無明長夜もかくばかり…

食のこと、家族のこと、ペットのことや日々の雑感… 
手探りをしながら、書き綴っていきたいと思います。

なくなったストレスと、新たなストレス

2011-10-29 | 生活


1月の末から通い始めた歯の治療
およそ9ヵ月をかけて無事に終了した。
長年に渡る不摂生と不養生の賜か
ボロボロになった歯も、取りあえずはストレスのない状態になった。

ストレスのない状態

あくまでも「喰う」事に関して。

治療直前、奥歯がガタガタ絶頂期だった頃は
それこそ、およそ歯応えのある喰いものは全滅…
好きなラーメンも、チャーシューの旨さも半減
シャキシャキ野菜さえ、細心の注意を必要とした。

歯というものが、いかに大事かを知らしめられた。

片方の奥歯が、まったくない状態だったときのツラさ。
固いプレッツェルを噛んだ途端に仮歯が割れて、奥歯が全滅し
しかも週末だった為、どうすることも出来なかったときのツラさ…
治療中、顎が噛み合わぬ恐怖

“あの”3月11日も、いつもの時間に治療の予定が入っていた。



まさに地震の直後、午後4時。
階段を使って、階下に避難していたとき
ちょうどビルの一階にあった歯科を覗いてみると
どうやらいつも通りに開業はしているらしい。
チラッと顔を出すと、若先生が出てきた。

「あの…今日、4時から予定が入ってたんですが…」
「あ、大丈夫ですよ、どうぞ」

余震の恐怖と、家族に電話がつながらぬ不安の中
普通に治療を受けた。
今、この瞬間にデカい余震が来たらどうしよう…などと考えながら。
30分程で治療を終えて、ビルの前で非難していた会社のみんなのところに戻ったら
営業のMちゃんに、真剣に叱られた。

「もう!どこへ行っちゃったんだか心配したんですから!」
「いや…ちょっと歯医者に…」
「こんな時に歯医者なんか行かないで下さい!」

そりゃそーですわな。

奥歯がないと、喋るにも空気が抜ける感じがすることも気づいた。

悲喜こもごも、口モゴモゴ…

取りあえず、右奥歯の上下と、左上奥歯は
かろうじて根っ子が残っているので
それを土台にして歯を入れることが出来た。
問題は左下奥歯だ。
一番奥から3本が全滅で、全て抜かれた。
治療法としてはインプラントを入れること。
2本がベストだが、少なくとも1本入れれば
それを土台に出来るという。

「インプラントって1本、いくらくらいになるんですか?」
「1本で30万ですね」

軽く言うね。
ま、高いという話は聞いていたが…

「他に方法は…」
「義歯になりますね」
「義歯?」
「入れ歯です」

はぁ…50歳にして入れ歯というのはツラいものがある。

「入れ歯っていうのはいくらくらいで?」
「保険が利きますから、5〜6千円で出来ますよ」
「じゃ、とりあえず入れ歯で…」
「あとでインプラントにすることも出来ますからね」

余談だが、人気コンビ・バナナマンの日村勇紀
子どもの頃の貴乃花の人ね。
彼はおっそろしい乱杭歯であることは見ればわかるが
実は下奥歯が両方とも欠損していたという。
最近の彼を見ると、気持ち悪いくらいに
真っ直ぐでキレイな歯になっている。
奥歯をインプラントにし、ガチャガチャの前歯もすっかり入れ替え
治療総額は500万円にも及んだという。
芸人としては、面白い特徴を奪われた感もあるが
生活していく上において、彼の食に対するストレスはなくなったことだろう。
なにしろ、固いものは殆ど噛まずに呑み込んでいたらしい。

さて

治療の最終段階。
歯型を取って、仮歯を本歯に入れ替え
いよいよ部分入れ歯の完成だ。

もちろん、奥歯が欠損している為
どのような入れ歯になるか、話は聞いていた。

まさか入れ歯の写真を掲載するわけにはいかないので
イラストにて説明すると…



↑これが、通常の健康な歯並び(下顎)とする。



↑そして、これがオレの状態だ。

まず、左奥歯の欠損部を除く、一番奥(A)にジョイントを噛ます。
それだけでは固定できない為、右奥歯(B)にもジョイントを噛まし
下前歯の裏側に沿って、金具が走っている。



