アリの一言 

オキナワ、天皇制の現実と歴史などから、
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安倍政権に「再調査」を余儀なくさせた力は何か

2017年06月10日 | 五輪とメディア・政治...

     

 「総理のご意向」と記した加計学園関連文書の「再調査」を一貫して拒否していた安倍政権が、9日態度を一転させました。なぜでしょうか。

 「調査の必要があると国民の声が多く寄せられた」と松野博一文科相が会見で述べたように、「世論」への配慮があったのは確かでしょう。「内閣支持率や東京都議選への影響を抑えたいという狙い」(10日付朝日新聞)もあるでしょう。

 しかし、直接の力になったのは、前日(8日)の菅義偉官房長官の会見における記者(複数)の質問(追及)だったと考えられます。

 <菅氏の記者会見は加計学園問題で炎上していた。再調査は「必要ない」と繰り返した菅氏は30を超える関連質問を畳み掛けられ、当惑の表情を浮かべた>(10日付共同配信)

 菅氏の会見の直後に、菅氏や杉田和博官房副長官、今井尚哉首相秘書官らが首相執務室に集合。<一人が「再調査した方がいい」と口を開いた>(同共同配信)といいます。

 日テレニュース24(10日朝)も、8日夕方、菅氏ら政権中枢がミーティングを行い、その中で、「首相側近」が「報道から厳しい指摘も受けているし、国民も納得しない」と述べたと報じています(写真中)

 事実、テレビで放送された範囲でも、当日の記者会見では、「なぜ再調査しないのか理由付けがゼロ」「真摯に政府で調べてもらえないのか」「総理、官房長官のリーダーシップで再調査を指示する考えは?」など、食い下がった質問が相次ぎました。

 ある「官邸幹部」は質問した記者を「総会屋みたいな人」(10日付朝日新聞)と中傷していますが、それほど官邸の衝撃は大きく、これまでの「官邸記者会見」にはなかった光景だったということでしょう。

 何がこの日の官邸記者たちの背中を押したのでしょうか。少なくとも2つあると思います。

 1つは、文科省の内部告発です。前川喜平前次官の会見に続いて次々に噴出した文科省職員たちの匿名証言です。

 そしてもう1つは、あの今村雅弘復興相(当時)の「自己責任」発言を執拗に追及した記者会見(4月4日、写真右)ではなかったでしょうか。原発避難者の立場から今村氏を追及したあの会見の残像が官邸記者たちの潜在意識の中にあったのではないかと私は思います。

 ここで1つ疑問が浮かびます。今村氏を追及したのは「フリージャーナリスト」だったと報じられています。では、今回菅氏を追及した記者たちはどうだったのでしょうか。テレビでは少なくとも3人の記者(うち1人は女性)の質問が聞こえました。今回も「フリー」たちだったのでしょうか。それとも新聞社・テレビ局に勤務する「企業ジャーナリスト」だったのでしょうか。後者だった(あるいは後者も含まれていた)と信じたいです。もしも3人とも「フリー」だったのなら、「企業ジャーナリスト」の姿勢が改めて問われます。

 「フリージャーナリスト」にせよ「企業ジャーナリスト」にせよ、記者が政権(国家権力)の会見で行う質問(追及)は、「国民」の代理として「知る権利」を行使するものです。そもそも国家権力を監視するのがジャーナリズムの基本的使命です。
 今回安倍政権に「再調査」を余儀なくさせた記者会見の光景は、今回だけでなく、また官邸だけでなく、すべての記者会見に広がるべきです。新聞社・テレビ局記者の奮起を期待します。
 そうすれば、安倍政権の虚構の「高支持率」にもヒビが入るはずです。

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