中原聖乃の研究ブログ

研究成果や日々の生活の中で考えたことを発信していきます。

オタワの学会で発表しました。

2017-05-14 13:22:50 | 研究報告

2017年5月14日

5月1日から7日まで、オタワで開催されたIUAES(Conference of the International Union of Anthropological and Ethnological Sciences)で発表するため、カナダに滞在しました。

 

今回の学会では、二つの大きな目標を立てました。一つは、他のセッションに参加し質問する!もう一つはセッション終了時やそのほか会場で、研究者に個人的に積極的に声をかける!この二点です。どちらも一回ずつできれば、と思っていたのですが、一回成功すると味を占めて、しかもスムーズに英語が通じないという状況にも慣れて、いろんな方に話しかけたくなるという、本当に「恥知らず」なことをしてしまいました。

苦労の甲斐あり、自分の発表でいっぱいいっぱいになっていたこれまでの国際学会とは違い、他のセッションもいろいろ聞くことができ、かなり勉強になりました。ロシア、カナダ、米国、中国の研究者の方々の知己を得て、情報交換の約束もして、これから楽しみです。なにより私の発表を聞きに来てくれた!これはうれしかったです!

私たちのセッションでもアメリカの爆撃機がスペインに墜落した放射能汚染のことを話した人がいて、これまで年表程度でしか知らなかったことですが、今にも影響があることを知り驚きました。実は3月の米国出張で、これに関する展示をアルバーカーキの核博物館で見たばかりだったのです。

 

オタワでは学会会場のオタワ大学の近くの青空市場やダウンタウンに行きました。春の一歩手前のオタワの市場では、アスパラガスと、なんとゼンマイを売っていました。

オタワの人はこんなものを食べる習慣があるのか!?オタワはオンタリオ州に属しているのですが、オンタリオ州は農業が盛んで、街中でもごらんのとおりのミミズの足跡があり、土壌が豊かなことが分かりました。有機農業の農家を訪問する予定でしたが、到着日の予想外の大雨で後片付けに忙しく、また雨が続き、結局最終日まで実現できませんでした。これは残念!オタワのあるオンタリオ州の一部地域では大洪水が起こっていて、ニュースにもなっていました。

ダウンタウンでは、ようやく発見しました!大麻のお店!ではなく、大麻は売れないけど、大麻関連の器具のお店です。

カナダでは、大麻は禁止するのではなく、政府の監視下において管理するという考え方です。最近大麻に関する法律が改正されたそうなのですが、大麻賛成派の方たちが、「トマトはいいのに、どうして、大麻はダメなんだ~」とか、国会議事堂の庭に大麻の種をまき散らしたりということもあったそうなのですが。(このあたりの情報はちょっとよく聞き取れなかったので不正確かもしれません)

宿の方に教えていただいた有機野菜を使ったレストランに行ってみました。大人気で、平日というのに満席でした。TV画面にはカナダ版(アメリカ版?)『料理の鉄人』 “Iron Chef” という番組をやっていました。構成は日本とほぼ同じ、司会者と批評者4名、2名のシェフがバトルを繰り広げるというものでした。4名の批評者のうち1名は日本の侍を彷彿とさせるいで立ちで、『料理の鉄人』への敬意を表しているのか?と思いました。パンが本当においしく、魚の皮もパリッとして、なかなかのお味でした。(ただ、有機農法といっても日本とはだいぶ基準が違うみたいで、確かに土には化学肥料を混ぜていないのですが、水には混ぜているとカナダ人から聞きました。どうなんでしょう?)そういえば、宿の近くのスーパーマーケットにも行ってみましたが、牛乳は日本のと同じような濃い牛乳だし、肉は冷凍ではない生の肉を売っていたし、食べることを大切にしているみたいですね。

今回アメリカのワシントン経由でカナダに入国しましたが、ワシントンではセキュリティで引っかかり、とんでもない目にあいました。幸いなことにカナダへの乗継便が2時間近く遅れて、乗り継げましたが、、、オタワに着くと、「ようこそ、カナダへ」といわんばかりの入国管理官の歓迎ぶりに、ほっとしました。「この国はアメリカとは違うわよ」隣国アメリカとの差異化を図っているようにも感じました。それはビザ免除プログラムにも表れています。カナダはアメリカのエスタに似たビザ免除プログラム(eTA)の導入を開始したのですが、その申請の時の質問事項に違いがあります。アメリカは「取り締まってやる!」という意気込みを感じるのに対し、カナダは「あなたをお守りします」という優しい気持ちにあふれているのです(笑)もちろんこれは表面的なもので、実際にはテロを経験した国として、テロに対しては厳しく対処するという方針を打ち出したいけど、「優しい国」でもありたいという相反する気持ちが交差した妥協策なのでしょう。実際には、在オタワロシア大使館前では、「テロ国家出ていけ!」という一般市民のデモンストレーションを見かけましたし。。。

さて、核問題に関わっているので、戦争博物館に行ってみました。

「核」はどう展示されているのか?日本を含む世界中の核による被害、核軍拡競争のなかの市民生活、核実験被害兵士、、、様々なトピックが展示されています。でも肝心なものが抜け落ちています。それはインドの核開発へのカナダのかかわりです。1970年代インドは核実験に成功しますが、これはカナダがインドに原子力発電技術を供与したからです。だからカナダはインドの核保有に一定の責任を有しています。でも展示では一言も触れられていませんでした。同じ英連邦国家だから、仕方ないですかね。

こんな感じで、自分の研究にかかわる社会見学もでき、なんとか無事に学会を終えました。次の国際学会発表は10月末。まだ申し込みの段階ですが、採択されるといいな。

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