今日はちょっと体調を崩してしまいまして、横になりながらのTV観戦でした。
簡単に雑感を。
最初に採点ですが、さうぽん採点は115−113でマルケス。
迷った回がふたつあったので、それが逆ならドローか、同じ数字でパッキャオでも納得ですが。
ただ、WOWOW解説陣の、ほいほいパッキャオに振っていく採点は、それはどうすかね、という感じ。
マルケスは距離を厳しく維持し、パッキャオの左を、左斜め後方へのバックステップで外し、
来たら右カウンター、アッパーを混ぜた右左右のスリーパンチで叩くというボクシングでしたが、
過去二試合でも同じことはやってました。今回はより集中して、一度もミスも絶対にしない、と
自分に言い聞かせているかのようでした。
こういうボクシングをマルケスにやられてしまうとパッキャオは過去二戦と同じく、
どこかで爆発的な攻撃を仕掛けて、いわゆる「ひと山」を作らないと、厳しいわけです。
しかし今回のパッキャオは、そういうひと山、ビッグラウンドは作れなかった代わりに、
過去の二戦ではなかった、振りの小さい右フック、左アッパーなどでマルケスを脅かし、
足りない分のポイントを稼いでいました。
マルケスの堅陣を、パッキャオが懸命に崩そうとする展開だったわけですが、
繰り返しますが以前のパッキャオだったら、おそらく明白に判定負けを喫していたでしょう。
初戦は初回の三度ダウン奪取、二戦目の3回ダウン奪取があって、それでもドローと僅差だった
両者の技量力量の関係で言えば、パッキャオがその後の試合で見せた技術的成長がなくば、
今日の試合はそういう結果になっていたはずです。
そういう意味で、今日の試合は、38歳になってなお、自身の集大成を見せたマルケス、
自身の成長ぶりを発揮して、過去二試合よりもマルケスの堅陣に迫ったパッキャオ、
両者の激しい攻防が存分に見られて、判定とはいえ、大いに興奮されられました。
結果はパッキャオの勝利となりましたが、どちらにも拍手という試合でした。
判定に関する論議はさまざまでしょうが、本当に良い試合を見せてくれたことに感謝ですね。
さて、両者の今後ですが、パッキャオが誰かとの試合で明白に弱みを見せでもしない限り、
対戦には応じるまい、というところまで評判を落としているフロイド・メイウェザーが、
今日の試合内容を見て、どういう意思表示をするかに、ちょっと興味があります。
マルケスが見せた、右リード、カウンターと左旋回のステップワーク中心のボクシングが、
思いの外パッキャオの力のベクトルを外せたこと、これは彼にとって示唆に富むものだったでしょう。
もっとも、単純に同じような発想でパッキャオと対峙して、メイウェザーがハンドスピードと
右リードでパッキャオを抑えられるかというと、また別の話なのでしょうが。










ただ左ストレートを当てられず、連打を打てないなりに右ジャブとショートフック、腕の屈曲のみですが小さな左をコツコツ当て、渋くポイント取ったパッキャオ様も見事でした。私はアグレッシブに攻めたパッキャオ様が僅かながら勝ったと見ました。
勝負を分けた要因の一つに両者の体つきにあると思います。当日の体重、体格は遜色なくても下半身は歴然。上半身が大きい割に足が細いマルケスとがっしりしたパッキャオ様。終盤でもまだ踏み込むパワーのあったパッキャオ様、対して顔が腫れて身体が流れる場面の多く見られたマルケス。強いパンチを支える土台で差が出た様に見えました。
それでも両者素晴らしかったです。最近清水さんの件で生じた様々な負の感情やセミのやる気なしカサマヨルで生じた眠気は吹っ飛びました。
確かにマルケスの150ポンドという試合当日体重と、上半身の大きさは、終盤の失速を予感させるものでしたね。本来ライト級ベストの選手ですから、それが自分より試合当日においては小さいウェルター級王者と闘うためのバンプアップ、というのは、複数階級制覇ばかりがもてはやされる昨今のボクシング界ならではの倒錯がかいま見えましたね。
パッキャオはやはりマルケスの緻密なカウンター体制を明白には崩せませんでしたね。それでもリズムを落とさずテンポ良く攻めるボクシングを貫き、ビッグランドなしでも競ったスコアに持ち込んで勝ったわけで、過去の二試合と比べての成長が出たことは事実でしょうね。マルケスの力量は言わずもがなで、本当に素晴らしい攻防、ノックアウト無しで12ラウンド分、たっぷり見せてもらえてお得、と思える試合でした。ことに9回なんか、ロベルト・デュランが二人いて、打ち合って避け合って、とやっているかのようにさえ見える、凄い攻防でしたね。最高でした。