アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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「北朝鮮は常に交渉を望んでいる」元防衛次官が断言

2017年11月06日 | 日米軍事同盟と朝鮮・韓国

     

 安倍首相とトランプ大統領はきょう6日午後の日米首脳会談で、武力行使も含む北朝鮮への圧力をさらに強化し、敵対姿勢を露わにします。

 こうしたトランプ、安倍両氏の対北朝鮮姿勢は、朝鮮半島情勢の平和的解決に逆行するばかりか、「日本の安全保障」も危うくする。北朝鮮は常に交渉を望んでおり、軍事的挑発は行っていない。日米首脳会談を前にして、防衛官僚トップの元防衛事務次官がテレビでこう断言しました。

 注目すべき発言を行ったのは、秋山昌廣元防衛事務次官(橋本内閣、小渕内閣当時。現安全保障・外交政策研究会代表)。番組は5日夜9時から放送されたBS・TBS「LIFE」(写真中、右)。

 秋山氏の主な注目発言は次の通り。

 「北朝鮮は常に交渉を望んでいる。ミサイル発射や核実験もけっして軍事的挑発をしているわけではない。そこを見誤ってはいけない

 「安倍首相が『対話ではなく圧力だ』と強調しはじめて、北朝鮮の日本に対する姿勢が強硬になった。安倍首相の姿勢が日本の安全に危機をもたらした

 「(トランプ氏の「日本はなぜミサイルを迎撃しない」発言について)安倍首相も菅官房長官も、トランプ氏の『すべての選択肢はテーブルの上にある』発言を全面的に支持すると表明した。それなら日本も一緒にやろう、というのがあの発言だろう」

 さらに秋山氏は、ボードを使って「対北朝鮮政策の3つ提言」を行いました。

① 制裁強化・圧力一辺倒は日本の安全保障に深刻な危険をもたらす。

② 少なくとも米側から軍事力を行使すべきではないという考えを日本としても明らかにすべき。

③ 解決のためには、まず米朝双方がいったんここで立ち止まることが不可欠。辛抱強い外交と対話が必要。

 事務次官という官僚トップが退職後に真相・本心を公言することは「森友・加計問題」でもありましたが、秋山氏の発言もその1つといえます。
 元防衛官僚トップの目から見ても、「北朝鮮を完全に破壊する」(トランプ氏、9月19日の国連演説)、「必要なのは対話でなく圧力」(安倍氏、9月20日の国連演説)というトランプ、安倍両氏の北朝鮮敵視がいかに危険かは明らかです。

 さらに秋山氏が、「北朝鮮はけっして軍事的挑発はしていない」と断言したことは、「北朝鮮の挑発」という常とう句で思考停止に陥っている日本の政党、メディア、「市民」に大きな一石を投じたと言えるでしょう。

 


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