徐仙日乗

日記、随筆

徐仙日乗 読書 残夢の骸 満州国演義九 船戸与一

2017-02-28 22:26:23 | 日記
徐仙日乗 読書 残夢の骸 満州国演義九 船戸与一 新潮文庫
読了 読書メーターと重複

これにて全九巻読了。長かったぁ。結局、四人兄弟の見聞きした範囲で昭和初期から終戦後までの、満州国に重点をおいた政治、外交、軍事を網羅した「小説」であった。巻末の資料の量に圧倒される。結局少々本を読んでも「群盲が象を撫でてる」くらいしか消化し切れない歴史の重みと深みに目が眩みそう。日本の敗戦が見えてきた頃から社会主義陣営の攻勢が目立ってくる。ここまで来ると東西陣営の対立、二つの中国、韓国分断などの諸問題が同じムーヴメントで起きた事が分かる。ソビエトが中共が「凌ぎに凌いで」勝利を収めたって事実はその後の歴史を考えると無視出来ないだろう。結局、勝ったのだから、コミンテルンとか人民戦線とかそれまでに無かった新しい戦略が効果的だったのだろう。卑怯とも言えるが、そんな時代は遥か昔に無くなっているのだ。著者が後書きで「(時代を経て)牧歌的な物が無くなって行く」と評したように。確かに今の日本でも「卑怯」って言葉は死語である。

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