アリの一言 

オキナワ、天皇制の現実と歴史などから、
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翁長県政による「県博使用不許可」は重大問題

2017年03月07日 | 沖縄・翁長知事

       

 沖縄タイムスか琉球新報を読んでいなければ分からない、翁長県政をめぐる重大問題が沖縄で発生しています。
 県はこれまで市民のさまざまな企画が催される中心的会場となったきた県立博物館・美術館(那覇市、写真右)の使用を、「政治目的」を理由に不許可にしようとしているのです。

 問題が表面化したのは4日付の沖縄タイムス、琉球新報両紙の報道からでした。

 「県立博物館・美術館を運営する指定管理者『沖縄美ら島財団』(花城良廣理事長)は3日までに、『沖縄とトランプ大統領』をテーマに元外務省国際情報局長の孫崎享さんを招いた勉強会(主催・東アジア共同体研究所琉球・沖縄センター)の会場使用について、『政治色が強すぎる』などの理由で申請を認めない決定を出した」(4日付沖縄タイムス1面トップ)

 「不許可」の決定は同財団が単独で行ったものではなく、翁長県政の「指導」によるものといいます。

 「美ら島財団の担当者は県の指導があったとし、今回のケースは『政治的な内容だったので設置目的に合わないと判断した』としている」(4日付琉球新報)

 「政治目的」を理由に使用不許可にする動きは、同財団が指定管理者になる以前から、翁長県政によって始まっていました。

 「県は、昨年4月に財団が指定管理者に決まる前の募集段階から、利用可否の『線引き』が必要との認識を示していた。県と毎月、協議を重ねた財団は同11月、過去に利用した約200団体に判断基準変更を文書で送付した」(5日付沖縄タイムス)

 同財団は急な変更に難色を示しましたが、それを押し切ったのは県でした。

 「『利用団体の反発が予想されるので周知期間が必要』と考え、2~3年かけて運用を切り替えてはどうかと県の担当者に伝えていた前川氏(同財団の企画広報責任者ー引用者)だが、県側からは来年度から新指針で、と説明されたという」(5日付沖縄タイムス)

 県はこうした報道後の6日になって、「指定管理者と運用について協議してきたが、規定案(利用規定の改定案ー引用者)は申請されておらず、県として承認していない」(茂太強・県観光文化スポーツ振興課長、7日付琉球新報)とし、孫崎勉強会の不許可についても「過去に同様の内容で利用しており、不許可にする理由がない」(同)と火消しに躍起です。

 しかし同じ新報の記事でも、「県や財団によると…ルールを明確にしようと利用規定の協議を重ねてきた。その中で政治活動や宗教活動、営利目的などは許可しないという案が検討されたという」(7日付琉球新報)ことは否定されていません。

 その「県と財団の協議」の結果、「使用不許可とするケースを10項目列記し、その中に『政治目的のための利用』を盛り込んだ」(5日付沖縄タイムス社説)のです。

 以上の経過から明らかなことは、翁長県政が約1年前から、県立博物館・美術館の「利用規定」の改定を計画し、「政治目的のための利用」を不許可にしようとしていることです。

 「政治目的」を口実に会場使用を不許可にし、市民の自主的な活動を妨害することが、「言論・表現・集会の自由」を規定した憲法や地方自治法に反することは明白です。

 「県立の施設なのに、これまで使えたものが使えないのは問題だ。基準も不明確で、恣意的な運用で表現の自由が制約されかねない」(高良沙哉沖縄大准教授・憲法、4日付琉球新報)
 
 この問題がとりわけ重大なのは、それがどこかの右翼的首長の自治体で起こっていることではなく、「オール沖縄」を基盤として当選し、「オール沖縄」の党派が与党となっている、いわば「革新自治体」の翁長県政によって行われようとしていることです。

 翁長氏が県政トップとしてこうした動きを知らないはずはなく(石原慎太郎ではあるまいし)、もっとも責任を負うべき立場にあることは言うまでもありません。
 付け加えれば、翁長氏と美ら島財団の関係は深く、翁長氏が知事就任後最初に任命した知事公室長の町田優氏は、同財団の常務理事です。

 「規制には慎重さが必要」と題した沖縄タイムスの社説(5日付)が同財団を批判しながら県・翁長氏の責任については一言も触れていないのはまったく奇異としか言いようがありません(新報は社説で取り上げてもいません)。

 そして最も重大なことは、こうした翁長県政の暴走に対し、日本共産党、社民党、自由党、社大党などの「オール沖縄」諸党派がいっせいに沈黙し、県政の誤りをただそうとする動きがまったく見られないことです(タイムス、新報を見る限り)。共産党の機関紙・しんぶん赤旗はこの問題を1行も報じていません(6日付まで)。

 憲法・民主主義の根幹にかかわる制度改悪を計画的に行おうとしている翁長県政とは何なのでしょうか。その悪政を見て見ぬふりで容認する「オール沖縄」とは、いったい何なのでしょうか。
 「政治目的」を理由にした「使用不許可」の制度改悪は絶対に許されません。

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