徐仙日乗

日記、随筆

徐仙日乗 読書 紳士協定: 私のイギリス物語 佐藤優

2014-12-16 18:31:30 | 日記
徐仙日乗 読書 紳士協定: 私のイギリス物語 佐藤優 新潮文庫
読了 読書メーターと重複

佐藤優の著作は三冊目。「国家の罠」は面白かった。世間に注目された契機が契機だけにどうしても色眼鏡でみてしまうのだが、経歴と学歴を考えると不思議な人だと思う。「外務省のラスプーチン」なんて誰がつけたのか知らないが、浅薄そのものである。外見は確かに怖そう(笑)。若い頃の回想を基にした著作は作家なら一度は物にするものだと思うが、こういう体裁、内容は予想外であった。
「こりゃ小説だよなぁ」と思いながら読了。意外にも、研修でのホームステイ先の少年と研鑽を続ける筆者との心温まる交流が中心。1980年代のロンドン近郊、ミドルクラスの習俗が生き生きと描かれている。異国の少年の疑問に答えるという形式で異文化、教育、人生を語る筆者。情緒や感傷に流されることなく、あくまで理性的な会話は、「理想的な人間関係」に思える。ここら辺に小説を感じたのだろう。不思議な読後感であった。エロ小説まがいの外務省を舞台にした小説を書いた人とはとても思えない、アレも面白かったけれど。

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