51年間生きてきて
おそらく史上最低のクリスマスであった。
前日、クリスマスイブ。
これは例年通り。
「成城石井」で、ちょっと高めの牛肉と
各種ハーブ、薬味のホースラディッシュ
ちょっとしたつまみなんかも買って
いつもより早めに帰宅し、ブログ用の写真を撮りながら
ビールやカヴァをやりつつ、ローストビーフを仕込む。
生肉
ビフォー
アフター
完成
食卓
金ちゃんにプレゼント
ソースも概ね好評で、デザートにケーキなどいただき
例によって、深夜酒なども一人静かに嗜んで就寝。
で、昨日。
クリスマス。
娘はディズニーランドへ、息子は彼女とクリスマスに
朝早くから出かけてしまった。
遅めの朝
白河夜船を彷徨いつつ
「なんか、鼻水が出るなぁ…」
その指先を見て驚いた。
血だ。
慌てて飛び起き、洗面所へ向かう。
顔が血で汚れている。
見る間に、鼻血が流れ出してきた。
「垂れる」レベルではない。
ダラダラと滴り落ちて、洗面所が真っ赤に染まる。
何度もティッシュを変えながら、格闘すること10数分。
ようやく血の勢いも治まった。
落ちついてから、遅めの朝食を摂り
金四郎の散歩へ向かう。
帰宅して、日曜恒例の掃除を開始。
鼻血がベッドのシーツも若干汚していたので
新しいシーツと取りかえる作業中だ。
ツツッと鼻から流れる気配。
大急ぎで洗面所に駆け込む。
また10数分の格闘の末
「どこか切れてるんじゃない?」
「うん、ちょっと病院行ってくるわ…」
鼻にティッシュを詰めたまま、近くにある帝京大学病院のERへ。
休みだというのに、ERは患者が多い。
「ちょっと時間がかかるかも知れませんよ」
仕方ない。
電話も入れずに来たんだ。
取りあえず鼻血も止まったようだし
受付を済ませ、ティッシュを詰めたまま待合室の椅子に腰をかける。
すると、どれほど待ったろうか。
口の中に血の味が溢れてきた。
「ヤバイ!来た!」
トイレに駆け込んで、ここでまた格闘だ。
なんとか血のアホンダラを押さえつけて
待合室に戻ると、すぐに名前を呼ばれた。
診察前に計った血圧が、やたらと高い。
春の健康診断から、格段に上がっている。
診察室に入ると、生憎の休日で専門医は不在。
代わりの医師が応急処置をしてくれた。
「鼻の中の毛細血管が切れたんですね」
「脳の血管とかが切れたって事は?」
「脳の血管が切れて、鼻から血が出ることはありません。
血圧が高いと切れることがあります。
一番弱い血管ですから」
よかった…
素人の考えだが「もしや脳では?」と心配になっていた。
もちろん、頭痛も目まいもしなかったのだが…
薬を浸したガーゼを、鼻の形が変わるほど詰め込まれ
30分程待たされた後、もう一度鼻の穴の調べられ、
血止めのスポンジのようなものを詰め込まれた。
診察終了だ。
いい具合に血は止まったようだ。
帰宅し、部屋の片付けを再開していると
夕方になって義母から電話があった。
義母と義兄、オレとニョウボ、夜には帰宅するはずの娘と5人で
どこか食事にでも行こうとのお誘いだった。
その直後だった。
また鼻血が流れ始めていた。
「オレ、ちょっと行けないかも知れない…」
先ほど、医師に「今夜は酒と風呂はやめてください」と言われている。
食事に行って、酒も呑めないというのはツライ。
いや、それ以前に、食事中に鼻血が出始めたら…
結局、時間的な問題から食事会はお流れになったのだが
帰宅した娘とニョウボの3人で、昨日の残りで晩メシを喰い
いつものようにリビングに寝そべっていた。
鼻の奥のスポンジのおかげで、量はそれほどではないが
たまにティッシュを変える程度の鼻血が出ている。
とはいえ、断続的に流れる鼻血。
このまま寝てしまって、寝ている間に血だらけになったらどうしよう…
ぎっちりと鼻に詰め物をしたら、口に血が逆流して窒息しそうで
不安でとても眠れそうにない。
深夜0時近く
「オレ、もう一回病院行ってくるわ…」
今度はあらかじめ病院に電話し、事情を説明。
鼻にティッシュを詰めたまま、バイクにまたがる。
病院の前に着いた途端だった。
ティッシュを抜こうとしたら、勢いよく血が流れ出した。
真っ赤になったティッシュで鼻を押さえつつ
まずはトイレに駆け込んだが、生憎、個室は満室。
洗面台で水を流しながら、流れる血を洗っていると
個室のドアが開く音がする。
「すいません、申し訳ないですが
トイレットペーパーを持ってきてくれませんか?
