satoboの写真日記

言いたい放題の酔っぱらい日記

記録としての本

2013年02月14日 | Weblog
検証などという難しい事ではないのだけど、本というのはその時点の時代の記録という側面がある。
さなかにいる時にはわからないままであった事が、あとで振り返ってみて、その意味、意義、流れなどが理解出来る事もある。
その手助けになるのが本である。
まあ、そうはいっても最近の書籍の”生存期間”は短く、アッという間に消えてしまうので、手軽に過去をさかのぼるというワケにもいかなくはなっている。

最近”例の”会社が立入検査に際して”間違った”説明をして、実質立ち入りを阻止した事が”疑惑”として報じられている。
で、なにかそんな関係の本はないかなと探していると、「検証 東電原発トラブル隠し」という本があることがわかった。
岩波書店のブックレットで、著者は原子力資料情報室だ。
実はこの本は2002年に初版発行されている。
つまり東北の震災のずっと前だ。
まだ多くの人が「原子力資料情報室」など”オオカミ少年”だと思っていた頃だ。
その当時から原発に関して危険信号を発していたのだが、本の内容は1986年から2000年頃に東電原発で起きたトラブル隠しについての話である。
その当時の”事件”と今回の案件との関係はというと、今回の立入検査の目的が、津波で壊れる前に地震で設備が壊れていたのではないかという点を検証するためのものであり、東電は当然「そんなことはありませんでしたよ」と説明していたわけだが、このブックレットを読んでいるとホントかいな?と思えるようなトラブルが以前から起きていた事がわかり、キチンと検証されなかった事が悔やまれる思いがするのである。
当時のトラブル隠しの内容で説明されている中に福島第一原発も当然ある(苦笑)。
多くが配管等のひび割れの隠蔽なのだが、再循環系配管も含まれていて、事故時には冷却系に支障が出ると危惧されていた。
これらのトラブルが“続々”と発生し隠蔽されていたわけで、トラブルを抱えた配管等が強度不足になり地震で壊れた可能性はないのかという疑惑がわいてくるのだが、東電の答えは「なかった」という事だ。
ホントか?
それはわからない。
ただ福島第一原発では、過去様々なトラブルの隠蔽、報告書改ざんが行なわれていたと2002年の本書では報告している。
そんな騒ぎあっての約10年後、あんな事故が起きた事に関連はないのかと勘ぐるのは、やはり”オオカミ少年”の一味なのだろうか。

今だから一読に値する本である。



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コメント
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