横浜港北おもちゃ病院の活動記録

ドクターの一人であるYoshi61が代表して記録しています

前輪の操舵が効かないラジコンカー

2016-09-11 10:17:46 | 活動の記録
ラジコンカーがやってきました。持ってきたお父さんによると、前輪の操舵が効かなくなってしまっているとのこと。


一般的なラジコンカーの故障は、コントローラから電波がでていない、コントローラ内部の回路と操作トグルの接触不良、車体のモータやギヤの駆動系故障(砂をかみ込んだなど)、バッテリ不良などが多いのですが、この手の故障は珍しいです。

コントローラで前輪を操作すると、なんとか動きますので電波を送受しているようです。つまり、前輪の組み立て構造に問題があるようです。
中をあけてみると、スプリング(バネ)が外れています。



このスプリングが、どのように働いているのかを考えて、元に戻せばよいことになります。このラジコンカーの前輪操舵の仕組みは、コントローラから操作トグルを動かすと、モータの回転方向を正転と逆転に切り替えます。モータについたピニオンギヤが扇形の平ギヤをピニオンギヤで動かし、前輪の向きを動かすわけです。そして、モータで右(または左に)タイヤの向きを変えたら、まっすぐに戻すのは、中心にあるスプリングの復元力を使っていました。今回再セットするスプリングは、コントローラからの信号がなくなったら前輪をまっすぐにする目的のスプリングだったわけです。

この仕組みが理解できれば、タイヤが常に直進を向くように、バネの置き方を考えればよいわけです。扇形の平ギヤの裏にある、出っ張りをスプリングの間に組み合わせ、修理完了です。

スプリングの力で前輪の向き(=ハンドル)を戻すなんて、よく考えてあります。いつもながら、おもちゃメーカの開発者には、頭が下がりますね。

2 コメント

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Unknown (パパとママ)
2021-04-17 20:21:51
仕組みを詳しく書いてくださってありがとうございます。家で修理するにあたり大変参考になりました。
Unknown (おもちゃドクター)
2021-04-17 22:06:29
ブログをご覧いただき、ありがとうございます。ご自身で修理しているのですね。お役に立てて光栄です。

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