アリの一言 

オキナワ、天皇制の現実と歴史などから、
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「暫定和解案」の危険と翁長知事の屈服

2016年03月01日 | 沖縄・翁長知事

   

 辺野古新基地建設をめぐる「代執行訴訟」は29日結審し、4月13日に判決の予定です。しかし、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)による「和解」工作は継続しており、「係争委訴訟」の判決が予定されている3月17日までまったく予断を許しません。

 翁長知事は「和解案」のうち「暫定案」は「前向きに検討する」(2月15日)として受け入れる方向です。一方、安倍政権は「暫定案も根本案も受け入れられない」とし、とくに「暫定案」については「絶対に乗れない」(防衛省幹部、1日付沖縄タイムス)としています。
 「暫定案」は沖縄県に有利で、翁長氏は前向き、国は否定的、という図式です。しかし、はたしてそうでしょうか。

 「暫定和解案」は実は安倍政権の窮地を救うものであり、逆に、辺野古新基地阻止にとってはきわめて危険な“毒まんじゅう”になる可能性が大きいと言わねばなりません。

   岼稻ヽ稜Я幣戞廚如嵋篶承認取り消し」が「違法」とされる危険性

 「暫定案」の中身は、々颪蓮崑綣更堊幣戞廚鮗茲蟆爾押工事を停止する国と県は「違法確認訴訟」などの判決まで協議するJ未料幣戮糧酬茲出たら従う、の3点です。

 さらに29日の裁判後、多見谷裁判長は「和解後は地方自治法に基づく是正措置を速やかに実行するよう求める暫定案の修正案を提示」(1日付沖縄タイムス)しました。

 「地方自治法に基づく是正措置」とは、まず国が県に対し、「埋立承認取り消し」の取り消しを求める「是正指示」(地方自治法第245条の7)を行うことです。そして県がこれに従わない場合、「高等裁判所に・・・違法の確認を求める」(同第251条の7)ことができます。これが「違法確認訴訟」です。

 もともと、「多見谷裁判長は強権的な代執行手続きではなく・・・違法確認訴訟で翁長知事の埋め立て承認取り消しの違法性を争う道を探っていた」(1月30日付沖縄タイムス)のです。

 「代執行訴訟」では「国勝訴」にはしにくい、しかし「違法確認訴訟」なら「承認取り消し」は「違法」(「国勝訴)の判断を出しやすい。それが「暫定案」の最大の狙いです。

 そして国・県とも「違法確認訴訟」の判決には従うというのが「和解案」に内容です。翁長氏はすでに自ら「判決通り、(承認取り消しを)取り消す」(2月15日の反対尋問)と明言しています。「違法確認訴訟」で「違法」判決がでれば、その時点で翁長氏は「承認取り消し」を取り下げ、埋立工事が強行される危険性がきわめて高いのです。
 そうなれば、「暫定案」は「暫定」でなくなります。

 ◆ 崑綣更堊幣戞彈茲蟆爾欧楼打楡権の救済

 「代執行訴訟」を取り下げることは国の譲歩だという見方がありますが、それは逆です。
 もともといきなり代執行訴訟を起こすのは地方自治法(第245条の8)に反しており、このままでは「国敗訴」は必至とみられています。それは安倍政権にとって大きなダメージです。

 それを救うのが「暫定和解案」です。「国には代執行訴訟における『敗訴判決』を回避する点で和解のメリットを有する」(新垣勉弁護士、2月4日付沖縄タイムス)のです。

  「工事停止」の期間を短縮

 翁長氏が「暫定和解案」を受け入れようとしている最大の口実は、判決までは工事が「停止」するということです。政府・防衛省が「暫定案」に難色を示しているのも、「工事停止」のためです。
 そこで多見谷裁判長は、この「工事停止」の期間を短縮することに乗り出しました。

 29日に多見谷裁判長が示した「修正案」は、「率直に言うと、手続きは迅速に進めるという部分」(松永和宏弁護士、1日付琉球新報)です。「それは国側への配慮か」との記者の質問に、松永氏は、「というふうに考えていいと思う」(同)と答えています。

 つまり、多見谷裁判長は、「暫定案」で一時的に「工事停止」となっても、その期間をできるだけ短くするために「国側への配慮」として「手続きは迅速に進める」ことを修正案として示したのです。

 これに対して翁長知事側はどう答えたか。「その点で私たちも協力はします」(松永氏、同)と答えたのです。ここにも翁長氏の安倍政権への妥協・屈服の姿が表れています。

 ぁ〕獣任魑さない「根本案」

 29日の「和解協議」では「根本案については一切話題に出ていない」(松永氏、同)といいます。一方、多見谷裁判長は和解協議の中で、「根本案を先に検討するよう求めている」(2月23日付産経新聞)という報道もあります。

 およそ受け入れる可能性のない「根本案」を出しておけば、「暫定案」は受け入れやすい。「国寄り」といわれる「根本案」ではなく「県寄り」といわれる「暫定案」を、国が受け入れたとなるいと、いかにも柔軟な姿勢をみせたように映る。「根本案」は「暫定案」のためのおとりではないのか、という疑念がふくらみます。

 同時に、きわめて政治的な問題である「根本案」をめぐる協議は、公開の場ではなく、安倍政権と翁長知事の間で、極秘に水面下で進行している可能性もあります。

 安倍ファッショ政権との間で「和解」などありえません。「根本案」はもちろん、危険な「暫定案」もきっぱり拒否し、文字通り「あらゆる手法」を駆使して徹底的にたたかうこと。それこそが辺野古新基地を阻止する道です。

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