アリの一言 

オキナワ、天皇制、朝鮮半島の現実と歴史などから、
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二階幹事長に「高江」で何も言わなかった翁長知事

2016年09月15日 | 沖縄・翁長・辺野古・...

    

 安倍政権は13日、高江のヘリパッド(新基地)建設を強行するため、ついに自衛隊のヘリで重機を搬入する暴挙に出ました(写真右)。
 これに対して高江の現場から、「これはもう有事だ」(作家の目取真俊氏、14日付沖縄タイムス)など批判が噴出しました。

 翁長雄志知事は、「十分な説明もないまま強行した政府姿勢は、信頼関係を大きく損ねるもので、容認できない」(14日付琉球新報)と述べました。おそらく「抗議するのか」という質問が出たのでしょう、「『抗議というか認識を問うことはやりたい』と述べ、今後、政府見解をただす考え」(同)を示したといいます。

 その翌日(14日)。翁長氏は政権政党の自民党・二階俊博幹事長と県庁で会談しました(写真左)。高江の事態について「抗議」しないまでも、少なくとも「容認できない」と言って「見解をただす」絶好の機会、と多くの県民は思ったのではないでしょうか。
 ところがーー。

 「二階氏と知事の会談、その後の会食は終始、穏やかなムード。新基地建設に関する話題は『嵐の前の静けさかと警戒したくなるほど、一切出なかった』(県関係者)という」(15日付沖縄タイムス)

 翁長氏は二階氏に「7項目の要望書」を手渡しました。「7項目」とはー。
 ①沖縄振興予算の確保②税制改正③辺野古新基地建設の断念と普天間飛行場の県外移設、早期返還、危険性の除去④クルーズ船バースの拡充⑤J1規格サッカースタジアムの整備⑥渋滞対策⑦市町村国保事業への支援(15日付琉球新報)

 見事に「高江」のタの字もありません。「辺野古」についてはさすがに「要望書」には入れていますが、「終始穏やかなムード」の中で「新基地建設に関する話題」すなわち「辺野古新基地」についても「一切出なかった」のは先の記事の通りです。

 ここに「高江」「辺野古」に対する翁長氏の本音・本性がはっきり表れています。
 記者団(世論)の前では「容認できない」など厳しい態度をとっているように見せながら、肝心の政府・自民党には何も言わない。この使い分け(二枚舌)こそ、翁長氏の一貫したやり方です。

 例えば、安倍政権が自衛隊機に先立って民間のヘリで建設重機を高江に搬入したときも、翁長氏は記者団には「政府の姿勢は到底容認できるものではない」(10日付沖縄タイムス)と言いました。ところがその直前、翁長氏は軍転協(県軍用地転用促進・基地問題協議会)会長として首相官邸で菅官房長官や稲田防衛相らに「要請行動」を行いましたが、「軍転協による関係閣僚への要請では話題にならなかった」(10日付琉球新報)、つまり「高江」のことには一言も触れなかったのです。

 翁長氏は、菅氏は「配慮がない」が二階氏は「気持ちに応えてくれる」と、菅氏(政府)と二階氏(自民党)を区別し、二階氏を「県の救世主と言っても過言でない」(県幹部、15日付沖縄タイムス)とまで持ち上げていますが、これはまったく不見識であり、きわめて危険なことです。

 議院内閣制において政府と政権与党が一体であることは常識です。仮に表面上の人当たりに硬軟の違いがあるとしても、政策において相違がないことは言うまでもありません。とりわけ「辺野古問題」という20年来の重要課題において、政府と自民党の間に見解・政策の違いがあるはずがありません。

 二階氏は今回の沖縄入りに先立ち、東京での記者会見でこう言っています。「党が沖縄を重視している姿勢は、おのずから明らかになるだろう」(14日付中国新聞=共同)。二階氏の沖縄入りは、自民党が「沖縄を重視している」かのように見せる政治的演出にほかならないのです。

 翁長氏はなぜ政府・自民党に対して高江の事態でモノを言わないのでしょうか。それはヘリパッド建設に反対ではないからです。そのことは当のアメリカ政府自身がよく知っています。
 「国務省高官は『高江の現場で沖縄県民らが抗議している事実は承知している』としつつ、『沖縄県知事は日本政府は説明不足との批判はするが、工事そのものをやめろと言ったことはない』と指摘」(15日付沖縄タイムス・平安名純代米国特約記者)し、事態を楽観視しているのです。

 自衛隊機による重機搬入も、辺野古・高江の新基地建設も、その根源が「アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される」(第6条)という日米安保条約にあることは言うまでもありません。
 その日米安保条約を堅持するのが翁長氏の政治信条です。二階氏との会談でも「日米安保を支えて一生懸命頑張っている」と誇示しました(写真中)。対米従属の軍隊である自衛隊に対しても、「自衛隊は崇高な使命を持っている」(14日付沖縄タイムス)と賛美してはばかりません。

 こんな人物が、高江・辺野古で繰り広げられている安倍政権の暴挙とたたかえるでしょうか。いいえ、そもそも翁長氏には政府・自民党とたたかう意思などないのです。
 安倍政権とたたかって新基地を阻止するために、「翁長幻想」から一刻も早く脱却すること求められています。

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