アリの一言 

オキナワ、天皇制の現実と歴史などから、
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「外国籍県民」を排除した翁長知事の責任を問う

2016年02月22日 | 天皇制と人権・民主主義

  

 「外国籍児100人就学不明 県内5市、調査せず」−−21日の琉球新報1面トップです。
 「住民票がある外国籍の子どものうち義務教育年齢であるにもかかわらず自治体が就学の有無を把握していない児童生徒が、県内10市のうち5市で100人に上ることが琉球新報などの調べで20日までに分かった」

 さらに琉球新報は社説(22日付)で、調査していない5市の責任を厳しく指摘しています。
 「子どもの学ぶ権利を保障する上でも由々しき状態だ。・・・外国籍の子どもにも『育つ権利』を保障するためには、まず全ての自治体が就学の有無を調査し、把握すべきだ

 調査していない5市とは、那覇市、沖縄市、うるま市、宜野湾市、石垣市

 那覇市の場合、就任1年目の城間現市長よりも、昨年まで4期16年市長を務めた翁長雄志氏に重い責任があることは言うまでもありません。

 しかも、翁長氏が「外国籍県民」の排除で責任が問われなければならないのは、この問題だけではありません。

 2月1日の沖縄タイムス「論壇」欄に、「外国人の参加制限疑問 県民体育大会 国体より厳格」と題した土井智義氏(宜野湾市、大学非常勤講師)の投稿が掲載されました。沖縄県は昨年11月開催の第67回県民体育大会で、これまでの「参加資格」を変更し、日本国籍をもたない県民の参加を排除したのです。

 この問題は昨年12月6日付の同紙同欄の嘉手納良博氏(那覇市、テニス愛好家)の投稿で明るみにでました。
 嘉手納氏は「外国籍の課題は、単なる選手選考ではなく、大会趣旨、本県の目指すべき姿なども視野に入れ捉えるべき」だとして排除に抗議し、沖縄県体育協会に対し、〆2鶻姐饑劼鯒Г瓩覆ったのはなぜか△修糧獣任呂匹里茲Δ兵蠡海で決定されたのか今後はどうするのか、の3点を公開質問しました。

 これに対し、12月14日付の同紙投書欄で、安次富均・沖縄県体育協会事務局長がこう「回答」しました。
 「昨年(2014年−引用者)10月に競技団体と市郡体育協会宛て意向調査を行い・・・日本国籍を有し、かつ、本県で住民登録を行っている者を対象とするべきであるとの意見が多くを占めたため、ことし2月にその旨を周知し徹底するようお願いした」

 この経過を踏まえて、土井氏はこう主張します。
 
 「この解釈変更の結果、日本国籍をもたない人や国籍にかかわらず住民登録自体のない人が、県民体育大会の参加資格を失うことになった。これらの条件は、『日本国籍』を基本としつつも、『特別永住者』『永住者』の参加を認める国体の参加資格よりも厳しいものである。

 本件は、『沖縄県民であること』が、ある人びとの外部化によって成立していることを示すとともに、国からの上意下達だけでなく、地方レベルの『意向』でも既得権の制限がなされるという意味において、近年の朝鮮学校への補助金停止問題に通底する事例である

 特定の人々の参加を拒む解釈変更を、当事者に確認もせず、このように関係機関の『意向』で一方的に行ったことには疑問を持たざるを得ない。だが、問題は、手続き上の面にとどまらず、『外国人』と社会との関係そのものにかかわっている。すでにさまざまな権利が制限されている『外国人』が、大会に参加する家族や友人を横目に見ながら、また一つ社会参加を断念せざるを得ないとすれば、その気持ちはどのようなものだろうか。

 主催者の行政や協会は、スポーツを通じて全ての人が排除されない社会の創出を目指すべきではないか。『誰もが楽しく』という要望に照らし、参加資格の制限が廃止されるべきだと考える

 土井氏の主張に賛成です。さらに言えば、外国籍県民の排除はたんに「気持ち」や「要望」だけの問題ではなく、「スポーツは、世界共通の人類の文化である」(前文)、「国際社会の調和ある発展に寄与することを目的とする」(第1条)という「スポーツ基本法」(2011年施行)に反する行為です。

 同時にそれは、「万国津梁」というウチナーの精神にも反するでしょう。ちなみに、私が住んでいる広島県の体育協会事務局に問い合わせたところ、広島県では「外国籍の方でも問題なく参加できます」とのことでした。

 この問題で最も責任が問われるのは翁長氏です。
 それは翁長氏が県知事だからというだけではありません。当事者である沖縄県体育協会の会長が翁長雄志知事にほかならないからです。
 しかも翁長氏は、同協会が「排除通達」を出した2015年2月には、すでに会長に就任していたのです。

 翁長氏はこの問題についてどう考えているのか。見解と責任を明確にし、ただちに「外国籍県民排除」の「参加資格」を撤廃すべきです。

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