↑こういう状態だ。

歯の裏に通った金具と一番奥にある入れ歯で
つけた当日は、口中に「オエ!」となる違和感がある。
しかし、これも2〜3日すると慣れてくる。

入れ歯が出来上がった日、ニョウボに見せると

「ええ〜〜?入れ歯ってお爺ちゃんがするものだと思ってた」

はぁ…

ただ、少なくとも
喰うことに関してはストレスはなくなった。



今度は違うストレスが生まれた。

不自然なものが口に中に入っているから
とにかく、喰ったもののカスが詰まるのだ。
ジョイント部分、金具の裏側、歯茎と入れ歯の間…

家や仕事場だったら、食後、すぐに取り外して掃除もうがいもできるが
外食の時は、なかなかそうはいかない。
先日、家族で外食にいったときも
何度かトイレにいって、歯を外して掃除をする始末…

なんとも情けないものだ。

歯に物が挟まるのがイヤで、入れ歯をはずす…

本末転倒である。

宝くじでも当たったら、インプラントでも入れますか…

歯の治療前、医師と相談の際
「保険の利く範囲」ということで始めたが
9ヵ月に及ぶ歯の治療費の総額は
117,150円であっった。
月額平均で13000円かかっていたことになる。



皆様、歯を大切に。


嗚呼…無明長夜もかくばかり…




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ふたたび赤いウインナー

2011-10-13 | 


あのドラマが帰ってくる。
2年前、毎週楽しみにしていた『深夜食堂』



なぜか、地方によって放送開始日がまちまちで
MBS(毎日放送)が、TBSに先駆けて10月13日から放送開始。
TBSは10月18日、火曜深夜から。
番組の掲示板では、MBSを見た投稿者から
いろいろと感想が送られてきている。
ま、ネタバラシされて困るような性質の番組ではないが
楽しみにしているこちらからすると
なんか羨ましいというか、悔しいというか…

第一話は「再び赤いウインナー」

じゃ、遠い関西で、今まさに放送されて居るであろう
かのドラマに思いを馳せ、赤いウインナーを肴に
前回のドラマDVD-BOXで予習といきますか…

ここのところ、ほぼ毎晩やっている2〜30分の半身浴で
汗だくになって、カラッカラに渇いた喉に
黒ホッピーをグ〜ッと流し込み、ようやく人心地ついた後
かねて用意の赤いウインナーを、タコの形に切って
家族が起きてこないように、弱めの火で炒める。



ウヒヒ

深夜にコレをやっちゃ、こりゃ太るに決まってるのだが



お、なんか来た…

ジョーズなみの静けさで
背後からエサに忍び寄る黒い影…







ダメダメ、オマエさんの喰うモンじゃないよ、コレは。

はぁ…

早く来週にならないかしらん。

その日に備えて、また赤いウインナー買っておこう…




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オニの居ぬ間放浪記_02

2011-10-09 | 


連休二日目

息子は友達と出かけてしまった。
夜も遅くなるという。

「じゃ、オレも出かけちゃうから
晩メシは外で喰ってこい」

そう言いつけて息子を見送る。

さて、ノンベ友にフラレたアタクシ…しつこい

一人で呑むのは心許ない。
出来るなら、気の置けない仲間がいい。
中学の同級生に声をかけてみる。

昨日のこと

「おぅ、今(話して)大丈夫か?」
「うん。なに?」
「お前、明日ヒマか?」
「なんで?」
「呑みに行かねぇか?」
「おぅ、行くか」

カンタンだ。
余計な気は一切遣わない。
楽でいい。

約束は夕方。
その前に行きたいところがあった。

「大正百年を巣鴨であそぶ」
このイベントに、同じく創業100周年のホッピービバレッジが出店
工場直送の樽ホッピーが呑めるという。
ホッピー好きとしては、是非行ってみたいところ。
悪友との呑み会のウォーミングアップには持ってこいだ。

