジネスが出来るのですから。

そしてさらに問題なのは、本当に良い選手が出てきたときに、その良さを世間に知らしめることが出来なくなるという点です。仰るとおり徳山も長谷川も、そのせいで割を食っていた面が確実にあります。ボクシングは優勝劣敗の掟のもとに闘われるものであるはずが、その原則が様々に歪められていると感じることが多すぎます。ここで国民性を論じるほどの見識は、私にはありませんが、ボクシング業界を牛耳る一部の人々たちは、目先のことだけ考えて、結局ボクシングそのものを大事に出来ない愚かさを、繰り返しさらけだしていると、それだけは断じていいと思います。

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