Nonsection Radical

撮影と本の空間

どこかで誰かがつながっている

2014年06月28日 | Weblog
朝日新聞の夕刊で沢木耕太郎が「銀の街から」という映画のエッセイを書いているんだけど、いつもなかなかイイ感じだ。
今回は「太秦ライムライト」という映画を取り上げたのだが、主演は福本清三だ。
福本は切られ役専門の俳優である。
その”脇役”を主役にした映画が作られたというのだが、このエッセイの中で沢木はその原作は福本清三の本「どこかで誰かが見ていてくれる」ではないかと書く。
実はこの本は福本の語り下ろしで、聞き書きしたのは、文中には書かれていないが小田豊二である事を知っているのは、この本を持っているからだ。
小田豊二という人を知ったのはもう30年以上前の事で、福武書店から発行された写真誌「PHOTO JAPON」立ち上げの際、篠山紀信関連から関わった人であると聞いてからだ。
そして数々の聞き書きを書かれた人である事を知り、それらの本を読み、「どこかで誰かが見ていてくれる」もその一冊であった。
当然だろうけど、沢木も小田豊二の本を読んでいたんだぁ、と嬉しかった。
自分の知っている事が(特にマイナーな事が)取り上げられて、それがつながりを持って紙面に広がって行くのを見ると、まったく個人的な気分なんだけど、自分の知識も少しは世間でも認知されているんだと感じられた。
ホントは、世間での常識の一端を自分も少しだけ知っているという事なんだけどね。
そんな自分の知っている人と人のつながりを今回のエッセイで思い出し、何か懐かしい気持ちがわいてきたのだった。





京町堀1丁目の街並み 2
大阪府大阪市西区京町堀1丁目
撮影 2014年5月24日 土曜日 16時45分
コメント
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