都営三田線で巣鴨下車。
地蔵通り商店街へと向かう。
入口付近にホッピー屋台はあった。



同じ場所に「東北応援物産展」として
岩手県一関市の名産が並び
また、焼き鳥などのつまみの屋台も出店している。



まずは黒ホッピーをいただく。



さすがに屋台となると、キンキンに冷えたジョッキというわけにはいかないが
渇いた喉に流し込む旨さは格別だ。
さて、人心地ついた後は、焼き鳥を肴にホッピーを。



設えてあるベンチに腰をかけて
同じく祭りを楽しんでいる人たちに混じって。



さて、ちょっと早いけど
上野を目指すとしますか…って
せっかくの催事も、ただホッピーを呑んで終わりという…



携帯ストラップをいただき、地蔵通りを後にする。
山手線に乗るべく駅前に近づくと
派手な揃いの衣装を身にまとった人が多い事に気づく。
そーいえば、ホッピーの屋台にもいたっけ。



横断幕に「東京よさこい」の文字
なるほど、各チーム趣向を凝らした衣装で集まっている。
駅前のロータリーでは、今まさに踊っているチームもある。



それよりも、酒を目指しているアタクシ…
よさこいの賑わいを横目に、山手線に飛び乗る。



上野に着いた。
2杯のホッピーの酔いが心地良い。
ふと時計を見ると、約束の時間までまだ2時間近くあるではないか。

ま、いいや。

上野から御徒町、アメ横の賑わいはオレの大好きな場所。
酔い覚ましに、連休でごった返す通りをブラブラと当てもなく彷徨う。
連休の中日だからか、エライ人出だ。
まっすぐ歩くこともままならない。



ブラブラ歩きの末、約束の時間の30分程前。
「肉の大山」の前に着いた。
以前、ノンベ友と来た店だ。
100円の揚げたて「やみつきメンチ」は
カリッとした衣と、ジューシーな肉に
備え付けのソースをかけなくとも、充分に酒の肴になる。
店の中はレストランになっているが、表の立ち呑みスペースで
メンチや焼き鳥をつまみつつ、ビールなどを呑んでいる人が多い。



オレはメンチに角ハイボール。



焼き鳥(レバー、鶏皮)を頼んで、2杯目。

う〜〜〜ん

確かに「タレで」と言ったはずなんだけどねぇ…ま、いいや。
表面がカリッと焼けた鶏皮の食感は、むしろ塩が旨い。

そろそろ、イイカンジに酔っ払ってきた。
待ち合わせの時間も近い。
約束の丸井の前にある喫煙所へと向かう。

悪友と合流し、目当ての『大統領』へ向かうが
本店、支店とも満席で、広い支店に至っては
呑んでいるカウンターの後ろで人が並んでいる。
店内も騒々しくて、話など出来る様子もない。



一本露路を入った「串揚げじゅらく」が空いていたので
オープンスペースに陣取る。
悪友・Kとは、昨年末の忘年会以来だ。
同級生との呑み会は、これまでもたびたび行ってはいるが
今年は震災があったりして、なんとなく集まりにくい状態だった。
浦安に住む友人は、液状化で大変な目にあったりした。



まずはチューハイでカンパイ。



サービスのキャベツに枝豆で、串揚げが来るまで繋ぐ。



ピンぼけ画像は、串揚げおまかせ10本セット。



定番のモツ煮込み



日本酒熱燗には、イカの一夜漬けと、タタミイワシを合わせる。

気の置けない仲間、沈黙が恐くない友達。
少々の無礼も許し合えるツレ。

中学時代の話。
先日、脳の大手術をした友人の話。
仕事のことや、家族のこと。
そして男同士ならではの下の話など。
楽しい一夜を過ごした。

不景気で仕事は減った。
給料も下がった。
トーゼンの如く、小遣いも減った。
一人頭、3〜4000円程度の外呑みも
遠慮ない友達と過ごすことが出来たら
負け惜しみでも強がりでもなく
それは最高の贅沢である。

