アリの一言 

オキナワ、天皇制の現実と歴史などから、
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「人間的、人道的観点」に反する「象徴天皇制」

2016年11月08日 | 天皇制と憲法

    

 天皇の「生前退位」をめぐる7日の有識者会議のヒアリングで、ノンフィクション作家の保坂正康氏は、「人間的、人道的観点から考える必要がある」(8日付沖縄タイムス)と述べました。

 天皇の「ビデオメッセージ」(8月8日)の直後にも、田中優子氏(法政大総長)は、「天皇と皇族は生身の人間だ。人間は人権を有している」(8月9日付中国新聞)として、天皇の意向を尊重すべきだとの考えを示しました。

 保坂氏や田中氏の主張は、この限りでは当然でしょう。しかし、肝心な問題が回避されています。それは、日本国憲法における「象徴天皇制」自体が、天皇・皇族に基本的人権を保障しない、非「人間的、人道的」制度だということです。

 憲法の「象徴天皇制」がいかに天皇・皇族の人権を蹂躙しているか、主なものを列挙してみます。

 ●憲法第2条「皇位は、世襲のものであって…」
    ⇒憲法第18条<奴隷的拘束と苦役からの自由>違反
     憲法第22条<居住・移転の自由、職業の自由、国籍離脱の自由>違反

 ●憲法第4条「天皇は…国政に関する権能を有しない
    ⇒憲法第15条<参政権>違反
     憲法第21条<表現の自由と集会・結社の自由>違反

 ●皇室典範第1条「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」。他多数
    ⇒憲法第24条<男女平等>違反

 ●皇室典範第10条「立后及び皇族男子の婚姻は、皇室会議の議を経ることを要する
    ⇒憲法第24条<婚姻の自由>違反

 こうして天皇・皇族の基本的人権をことごとく蹂躙して成り立っているのが「象徴天皇制」です。「生前退位」を「人間的、人道的観点」から考えるなら、そして天皇・皇族に「人権」を認めようとするなら、こうした「象徴天皇制」自体の問題点から目を背けることはできないはずです。

 特定の人物・一族の人権を蹂躙し非人間扱いする「日本国民統合の象徴」(憲法第1条)とは何でしょうか。それが「主権の存する日本国民の総意」(同)でしょうか。天皇・皇族は「象徴天皇制」の鎖から解放されて「生身の人間」として人権を保障されるべきではないでしょうか。

 「主権者」の私たちが今問い直さなければならないのは、「象徴天皇制」の存廃そのものです。
     

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