アリの一言 

オキナワ、天皇制の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

「翁長知事が自衛隊に感謝状」の持つ意味

2016年10月25日 | 沖縄・米軍・自衛隊

    

 沖縄の翁長雄志知事が自衛隊に「感謝状」を贈る、という驚くべき記事(写真左)がありました。

 「陸上自衛隊第15旅団の原田智総旅団長が21日、県庁に翁長雄志知事を訪ね、15旅団が実施する緊急患者空輸が今月初めに9千回に達したと報告した。…翁長知事は近く急患輸送9千回に対する感謝状を贈る予定。翁長知事は「離島の医療問題は沖縄にとって一番重要。その中で自衛隊の貢献には改めて感謝申し上げる。…日ごろからのご努力に改めて感謝申し上げる」と謝意を表した」(22日付琉球新報)

 離島の「急患輸送」が重要問題であることは言うまでもありません。しかしそれは本来、国や県が医療政策として行うべきで、憲法違反の軍隊である自衛隊の任務ではありません。本来行う(予算をつける)べき医療政策や災害救助を行わず、それを自衛隊にやらせることによって自衛隊が戦争のための軍隊であるというの本質を隠ぺいし、自衛隊への親近感をつくりだすのが歴代日本政府の一貫した政策です。翁長氏が陸自の総旅団長に何度も「感謝申し上げ」、「感謝状」を贈るというのは、その政府の狙いに完全に同調するものです。

 しかも重大なのは、自衛隊がいま米軍との一体化をさらに強め、沖縄・日本・東アジアの安全・平和にとってかつてなく危険な存在になろうとしていることです。

 1つは、緊迫の度を強めている高江(米軍北部訓練場)です。
 安倍政権はヘリパッド建設を強行するため、自衛隊機で機材を搬入する暴挙を行いました(9月13日、写真右)。現場で反対住民を抑圧している機動隊の中には自衛隊関係者もいたと報じられています。

 さらに重要なのは、北部訓練場で米軍と自衛隊の「共同使用」が計画されていることです(4日の県議会で共産党の渡久地修議員が暴露した防衛省の内部資料)。
 この狙いについて在沖米軍幹部は、「県民の(北部訓練基地に対するー引用者)反発は理解している。具体的な計画ではないが、自衛隊との基地の共同使用は県民の支持につながるのではないかという考えはある」(6日付琉球新報)と本音を漏らしています。自衛隊を隠れ蓑にして県民の反対をかわそうというわけです。

 もう1つは、宮古、石垣、与那国など八重山諸島への自衛隊配備計画です。
 宮古島で自衛隊配備反対の行動を続けている上里清美さんの言葉をかみしめる必要があります。「軍隊は住民を守らないよということを広めていく必要を感じています」(「沖縄平和ネットワーク会報」9月11日号)

 23日閉会した日本環境会議沖縄大会が採択した「提言」は、「琉球弧への自衛隊配備」について、こう述べています。
 「琉球弧の自衛隊配備は、安保体制下、専守防衛の枠を超えた本格的な軍事基地化であり、地域の環境や自治、コミュニティを破壊するものである。生活を基軸とする民間交流の促進によって、平和を創っていくのが琉球弧における住民の歴史的な教訓であり、政府は琉球弧への自衛隊配備計画を直ちに撤回すべきである」(24日付琉球新報の「提言全文」より)

 自衛隊の本質を見抜き、日米安保、戦争法(安保法)下での米軍との一体化、琉球弧への自衛隊配備を許さないたたかいの重要性はかつてなく大きくなっています。翁長知事の自衛隊への「感謝状」贈呈がこのたたかいに逆行することは明白です。

ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 美智子皇后VS「文芸春秋」・... | トップ | 「衆院補選共闘」の失態ー民... »

関連するみんなの記事