Kと別れ、早めに家路につく。
帰宅すると、息子はまだ帰っておらず
犬とネコのお出迎えだ。
時刻は、まだ9時を少し回ったところ。
金四郎の散歩に備え、少し寝ておくか…

一寝入りして起きると、息子も戻り
金四郎の散歩に行って、風呂に浸かったら
すっかり酔いも覚めてしまった。
猫タワーで丸くなるリタを肴に一杯。



今日もお疲れさん。

いくら「オニの居ぬ間」とは言え
雑然と散らかった部屋には
やっぱりオニの監視が必要なのかも知れないな…

明日は一日、どこへ行く当てもない。
夜にはオニも帰ってくる。
掃除をしなきゃイケナイな。
あ、あと洗濯もしなきゃ…

まさに「オニの居ぬ間の洗濯」だ。






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オニの居ぬ間放浪記_01

2011-10-08 | 


連休

秋風も穏やかで、一番好きな季節。
三連休を利用して、ニョウボと娘は香港へ飛んだ。
オレと息子を置き去りにして…

といいたいところだが
キッカケはディズニーオタクの娘が
香港のディズニーランドに行きたいと言い出したこと。
一週間も滞在するなら、一日くらいと思うが
二泊三日の旅で丸一日、日本にもある遊園地に潰されるのはマッピラ。
居るのは同じネズミにアヒル…おっと、ファンに怒られそうだ。
ま、オレだってオタク気質は持っているから
気持はワカランでもないが。

これで、息子も行くと言ったら、一緒に行こうかとも思ったろうが
家族より、彼女と一緒が楽しい時期の息子。
一人ではメシも喰えないヤツを一人残して行くわけにはいかない。

ま、いいんじゃねーの?
留守番のお駄賃として、小遣いも残して行ってくれたし…

初日、土曜日。
呑んべ友達にフラレたアタクシ。
息子を誘って池袋へと繰り出す。
晩メシは、東池袋大勝軒だ。

サンシャインシティの前で待ち合わせ
そこから数分歩いて大勝軒へと。

伝説の店だ。
数年前、再開発で閉店となり
最後の営業日は、朝から大行列が絶えず
何時間も待っている人が居たらしい。
カリスマ店主・山岸氏は第一線を退き
弟子である現店主にこの店を任せた。

さて、何を喰いましょう…

大勝軒に来ると野菜つけめん
もしくは、普通の中華そば。
でも、昼もラーメン喰っちゃったしなぁ…
ビールくらい呑みたいし、ここはノーマルのつけ麺にしとくか…

食券機の前に立つと、おや?
ほぅ、ホッピーがあるのね。
じゃコレをいただきましょう。



氷の入っていない、三冷ホッピーが嬉しい。
小皿でサービスのメンマチャーシューをつまみつつ
ホッピーをあおる。
ニョウボと娘も今ごろは晩メシだろう。
旨いものを喰っているに違いない。

ホッピーが空く頃、特製盛りそば(ゆで玉子入り)が運ばれてきた。



うん。
大勝軒でノーマルなつけ麺を喰うのは久しぶり。
大満足して、帰宅。

さて、明日はどこへと放浪すっぺかいな。



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忘れないから、思い出すことはない…

2011-08-13 | 家族


ちょっと前
死んだ母親の夢を見た。

自宅ではない、かといって病院でもない
全体的に白っぽいイメージの、日当たりのいい部屋
中央にベッド。そこに浴衣姿で座っているオフクロ。
入退院を繰り返していた晩年は
肝臓を患っていて、顔色も悪かった。
ところが、その夢の中のオフクロは
まん丸の体にまん丸の顔。
元気な頃の血色のいい顔で笑っていた。
何をしたか、何を話したかも覚えていない。
ただただ、その笑顔だけが印象に残っている。