鼻血が止まらなくて…」
慌てたその方、患者さんか、付添の方かわからないが
「大丈夫ですか?」とたくさんのトイレットペーパーを持ってきてくれた。
やや落ちついて、ようやく受付を済ます。
まだ血は止まっていないようだ。
あらかじめ電話しておいたのが、功を奏したのか
鼻を押さえている姿を見て、状況を察知してくれたのか
看護師さんが応急措置を施してくれ
そのまま病室へ案内された。
「ちょうど耳鼻科の先生がいらっしゃいましたので」
助かった。
血で汚れた鼻の穴を洗浄し、中の様子をカメラで見る。
先ほどと同様に、薬で湿したガーゼを鼻の穴へ。
やはり専門医だからなのか、詰め込み方が違う。
相当な奥まで詰め込んでいく。
痛い…
「ハイ、ここ、勝負です。痛いでしょうが我慢して。
目を閉じると閉まってしまいますから、目を開けて!」
鼻にガーゼを詰めたまま、20分ほど待機。
治療再開。
「血管が切れている疑いは3箇所あります。
奥の上、奥の右、奥の奥、です。
奥の奥だとカメラもメスも届かないんで、
その場合、一週間ほど泊まっていただくことになるかも」
え? つまり「入院」って事?
この時期に?
病室で新年かよ!
後で聞いた話では「奥の奥」となると
相当厄介な治療になるという。
鼻の穴に、いろんな詰め物をしなければならないらしい。
される側はもちろん、治療をする側も厳しいという。
鼻の穴にカメラを入れ、いろいろと調べられる。
麻酔も効いてきたようで、さっきほどの痛みはないが
それでも、たまにキュッという感じの痛みが走る。
「うん、鼻の汚れ方を見る限り、奥の奥ではなさそうです。
メスで焼けそうですね」
切れた血管をレーザーメスで焼いてしまうらしい。
一番の疑いのある箇所を焼き
念のため、疑いのあるもう1箇所も焼いてくれた。
鼻腔に焦げ臭さが広がる。
最後に軟膏を塗られて、治療は終わった。
「あの…明日からは、どういうことに気をつければ?」
「激しい運動、熱い風呂、それとお酒は控えて下さい。
できれば年内いっぱい。
ま、大晦日はね…ちょっと控え目にすれば大丈夫かも」
少なくとも「激しい運動」については
ほとんどしないから心配ない。
毎日のようにしている半身浴はダメか…
問題は酒だな…
「あの…やっぱり高血圧が原因ですか?」
「一因ではありますが、そうとも限らないです。
乾燥とかもありますしね。
血圧はいろいろあるうちの一つです。」
さて、帰ろうかとしていたとき
「多分大丈夫だと思いますが、
万が一ということもありますんで
もう一度来てみてください」
なるほど。「奥の奥」もありえるってことか…
火曜日にもう一度診断の予約をし、午前2時近くに帰宅。
当然、家族は寝静まっている。
落ちついてテレビを見ながら、ダイエットコーラなど飲んでいた。
鼻の穴は、キレイなものだ。
様子を見に、洗面所に行って鏡の前に立ったとき
鼻風邪が残っていた癖で、大きく鼻を啜り上げてしまった。
ダラダラ!っと血が流れ出してきた。
泣きたい気分だった…これからもう一度病院かよ…
同じ治療を、一からやり直し?
それとも、先生が言っていた「万が一」の「奥の奥?」
10分程で血の勢いは治まったものの
少しずつだが、まだ流れてきている。
おまけに、治療の時の麻酔が切れてきたようで
鼻の奥が痛くてたまらない。
ベッドで寝たら、またシーツを汚してしまうかも知れない。
リビングの床暖房をつけ、上着をまとって横になる。
血は完全に止まったものの、今度は鼻が痛くて眠れない。
治療した右側の目から、涙が流れてくる。
暗い室内で触ると、涙なのか血なのかの判断も付かず
何度も何度も電気をつけては確認する。
あまりの痛みに耐えかね、薬箱から頭痛薬を探し出した。
気休めにしかならないかも知れないが
それを2錠飲んで少し経つと、痛みが和らいできた。
鼻血は完全に止まったようだ。
明け方の5時頃だったろうか、ようやく眠りに落ちた。
そして今朝。
一番心配だった鼻血は出ていない。
詰めたティッシュもキレイなものだ。
痛みは若干残っているが、昨夜ほどではない。
むしろ、数え切れないほど詰めて血を拭ったからか
鼻の穴の周りと、上唇が擦り切れてヒリヒリする。
いったいどれだけティッシュを使ったことだろう。
洗面所にあるティッシュは、新しい箱があっと言う間になくなった。
恐る恐る、弱く鼻をかんでみる。
赤いものが混じるのは、新しい血ではなく
昨日の血のカスの残りだろう。
今日一日を乗り切れば、なんとかなりそうだ。
なんと恐ろしい一日だったことか…
年内は酒を呑まないことにしよう…
ま、前向きに考えることだ。
今朝、体重を計ったら、昨日の朝から2kgも減っていた。
せっかくダイエットしたのに、深夜の酒と
それに伴う暴食で、ブクブクと太り始めた。
血圧が上がったのも、そのせいだ。
年明けから再開する予定にしていたダイエット
これを機会に、少しずつ始めていこう。
さて、今夜はノンアルコールビールを買って帰るとするか…
嗚呼…無明長夜もかくばかり…
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