熊本城よ、復興せよ

2017年05月08日 | 日記・エッセイ・コラム

 少なくともこれまでに12回ほど訪れている熊本。
 そのたびに見上げてきた熊本城は、昨年4月、自然に翻弄されて今もなお、至る箇所箇所でその屋根瓦が、柱が、塀が、そしてあの大きな石垣が崩れ落ちたままです。
 崩れて初めて分かった石垣の武者返しの真実。その代償は、しかし、あまりにも甚大です。
 益城町(ましきまち)では道路が至る所で波打っています。1階が潰れ、屋根が2階ごと覆いかぶさってしまった家々。土色を晒して、あちらこちらに点在する更地。遠くに近くに見え隠れする青いビニールシートは家々の屋根に張り付いた青空のようです。ここにみんなで避難したという総合体育館は、今は、大きなコンクリートの塊でしかありません。
 復興城主を募る熊本城。
「熊本城は私たちのシンボルです」の言葉通り、傷つき、壊れたシンボルは、それでもシンボルなのです。よく晴れた青空をバックに、いくつもの赤茶色の太い鉄骨で支えられながらも、熊本城はおよそ4百年の歴史を胸に秘めて、そびえています。
 しかし何と言おうと、あの時間とあの空間にはもう決して戻れないのです。
 その出自の初めから自然に生かされている私たちは、過去はあきらめても、しかし未来をあきらめるわけにはいかないのです。
 だから、だから、熊本城よ、復興せよ。
 熊本から、私の生まれた土地(隣の県ではあるけれども)まではJRの各駅停車でおよそ1時間。そこからあちらこちらを漂って生きてきて、今、故郷と呼べるところを持たない私が、訪れるたびに懐かしく聞く熊本弁。
 熊本に行って来ました。


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