アリの一言 

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新潟県知事選における「野党共闘」の教訓は何か

2016年10月17日 | 野党共闘

     

 16日の新潟県知事選で東電・柏崎刈羽原発の再稼働に「慎重」な米山隆一氏(無所属、共産党・社民党・自由党推薦)が当選したことは、先の鹿児島県知事選に続き、原発再稼働反対、脱(反)原発の「民意」がいかに強いかをあらためて証明しました。
 それが新潟知事選の最大のポイントですが、ここでは「野党共闘」のありかたという点で、今回の知事選がどのような教訓を残したかを考えます。

 今回の結果を「4野党共闘」の「歴史的な勝利」(日本共産党・志位和夫委員長)とし、衆院選でも踏襲すべきだという論調がありますが、それはきわめて一面的な評価です。

 第1に、今回の新潟知事選の「野党共闘」は、現在行われている東京10区や福岡6区の衆院補欠選挙、あるいは先の参院選の多くの1人区で行われた「4野党共闘」とはまったく性格が異なるということです。

 今回民進党は米山氏を推薦する「野党共闘」には加わっていません(自主投票)。米山氏は当初、共産、社民、自由(生活)などの政党や市民団体から出馬要請を受けながら、「民進党県連が自主投票を決めたため、いったん出馬を見送りました」(9月24日付しんぶん赤旗)。しかし、「市民らの強い要請を受け翻意し、同党(民進党ー引用者)に離党届を提出し、無所属での立候補」(同)に踏み切ったものです。

 民進党が米山氏を推薦しなかったのは、「原発再稼働反対」の立場に立てないからです。その背景には、電力労連を傘下にもつ連合の「原発推進」があります。現に連合新潟は今回の選挙では森民夫氏(自民・公明推薦)を支持しました。
 蓮舫代表は選挙の最終盤、米山氏に勝機があるという情勢になって急きょ「応援演説」に加わったに過ぎません。こうした蓮舫氏の行動には民進党内部からも「ちぐはぐな対応」(17日付共同)との声が出ています。

 東京、福岡の衆院補選や参院選の多くの1人区では、民進党があくまでも自党の候補者(政策)にこだわり、共産党や社民党などがそれに歩調を合わせ、民進党公認候補を支援したり、自らの候補者を降ろしました。
 それに対し新潟知事選の「野党共闘」は、民進党の党利党略を排し、「原発再稼働阻止」という政策の一致点で、政党と市民団体が対等の関係で手を結んだものです。この点が異なり、ここに勝利の大きな教訓があると言えるでしょう。

 第2に、しかしながら今回の「共闘」もけっして手放しで評価できるものではありません。最大の問題は、共産・社民・自由各党と米山氏の間で、また支持母体である「新潟に新しいリーダーを誕生させる会」(共産、社民、自由、新社会、緑の5党と市民団体などで構成)と米山氏の間で、「政策協定」が結ばれていなかったことです。

 その結果、米山氏の「政策・公約」はきわめて不十分なものになっています。
 例えば、最大の焦点である柏崎刈羽原発の再稼働についても、米山氏は「命と暮らしを守れない今の現状では」という条件付きの慎重論です。「福島の事故原因、健康への影響、実効性ある避難計画」の3点を検証すべきだとしていますが、もともと同氏は原発賛成論者で、いつ態度が変わらないとも限りません。

 また、県知事に問われるのは決して原発問題だけではありません。米山氏の「政策綱領・公約」(「現在と未来への6つの責任」)では、TPPについて、「新潟県の農業に及ぼす影響の徹底検証と国への要請」と言うだけで、TPP自体には反対ではありません。むしろ条件付き賛成といえるでしょう。

 さらに米山氏の「政策・公約」は、「戦争法(安保法)」や沖縄の基地問題については一言も触れていません。「駆けつけ警護」がいよいよ現実化しようとしているとき、そして「辺野古・高江」が重大な局面を迎えているとき、安倍政権に打撃を与えるべき県知事選における「政策・公約」としてはきわめて不十分だと言わざるをえません。

 選挙における「野党共闘」には、政党間の、あるいは候補者と支持母体(政党・市民団体)間の「政策協定」が不可欠です。
 「政策協定」で「戦争法」廃止・沖縄新基地反対を含む焦眉の一致する課題を明記し、すべての政党、市民団体が対等な関係で、無所属候補を擁立する。それが本来の「野党共闘選挙」ではないでしょうか。

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