アリの一言 

オキナワ、天皇制の現実と歴史などから、
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福岡高裁も想定していた「承認撤回」、翁長知事は直ちに実行を

2017年02月09日 | 沖縄・翁長・辺野古・...

       

 辺野古の海にコンクリートブロックが投入された7日、翁長雄志知事は記者会見で、「埋立承認撤回」についてこう答えました。

 「撤回を視野に入れているということは、いろいろな所で申し上げている。撤回に限らず、それ以外も含めて一つ一つ意味合いを考えながらやっていきたい」(8日付沖縄タイムス)

 「視野に入れている」という耳にタコの逃げ口上で、この期に及んでもあくまでも「撤回」に背を向けています。

 見過ごせないのは、こうした翁長氏の「撤回棚上げ」を擁護する論調・記事が琉球新報、沖縄タイムスに散見しはじめていることです。たとえばー。

 「知事自身が述べた通り、権限行使には『慎重』な判断が必要だ。…県幹部は『一部からすぐ撤回するよう求める声もあるが、その根拠も重要だ。撤回しても裁判で「瞬殺」されれば、埋め立て承認は復活し、撤回の意味がなくなる』と話す」(8日付琉球新報・島袋良太記者)

 「知事周辺の一人は、最大の切り札とされる撤回に関し、『工事に着手したばかりで明らかな違法行為や環境悪化はみられない。現状で撤回に踏み切っても、その後の訴訟に耐えられない』と漏らす」(8日付沖縄タイムス「ニュース断面」)

 これらはいずれも、「承認撤回」には「違法行為」や「環境悪化」など「根拠」が必要だから「慎重な判断」を要するとして、撤回棚上げを容認すのものです。
 しかし、「撤回」が承認後の「新たな事情の変化」によって可能なことは専門家が広く指摘しているところで疑問の余地はありません。
 だいいち翁長氏自身、「知事選で示された民意は埋め立て承認を撤回する事由になる」(2014年12月17日の県議会答弁、同18日付琉球新報)と明言していたではありませんか。
 いまさら新たな「根拠」が必要であるかのように言うのは、撤回を回避するための口実以外の何ものでもありません。
 
 承認撤回が可能であり想定されることは、実は「和解」(2016年3月4日)で安倍政権を助けた福岡高裁那覇支部の多見谷寿郎裁判長(写真右)自身が認めていたことです。

 多見谷氏は「和解」に向けて、政府と沖縄県の双方に「和解勧告文」を提示しました(2016年1月29日)。その中でこう述べています。

 「そのように(「和解」-引用者)ならず、今後も裁判で争うとすると、仮に本件訴訟(代執行訴訟ー引用者)で国が勝ったとしても、さらに今後、埋立承認の撤回がされたり、設計変更に伴う変更承認が必要となったりすることが予想され、延々と法廷闘争が続く可能性があり、それでも勝ち続ける保証はない

 次は「撤回」が予想されるが、そうなったら国が勝つ保証はない、とまで多見谷氏は見通していました。だから「和解」第9項で「撤回」を封じようとしたのです。それだけ安倍政権は「撤回」を恐れているのです。

 翁長氏はこの「和解」を受け入れるという大きな過ちを犯しました。しかし県弁護団は第9項でも「知事権限」は縛られないとの見解を繰り返し表明してきました。そうである以上、安倍政権とのたたかいを放棄するのでない限り、撤回をためらう理由は何一つありません。

 「翁長氏は自らの言明(公約)通り、直ちに埋立承認を撤回せよ」の声を今こそ強める必要があります。

 事態は一刻の猶予もなりません。「工事が進めば進むほど裁判になったとき、撤回の効果は薄れ撤回の有効性の全否定もあり得」(仲宗根勇・うるま市島ぐるみ会議・具志川9条の会各共同代表=元裁判官、9日付沖縄タイムス「論壇」)るのです(それが翁長氏の狙いではないでしょうか)。

 「撤回」のこうした意味、経過を知ってか知らずか、自らの主張で、あるいは「県幹部」「知事周辺」なる者の言葉をそのまま無批判に載せることによって、翁長氏の撤回棚上げを事実上擁護している琉球新報、沖縄タイムスの罪は重いと言わねばなりません。

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