忘れないから、思い出すことはない…

なにかで聞いたセリフ。

過去を遡ってみても
少なくとも死んでからコッチ
親父の夢も、オフクロの夢も見た記憶がない。

2011年、お盆

例年の墓参り。
親父もオフクロも死んだのは冬。
バイクで行く墓参りは、毎年つらい寒さとのたたかいだ。
今年の夏は暑い。
しかし、オレには冬よりはマシだ。

支度をしてマンションを出ようとすると
叔母から携帯に着信だ。

「何時に来るの?」
「今から出るから、1時間後くらいかな」
「あ、そう。じゃ家に直接おいで。あたし達と車で行こう」

命日の墓参りは、家から直接お寺に行って墓参りをし
その足で実家に出向き、仏壇に手を合わせる。

そうか。

お盆ということは、両親だけでなく
墓に入っている祖父と祖母も一緒なんだ…

祖父はオレの生まれる前に亡くなっているので
写真でしか知らないが、祖母はオレが20代の半ばに死んだ。

自宅から直接、いつも通り、バイクで実家に向かう。
ひどい暑さだ。
走っているうちは、風を感じてむしろ心地良いが
信号などで、でかいトラックのそばなどに停車すると
ドエライ熱気に煽られる。
ペットボトルの水で、時折水分を補給しながら
予定通りの時間に実家に着く。

叔父叔母との挨拶を済ませ
提灯を持って、叔父の運転する車で寺に向かう。

いつもだと、親父とオフクロに好物の酒肴を供えるが
今回は仏花に線香のみ。
せめて、とタバコを2本。



「酒持ってこなかったな。ま、家で呑めるからいいやな」

オレの気持ちを察したかのように、墓に話しかける叔父。



提灯のろうそくに火を点す。
それを消さないよう、自宅へ戻り
仏壇のロウソクに直接魂の火を移す。
改めて線香をあげ、手を合わす。



「酒と肴は命日にな」

心の中で両親の遺影に詫びる。
一番右のオフクロの遺影は、喪主のオレが選んだ。
オレのいとこの結婚式でのスナップ写真で
横には親父が写ってる。
シャッターを押す瞬間、親父がなにかをしたらしく
つい笑ってしまったオフクロ。
自然で、いい笑顔。オレのお気に入りの一枚だ。

「昼メシ、まだだろ?喰ってけよ」

実家を改装して宅配の弁当屋を営む叔父と叔母は
オレの為に昼メシの用意をしてくれていた。

「昔はさぁ、お盆ていうと親戚が集まってご飯食べたんだけどね
 もうみんな死んじゃって、集まらなくなっちゃった」

叔母が寂しそうに言う。
叔母はオレの親父の一番下の妹だ。
10人近くいた親父の兄弟も
叔母と、すぐ上の叔父の二人きりになってしまった。

「トンカツ、3枚揚げるから1枚だけ喰って
 残りは家に持って行きな。あと煮込みと唐揚げも」

実家には、姉の娘、オレの姪っ子が親子で住んでいるが
今日は、友達の家に行くとかで不在だ。

「ったく…せっかくさとしが来たんだから
 ご飯だけでも一緒に食べればいいのに…」

半分怒ったように叔母がごちる。





目の前で揚げてくれたトンカツに冷やし中華。

唐揚げと煮込みはお土産に持たしてくれた。

オレも50歳を過ぎた。
叔父・叔母は60歳を超えた。
親戚も孫の代になり、それぞれちりちりバラバラになってしまった。
あと10年もすれば、こうして集まる機会は更に減る。
濃厚な血脈も、しだいに拡散していく。

寂しいことだが、人は必ず死ぬ。
これも宿命だ。

昨年はいろいろな人と別れた年だった。
年を取れば取るほどに、別れも増えていく。

長生きしたいと願ったところで
例え、自分が100歳まで生きたとしても
周りの人も一緒に生きていてくれるとは限らない。
腹を割って話し合える人間が、そばにいなかったら
長生きだけしたって、寂しい人生になるだろう。


さ、次は親父の命日か…

人の命は永遠ではないが
もし、あの世というものがあったとして
死んだ後も、またそこで会えて楽しい宴会ができるとしたら
それもまた悪くない。

もちろん、まだまだそっちに行く気はないよ、親父にオフクロよ。

今夜は、オレをこの世に出してくれたご先祖さまに献杯だな。



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